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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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バタバタの婚約発表

ブクマありがとうございますm(_ _)m


コメントもありがとうございます!

久々に厳しめのコメント頂きました。


この作品が素人の私の処女作になります。

厳しいコメントも今後の私の血肉となると思いますので、コメント宜しく御願い致しますm(_ _)m



 世界の危機……この国の人達は自覚してるのか?


 現在アルシア城にて晩餐会が行われていた。


 ケンヤ、トオル、アバロンは城で用意された貴族服に着替えさせられ、貴族達に囲まれている。


 ミコトとサラはまだ用意が整っていないらしく、先ず男メンバーだけで会場に放り込まれた次第だ。


 何故かケンヤとトオルの回りには貴族のお嬢様が囲み、アバロンにはその両親であろうか? に囲まれ、ケンヤとトオルは顔を引き攣らせながら対応、アバロンは……不遜な態度を取り続け、逆に貴族達が顔を引き攣らせている……


 そんな貴族達の相手にウンザリして来た頃、会場にチラホラ魔族が居ることに気付く。


 そういやあ魔族との交流が始まったってピサロで言ってたな!


 彼らはアルシアの貴族達と雑談しながら、此方をチラチラ気にしているようだ。


 その魔族の中に見知った顔を見つけ、これ幸いとケンヤは「ちょっと失礼します」と、魔族の女性の下に向かう。


 ケンヤから近づいて来た事に驚く魔族の女性。


「お久しぶりですね。魔王ミコトの事、お気になるのではないですか? もう少しすれば現れると思うので」


 ーーーーケンヤが話し掛けた魔族の女性ーーーー


 魔族領、領主の内の1人オズマの妹で魔王ミコトのメイドをしていたマリアであった!


 マリアはミコトの名を聞くとケンヤに詰め寄る。


「ま、魔王様はお元気にしておいででしょうか! お怪我やご病気をしてなどしておられませんよね! ああ、このマリア心配でたまりません!」


 本当にミコトの事が心配で堪らんって感じだな、こんなにもミコトの事を心配してくれる人が居て、ケンヤは自分の事の様に嬉しく思う。


 マリアに向け優しく微笑むと


「大丈夫ですよ、元気にしてます。あっ……ただ1度だけ俺の不注意でミコトに怪我をさせてしまった事がありまして……魔族にとって大事な魔王に怪我をさせてしまい申し訳けございません。二度とミコトに怪我などさせない様守って行きます」


 ケンヤの誠意ある態度に目を見開くマリア。


 世界を救う旅だ……怪我の一つや二つしない方がおかしい。


 それをこの様に……


 以前我が兄に取っていた勇者の態度と、その威圧をマトモに受けた事のあるマリアは勇者に恐怖を感じていたが……、今見せる勇者の誠意とミコトに対する明らかな情、そしてこの優しく微笑む笑顔。


 この人となら魔王様は大丈夫!


 マリアは確信を持った。


「勇者様……」


 マリアが何か言おうとすると、肩に乗っかり足をプラプラさせていたシルが突然口を開く。


「誰に声を掛けるのかと思ったら……こんな美人の魔族に……もしかしてハーレム計画発動するの?」


 ば、バカ! 何言ってんだ!!!


「それに……この子ミコトの側近じゃない? 流石にそれは……ケンヤ……節操がないよ……」


 い、いや……シルさんや……これは何のお遊びかな?


 すると貴族のお嬢様方から逃げて来たトオルが


「ケンヤさん、その綺麗なお姉さん狙ってるんですか? 僕が囲まれて困ってたのに……ケンヤさんはこんな綺麗なお姉さんを口説いてたんですね!」


 トオルよ……お前少しキャラ変わって来た?


 シルとトオルに責められタジタジのケンヤにマリアは


「あら! そう言う事でしたの? 勇者様、私なら全然構いませんわよ?」


 こらこらこら! マリアさん、こんなくだらないノリに乗っかったらダメです!


 そんなこんなでケンヤがあたふたしていると、会場がざわめき始める。


 なんだ? と回りをみると……


 会場の舞台に国王のルイスが姿を表し、その後にはマーガレット、ミコト、サラ、最後に王妃であるマリアンヌの順で現れた。


 マーガレットはピンクのドレスに身を包み、頭にもドレスに合わせたピンクの髪飾りを付けている。


 本当に口さえ開かなければ……そう思っているのはケンヤ達だけでは無いはず……事実、素のマーガレットの事を知る一部の貴族からは溜息と共にボソボソとその様な呟きが聞こえる。


 ミコトも何時ものローブ姿では無く、漆黒のドレス姿だ。


 ミコトの黒髪に合わせたかの様なドレスは胸元から肩口にかけて大きく開いており、元来の透き通る様な白い肌がその黒のドレスとあいまりよく映えていた。


 貴族の男が溜息混じりでミコトを見つめている。


 こら! あまりジロジロ見るんじゃない! お前らデコピンするぞ!!


 何かを察したのかトオルはケンヤの腕を掴み 


「ケンヤさん! ダメですよ!」


 注意されてしまった……


 そしてサラ、あの氷結龍を思わせる様な白縹(しろはなだ)色のドレスに身を包み、髪も何時ものパッツンおカッパではなく、恐らくウィッグであろうか? を付けている。


 実は会場の貴族の若い男達から1番注目されているがサラだったりする。


 最初サラが現れた時、皆誰だか分からなかったのだ!


