第3話 ユーリ 15歳の誕生日③
部屋に戻って窓から外を見てみるとどう言うわけか父さんとシュウが戦っていた。あ、シュウは父さんが契約している魔獣なんだ。氷と風を操る、魔獣ヘイルガル。とても強いんだ。魔物にはランクが分かれていて弱いのから順にF、E、D、C、B、A、S、X となっている。基本的にA以上の魔物は人前に現れることはない。というよりかはAランク以上の魔物が住処にしている近くに人間は住もうとはしないわけだけど。シュウはその中でもAランクの魔物なんだ。なんでも昔父さんが旅していたときに出会って共通の敵がいたとかで手組んでそれ以来家族の一員なんだ。シュウにも俺は一度も勝てたことない。しかも父さんの時と違ってシュウと修行する時はシュウは俺に攻撃を絶対仕掛けてこない。なんでも手加減するのが苦手だから俺を殺しかねないんだって。それでも追いかけっことかはよくやっていたから俺のスピードは彼との修行の賜物なわけだ。
俺は少しベッドで横になった後勉強を始めた。そして2時間ほど経った後レヴィアが俺を呼びにきた。
「失礼します。ユーリ、昼食の準備ができたわ。」
「ありがとう。今行くよ。」
俺はレヴィアと一緒に食堂に行き昼食を取った後にある2人の人物のところに向かった。
「おう、ユーリ。今日は誕生日だって聞いたぞ。おめでとう。」
「あなたも15歳になったなんて、レヴィアもそうだけど、、、ユーリが子供のときのことなんて昨日の様だわ。」
「ありがとう、リュートさん、カーラさん。」
この2人、リュートさんとカーラさんは父さんの部下でうちの筆頭騎士と筆頭魔導士なんだ。そしてレヴィアとランの両親なんだ。2人は父さんの冒険者時代によくパーティを組んでたんだ。『不死鳥の翼』っていう名前で結構強かったらしい。2人も俺の師匠なんだ。そもそも父さんは仕事で忙しいし、シュウは仮に魔法を教わろうとしても完全にセンスでやってるから手本にはならないんだ。でも2人はとても丁寧ですごく頼もしかった。ちなみにリュートさんは身長は父さんと同じくらいで茶髪の短い髪の毛に茶色の目。レヴィアたち姉妹と同じ様に獅子族特有の耳と尻尾がある。リュートさんは剣士としての腕がすごく高い。獣人の特徴である優れた身体能力を十分に使って、速い上に一撃一撃がとても重いんだ。剣の腕前なら父さんと実力は五分五分なんだって。ただ父さんは魔法も使えるから本人も父さんの方が強いって認めてる。 カーラさんは人と獅子族の獣人のハーフで見た目は獣人の特徴を引き継いでいる。あ、ハーフは見た目に関してはどっちかの特徴を引き継ぐんだ。なんで見た目かっていうと、本来純粋な獣人は魔力が少ないけど、その代わり身体能力が優れている。でもハーフの場合、そう言った種族的特徴は混ざることがよくある。だからカーラさんは見た目は獣人だけどカーラさんのお母さんが魔導士として優秀だったからか、魔力量が多い。だから魔導士として活躍しているんだ。ただ獣人としての身体能力は受け継がなかったみたいで、前衛になることはない、、、っていうのが本人談だけど普通に身体能力高い方ではあるんだよなあ。見た目は金髪に茶色の目。身長は170cmくらい。
因みにレヴィアとランだけど2人は完全に獣人って感じで身体能力に圧倒的に優れている。ハーフの子供に関しては学術研究はまだ進んでいてなくて、今のところ分かっているのはハーフの子供は見た目の特徴に引っ張られることが多いってことだけ。それでもレヴィアは魔力は割とある方だけど、制御が苦手みたいだ。よく分からない。
「とりあえずユーリ、午前中はローグと戦ったらしいから午後は俺たちと戦おうか。」
「そうね、私たちにも成長した姿を見せて!」
そうして日が暮れるまで俺は2人と戦った。