表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/122

第5話 勇者パーティー、ゴブリン討伐に向かう。視点、ミリア

 私は、勇者パーティーの弓使いをしているミリアです。


 先日、シュンさんがパーティーを抜けさせられてしまいました。

辞めさせられた理由は、戦闘で前面に出ないことだそうです。

確かに前面には出ませんがサポートで活躍していましたし、別に邪魔なんてこと思ったことはありません。

それどころか、私にとってはパーティーに不可欠の存在でした。

先が思いやられると考えながらも、私はパーティーの集合場所へ向かいました。


「集まったな、みんな聞いてくれ! 今日のクエストはゴブリン討伐だ」


 ゴブリン討伐、それならシュンさんがいなくても難しくなさそう。

でも油断は禁物、弓の最終調整をしてから行くことにします。


「やぁ、ミリア」


 突然、耳元で誰かが私に囁きました。

振り返るとそこにはカリブさんがいました。


「カ、カリブさん支度はもう大丈夫ですか? 私ももう少しで終わるので...」


「う~ん、今日も美しいなミリア。やはり君を見ていると癒されるよ。紅く美しい髪、バランスの良いプロポーション。本当に女神のようだ」


 カリブさんは私の手をいきなり触り、頬に擦り始めました。

「やめてください」と口にしても、彼は引いてくれません。

いつもはシュンさんがカリブさんの気を反らしてくれて助かっているのですが、もういないんですね。

これから会うたび耐えなきゃいけないと思うと、気が重くなりそうです。


「カ、カリブさん、ミリアさんも支度をしているのであまり迷惑は...」


 遠くから、カリブさんの身長と同じ程の大盾を片手で軽々と持つカタリナさんが現れた。

いつ見ても背が高く、凛々しくてかっこいいです。

そんなカタリナさんを見て、カリブさんは舌打ちをしました。


「うるせーぞブス! 引っ込んでろ」


 いつもながら、許嫁のカタリナさんに対してとても酷いです。


「終わりました、さぁ行きましょう」


 私はこのままではまずいと思い、準備を早々に終わらせました。

気を悪くしたカリブさんはカタリナさんのことを睨みつけた後、先頭を歩き始めました。


「ありがとうございます、カタリナさん」


 いつもは口数もあまり多くなく、控え目な彼女がシュンさんの代わりに庇ってくれました。


「気にしなくていいですよ。さぁ、私たちも行きましょうミリアさん」


 お礼をいうと、カタリナさんは笑顔で返してくれました。


◆◇◆◇◆


 ここがゴブリンの巣がある洞窟、中からモンスターの声がいっぱい聞こえます。


「何外で突っ立っているんだミリア」


「すいません、今行きます」


「ドラゴンキラー!!!」


 私が後を追って着くと、カリブさんは大技をゴブリン目がけて何度も放っていました。


「カリブさん、大技をそんなに何度も使って大丈夫なんですか? この洞窟結構モンスターが多いようですし、巣穴を見つけるまでは温存した方が」


 カリブさんは口笛を吹いた後、話始めた。


「大丈夫大丈夫。

こんな雑魚いくらいても余裕だって。

大技なんてなくても巣穴ぐらい楽勝だ」


 この時、私は少し不安を感じ始めました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