 それがサラだと分かると皆に衝撃が走る。


 お披露目の際にサラの姿は確認しているが、その時は如何にも冒険者然とした面持ちだったし、また子供っぽさも抜けきれておらず、愛らしいのだがそれはあくまで子供のものだった。


 しかし……ウィッグを身に付け、薄ら化粧をしたその姿は……もう子供のものでは無かった。


 恐らく後数年もすれば魔王ミコトに匹敵する程の美しさを手に入れるに違いない!


 魔王ミコトは魔族の王だ! いくらアルメシア王国の貴族であっても、おいそれと手出し出来るものでも無い。


 だかこのサラであれば……世界最高峰Sランク冒険者にして勇者パーティの一員! それだけでも貴族には魅力的だが、そこへこの美貌が加わったのだ! 若い貴族達は周りを牽制し始め、次第に場内がざわめき始める。


 正直ケンヤも驚いて目をパチクリさせていた!


 あ、あれが……サラ? マジかよ……


 驚くケンヤにシルは耳元で


「これ、ケンヤ皆んなに恨まれるね……」


 くっ! 回りの反応を見れば……


 婚約発表の前になんとしてもこの国から逃げださねば!!


 だがケンヤのそんな思いを打ち砕く出来事が……


「ゴホン!!」


 騒がしくなり始めた場内をルイス王が咳払いで収めると、おもむろに口を開く。


「皆、今日はめでたい日だ! 実はワシも先程この話しを初めて聞かされての。驚いたが皆に祝って貰いたくこの場を借りたい。我が第3王女マーガレットよ前に出よ!」


 ルイス王に呼ばれ隣りに並ぶマーガレット。


 も、もしかして……トオルはこの場から逃げようとするがケンヤに腕を掴まれる。


 ニヤリとトオルを見下ろすケンヤ……先程のデコピンを邪魔された仕返しである!


 愕然とするトオルだがそのトオルに突然スポットライトが当てられた。


「我が娘、第3王女であるマーガレットと其方に居るSランク冒険者にして勇者パーティの一員、トオル殿との婚約が決定した!!」


 おおおお!! 会場が湧き上がり拍手の音が響き渡るが、貴族達の笑顔の裏の思いは……


 し、してやられた!!


 だった……


 第3王女がトオル殿を狙っていたとは! 


 孤児であるトオルを娘の入婿にと狙っていた者、養子にと狙っていた者、我が家に入るのが無理であれば嫁がせる事も厭わないと思っていた者も……


 そして王女の人となりを知る者達は……


 流石マーガレット様だな……行動がお早い! 恐らくマリアンヌ様も動いておられるのだろう、これは第2第3夫人に選抜されるのもかなり困難を極めそうだ……あのお2人が受け入れても良いと思われる第2夫人候補……


 笑顔の裏で早速色々作を練り始める。


 皆の拍手が小さくなる頃を見計らい、再度国王が口を開く。


「我が娘の婚約、皆に祝って貰い嬉しく思う。だが、今宵はこれだけではない! 魔王ミコト殿、サラ殿、前へ!」


 げっ! ま、まさか俺達の婚約もここで発表するの!!


 逃げ出そうとするが……トオルとアバロンに腕を掴まれる!


 ニヤリと笑うトオル……


 くっ! 仕返しの仕返しか!!


 アバロン! ペット枠のクセしやがって!!


 そして……ケンヤにスポットライトが当てられた……


「魔王ミコト殿と勇者パーティの一員であるサラ殿と、勇者ケンヤ殿の婚約が決まった! 魔王ミコト殿が第1夫人、サラ殿が第2夫人となる!」


 な、なんだとお!!!!!!


 これには会場が一瞬静まり返ってしまった。


 特につい先程サラに目を付けていた若い貴族達のショックが大きい。


 なんとか笑顔を張り付かせてはいるが、ケンヤに向いドス黒い感情が流れてくる!


 顔にあの魔王様だけで飽き足らずサラ殿まで!!


 ケンヤに向けられる視線が痛い……


 そして一部の貴族達はマーガレットとマリアンヌの手腕に舌を巻く。


 マーガレットと婚約したトオルはサラの双子の兄妹だ。


 そのサラと勇者が結ばれれば……マーガレットは勇者と兄弟関係になる!


 王族と勇者が親族になるのだ! 


 しかも勇者と魔王との婚約で魔王とも王族は親族になる。


 今回の一連の婚約で、王族は勇者と魔王両方と太いパイプを持つ事とになった。


 勇者の第1夫人と第2夫人は既に発表されてしまった……今後あらゆる手段を講じて第3夫人の座を射止めても、第1と第2夫人の影響力には及ばない。


 直接関係を持つのに難しいそうな勇者と魔王、その世界に多大なる影響力を持つ2人に、関節的にせよ関係をもたらし得たマーガレットとマリアンヌ……この国の裏の頭脳と呼ばれ、恐れられている母娘の所業に皆脱帽してしまった。


「では皆失礼をした。引き続き楽しんで欲しい」


 そう言い残しルイス王はマリアンヌ王妃と共に舞台を降り、ミコト、サラ、マーガレットも一旦会場を後にした。


 その退場の様子を呆けて見ていたケンヤ達は……


 回りの視線にいたたまれなくなり、引き止められるのを振り切り会場を後にする。


 

 今直ぐにでもこの国を出なくては!


 俺達……あの母娘のオモチャにされてしまう!


 ケンヤとトオルは急ぎミコトとサラの元に向かう。


 その後には……こっそりついて行くマリアの姿があった。

 


 



 


 







 



 


マーガレット編と思わせておいて実はサラピックアップ編終了ですw


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