決着?
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今回いつもより長めのお話しになっております。
「あら! トオル様、こんなお時間にどうされたのですか?」
ケンヤの部屋に入るなり、トオルを見つけこんな事を宣うマーガレット!
い、いや……あんたもだから!!
皆心の中でツッコむが口にはださない……
「まあ良いですわ! トオル様にも関係のあるお話しですし、ある意味ちょうど良いですわね」
このお姫様何を……
ケンヤが身構えていると、トオルはマーガレットに向い口を開く。
「そ、その前にマーガレット様、少しお話しがあります! 俺とのあの……こ、婚約の件で!」
トオルのその言葉にコテっと首を傾げるマーガレット。
はーっ! このお姫様、口を開かなきゃ可愛らしいのだが……
ケンヤが溜息をつく……
トオルはモジモジしながら中々自分の気持ちを言えずにいる……
「あの……その……婚約なんて……あの……」
トオルのうじうじしている姿を見てシルはイラッとしたのであろうか……突然
「あのさ〜、トオルはおっきいのが好きなんだって!!」
あ……シルさん……言っちゃった!!
「し、シル姉さん! 突然なにを!!」
「なによ! ホントの事でしょ!」
キョトンとするマーガレットだかニヤリと口元を歪めるとトオルに近付き耳元で何か囁いている。
「トオル様、わたくしのお母様は着痩せしていますが実は……ゴニョゴニョ……」
その言葉に目を見開くトオル……
「わたくしのお祖母様もかなりの……ゴニョゴニョ……」
「お母様の家系の女性は皆……ゴニョゴニョ……」
「そしてそんなお母様似のわたくしは将来的に……ゴニョゴニョ……」
「トオル様がお望みであれば数年後……あんな事やこんな事も可能に……ゴニョゴニョ」
い、いや……最後の誤魔化せてませんよ!!
そっと心の中でツッコむケンヤ……
トオルはと言うと……体育座りで親指の爪を噛んでまする……はっ! 今なんかニヤつきやがった!!
と、トオルよ……それで良いのか!?
ソレが全てを優先させるのか!?
勝った! とばかりに胸を張るマーガレット。
「この件はこれで解決ですわね! ではこの部屋に来た本来の目的のお話しを致しましょう」
本来の目的? ゴクリと生唾を飲むケンヤ……
「勇者様、サラ様の事、どう思われておいでですか?」
へ? サラ?
「え、えっと……可愛い弟子だけど? それがなにか?」
「可愛い弟子ですか……成程! 可愛いとは思っておいでなんですね?」
このお姫様……何が言いたいんだ?
「はーっ! この勇者様……ここまで言って気づかない……、本当にミコト様やサラ様の仰る通り超鈍感なのですね……」
じゅ、10歳の女の子に溜息をつかれる自分って……
落ち込むケンヤ……
「ではお話しの切り口を変えます。勇者様はミコト様と婚約、ご結婚するお気持ちはございまして?」
けけけけ結婚!?
い、いや……まだな〜んも考えて無いんですが……けどこれ言うと色々波風立ちそうだな……
「…………え〜、そうだな……このままの関係が続けはいずれそうなると思う!」
おお! 我ながら良い返答だったんじゃね?
マーガレットは顎に手を当て上目遣いにケンヤを見る。
「成程、今はまだご結婚など考えていなかったと……」
なっ! お、お前……心が読めるのか!?
「い、いや! だって今は世界の危機なんだぜ? 婚約や結婚なんて考えてる場合じゃねえだろ! 帝国に居るマモルも創造主が送り込んで来る斥候や、その後に来るであろう軍勢に備えて必死で動いているはずだ!! 神龍達も創造主に備え今も作戦を練っている最中だ、婚約なり結婚なりを考えるのはその後でも遅くはないだろう!」
思わずタメ口になってしまった……けど間違った事は言ってない! こう言うお姫様にはガツンと言ってやらないとな!!
鼻息荒く言ってやったぜ! とマーガレットを覗き込むと……
「如何にも殿方らしい発想ですわね!」
はあ? コイツ何言ってんだ? 世界の危機なんだぞ?
「勇者様のお立場上、そう言うお考えにおなりになるのでしょうが……勇者様、世界の危機だからこそですわ!」
危機だからこそ?
「ええ! これから勇者様達は勝てるかどうかも分からない戦いに身を投じる訳ですよね?」
頷くケンヤ。
「だからこそです! 絶対死ねない理由を作って置くんです。勇者様は万が一の場合、その身を犠牲にしてまでパーティの皆様をお守りする様な方だとお伺いしております。それに何故かご自分の命を軽く見ている節がある事も」
ギクッとした! 確かに俺は自分の命を軽く見ている。
それは前居た世界からそうだった……
バツイチ独身、負け組の人生……僅かな収入で酒をチビチビしながらゲームをするのが楽しみで特に生き甲斐も無く、ダラダラただ生きているだけの人生だった……
こっちに来て直ぐに転生の事を受け入れられたのも、それだけ薄っぺらい人生だったからなのだろう。
ただ、こっちに来てからは大事なものが出来た。
ピサロの皆やシルにトオルにサラ、ミコトにアバロン。
以前の人生では得られなかった掛け替えのない仲間達!
その仲間達の為ならこんな薄っぺらい人生を送ってきた中年男の命など惜しくはない!
俺がそんな事を考えていると
「勇者様、勇者様がご自身の命を捨ててでも守ろうとしている方々は……同じ様に勇者様の事を思っているのですよ!」
ハッ! 思わず皆を見渡すケンヤ。
皆大きく頷いていた。
「ふぅーっ! やっとお分かり頂けましたか……勇者様のお命は勇者様が思っている程軽くは無いと言う事ですわ! 今いるこの方達のいずれかが亡くなられた場合、勇者様はそれはそれはお辛い思いをなさるでしょう? それと同じで勇者様がお亡くなりになられた場合……もう言わなくてもお分かりですわね」
そうだな……そうだよな……
「だから勇者様には死ねない理由を作っていただきます! ミコト様とご婚約して頂きますね! 婚約は将来をお約束する儀式でございます。ミコト様とのお約束を破る様な真似、勇者様はなさらないでしょう?」
や、ヤバい! 言いくるめられる……否定したいが、キツく否定するとミコトとの婚約を嫌がっている様にも取られてしまう……別に婚約が嫌な訳ではないのだ! ただこの前付き合い始めたばかりでもう婚約? それで良いのか?
「ミコトはそれで良いのか? この前付き合い始めたばかりだぞ?」
ミコトは……うっ! めっちゃ笑顔だ……
「はい! 私はケンヤさんと婚約するつもりですよ? イヤですか?」
ぐっ……、イヤなんて言えね……
「…………分かった! ミコトと婚約する!! よろしくな!」
右手を差し出すとミコトも右手を差し出し握手を交わす。
パチパチパチ
トオル、サラ、アバロンが拍手て祝福するが、シルが茶化してくる。
「ケンヤさあ、そこはチューでしょ! チュー! さあさあ早く!」
い、いや! 人前でなんてぜってーしね〜から!!
「じゃあこれで勇者様とミコト様はご婚約成立と言う事で次行きますわよ!」
次? まだ何かあんの?
どっと疲れがでるケンヤ……
「こっちの方が今回のメインですの! ホント超鈍感な勇者様のせいで……ぶちぶちぶち……」
マーガレット様……心の声が漏れてますよ……
「あら、わたくしとした事が! おほほほ」
…………
マーガレットを白い目で見るケンヤ……
「コホン! それでは第1夫人はミコト様に決定致しましたので第2夫人を誰にするのか、お聞かせ下さいませ!」
だ、だ、だ、第2夫人だ……と!
驚いているケンヤに今日何度目かの溜息をつくマーガレット。
「勇者……まさか勇者様のお相手が御1人だけだと本気で考えていたのですか?」
この世界が一夫多妻制なのは知ってはいたけたど、いざ自分がとなると……
「今さっきミコトと婚約決めたばかりだぞ! じゃあ次の夫人を……なんて考えられる訳無いだろ!!」
そりゃそうだと、頷くトオルとアバロン。
ゔっ! 味方がいた!!
トオルとアバロンの間に入り2人の肩を抱くケンヤ……
そんなケンヤにまたまた溜息をつくマーガレット。
「勇者様、遅かれ早かれ第2夫人のお話しは必ずもちあがります。第2夫人で留まらず第3、第4と……勇者様はもう少し自覚して下さいませ! 勇者様とはそう言うお立場なのです!」
ぐっ! ならもう勇者辞める……別に勇者じゃなくても創造主から皆を守れたらそれで良いんだし!
「ケンヤさあ〜、今勇者辞めるとか考えて無い?」
さ、流石はシル!!
「勇者様…………もう無理なの分かっていて仰っているでしょう……勇者様は既に民に認知されております。今更御自身で勇者をお辞めになっても無駄でございます」
ですよね〜、ちょっと思っただけじゃん!
「話を戻しますよ! で、勇者様は第2夫人を誰にするか心当たりはございまして?」
ある訳ね〜じゃん!!
「いや……そんなの全く考えた事も無い! ってかさあ……第2夫人なんてホントに必要なのか?」
「またそこからですか……往生際の悪い……」
マーガレット様……また心の声が……
「必要です! ミコト様には先程同じ事を申し上げましたが、ミコト様は魔王であられます。流石にそれは理解しておりますでしょ?」
頷くケンヤ。
「魔王であるミコト様は一国の王なのです! 夫にだけ尽くす訳には行きません、ミコト様の代わりに勇者様をサポートする第2夫人の必要性ご理解頂けましたか?」
???
頭の中がクエッションマークでいっぱいになるケンヤ。
「あのさあ、ミコトが魔王で忙しいってのは分かるけど、なんでそれで俺のサポートが必要なんだ?」
今度はマーガレットがへっ? と目を丸くしている……
「俺は1人暮らしなれてるし、ミコトが忙しい時でも問題なく1人で暮らせるぞ? なんの問題がある」
マーガレットはケンヤとの常識の違いに絶望感を抱いていた……
常識が通用しない……ならば!!
気合いを入れ直す!
「あの勇者様、勇者様は御自身のお立場を全くご理解していないご様子……良いですか? 勇者様はその気になれば国を起こす事も可能なのですよ?」
へっ! く、国を起こす?
「各国の王とも対等のお立場です。それに……この戦いが終わった後、勇者様のお立場は更に重視される事になるでしょう。各国の王族や貴族から求婚が絶えないでしょうね……」
「け、けど魔王のミコトとの婚約でそう言うの牽制にならないのか?」
食い下がるが、マーガレットは首を振る。
「無駄です。ミコト様がお留守の隙を狙って、物凄い勢いで勇者様に迫ってくるでしょうね……それこそ勇者様は断り切れず流されてしまい……頭お花畑のバカな貴族のお嬢様に振り回されるのですわ!」
な、なんて……恐ろしい……
ケンヤが震えているのを見たマーガレットの目が光る!!
「だからなのです! 影響力のある第2夫人は勇者様がもっとも信頼できる女性を選ばなければなりません!! 第3夫人、第4夫人と勇者様はそのお立場上、必ず娶らなければならないのです。その時に備え、ミコト様がご不在の際に信頼出来る第2夫人……必要でごさいましょう?」
うっ! そう言う風に言われたら……必要な気がしてきた……
「勇者様が信頼出来る第2夫人に相応しいお相手はもう既にお近くにおられますよ?」
近くに? 誰だ? そんな人居たか?
困惑するケンヤ……
マーガレットはサラの背中を押す。
「このサラ様です!」
え?
えーーーーーーーーーーーーっ!!!
「勇者様とずっと一緒に居られて、勇者様が信頼し、また信頼されるお相手、このサラ様以外居られません!!」
ちょっとまて! サラ? 確かに信頼はしているし、信頼もされていると思う……けど……
サラはケンヤを見上げ
「ケンヤさん、私が第2夫人ではダメですか?」
いやいやいやいや……
サラっ12歳だよ? 倫理委員会に訴えられてしまう……
「もしかして年齢の事を気にしているのでしょうか?」
あたり前っしょ!
「サラ……お前、俺のホントの年齢知っているよな? 実際親と子以上の年齢差だ! 流石にそれは……」
出来るだけサラを傷つけない様言葉を選ぶ。
「あらケンヤさん、それを言ったら私も同じですよ? サラちゃんとは3つしか違わないし、それにサラちゃんが第2夫人になってくれたら私は嬉しい!」
ミコト……そっか……女子3人で既に話しは出来上がっていたか!!
マーガレットが追い討ちを掛けてくる。
「勇者様ってまだ15歳ですよね? 12歳のサラ様と何が問題なのでしょう?」
ニヤついてやがる!!
コイツ恐らくミコトとサラから俺の実年齢聞いてワザと言ってやがるな!
「あのさ〜、ケンヤってなんでそんな実年齢に拘るの? 今は15歳なんだよ? それにさあ、この世界って色々長寿の人種がいるの知ってるでしょ? 魔人とエルフなんて何百年も寿命あるし……魔人のアバロンからしたら49歳なんて子供も子供なんじゃない? アバロンはそんな年齢差気にしてないし、ケンヤが年齢差気にするならアバロンに対して敬語使わなきゃいけないよ?」
し、シルさん……正論すぎて何も言えね〜……
マーガレットはここがチャンスと別角度からの攻撃を加える。
「あっ! トオル様、サラ様と勇者様がご結婚されれば、トオル様と勇者様はご義兄弟になられますね!」
け、ケンヤさんと義兄弟!!
トオルの目が輝き
「す、スゲー!! ケンヤさんと義兄弟になれるの!? 俺が? マジかよ!! サラ! 頑張れ! お兄ちゃんはサラを応援するぞ!!」
ぐっ! トオル! 裏切りやがったな!!
トオルに後押しされたサラはケンヤの前に1歩踏み出すと目に涙を溜ながらポツリポツリと語りだした。
「ケンヤさん……ケンヤさんは気づいてないと思うけど、私ケンヤさんと初めて出会った時からケンヤさんの事が好きでした。最初は小さな恋心だったのにどんどん惹かれていって……。成人してケンヤさんが1人前と認めて貰える様になったら告白しようと思ってたんです。けどミコトさんが現れて……1度は諦めようと思ったんですが……諦めきれなくて……告白もまだしていないのに……けど今マーガレットとミコトさんからちゃんと告白するチャンスを貰いました! 私なんか振られても仕方ないと思ってます。けどちゃんと告白させて下さい! 私……ケンヤさんの事が好きです。第2夫人私に任せて下さい! 一生懸命頑張ります!! 私は………………」
思わず抱きしめてしまった……
こんなん……反則っしょ!!
いや……女の子をここまで追い詰めたのは鈍感な俺のせいだ……いや……ホントは薄々気づいてたんだ……気づかないふりをしていた。
それがサラにこんな形で告白させてしまった……
ごめんなサラ……
俺……ちゃんとするよ……
サラを抱きしめたまま
「第2夫人……よろしく頼む」
ポツリと呟くと
サラは俺の腕の中で小さく震えなが涙を流した。
サラちゃん、良かったねえ(T_T)




