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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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創造主アルファ

ブクマありがとうございますm(_ _)m


短いですがこれで投稿します。


「アルファ様、地上の様子が何やらおかしな事になっておるようです」


 思考の深淵に落ちていた意識が呼び戻される。


 声のする方に意識を向けると、そこには最上位天使が1人熾天使ラファエルの姿があった。


 アルファは意識だけをラファエルに向け、次の言葉を待つ。


「邪神システムが発動いたしません。もしかすると堕天使共が動いている可能性がございます。事実、何度か大規模な結界が張られ、此方の監視が届かない状況も発生しております。邪神に対抗する勇者も誕生している様ですが……恐らく精霊が此方の監視を邪魔しています。奴らあくまでアルファ様に敵対する様ですな!」


 …………


 ラファエルの言葉に興味がないのであろうか? アルファは沈黙で応える。


 ラファエルもその沈黙に慣れているのであろう、気にせず報告を続ける。


「私ラファエルが1度地上に降り、邪神の件確認して参ります。その際、勇者にも接触しその力推し量ろうかと、以前の勇者の様な別世界からの転生者の可能性もございます! もし転生者だった場合…………」


 発言の途中で強制的に言葉を止められるラファエル! 


 突然口が開かなくなる。


 恐らくそれにも何時もの事なのであろう、ラファエルはそのまま口を噤む。


「…………転生者の場合、殺さず捕らえよ! 以前の様な失敗は許さぬ……、よいな」


 ラファエルは頭を下げ返事の代わりにするとその場から転移した。


 以前の勇者が転生者だったからといって、今回の勇者も転生者とは限らないし、別にアルファは焦ってはいない。


 何十億年も掛けてここまできたのだ。


 転生者でも転生者でなくても自分の肉体になり得る強さがあればそれで良いし、そこまでの強さが無くとも実験に使える。


 今回邪神システムが発動しないのは気になるが、数十年数百年単位のズレはアルファにとって僅かな誤差でしかない。


 それに転生者はアルファにとって異物である。


 出来ればそんな異物排除したいが……、進化とは異物の混入で劇的に変化する可能性がある。


 それをこの十数億年の積み重ねの中でアルファは見てきたのだ。


 当時、未知なる物資により劇的に進化した生物もいたし、魔素の発見はその最たる物であった。


 だが……そういう思いとは裏腹に転生者に執着している自分もいる……


 執着……いや、これは怨み……嫉妬かもしれぬ……


 創造主である我が嫉妬?


 思わず自嘲してまう。



 サタン……当時はルシファーと呼んでいた。


 12枚の美しい翼を持つ最上位熾天使筆頭!


 常に我の傍に座し、穏やかに微笑む姿を今でも……


 だが……最初の邪神システム発動からその微笑みが消えてしまった……


 彼のその悲しそうな姿を見て居られなかった。


 敢えて彼を地上に降ろし、別世界から来た異物調査の任務を与えた。

 


 彼を地上に降ろしたのが間違いだったのだろうか!


 まさか……我を裏切るとは……


 怒りに任せルシファーという名を奪い、サタンと名ずけ堕天させてしまった。


 最後に彼に掛けた言葉は


「我の元に戻れ! 我より異物の方が大事なのか!?」


 我ながら創造主とは思えない発言である。


 寂しそうな笑顔を向け、彼は異物と共に別次元に消えて行ってしまった。



 もう彼には二度と会うことは出来ないであろう……



 まさかそれがこれ程の絶望を生むとは……



 もう彼の居ないこの世界に興味はない!



 この世界に居るもの全てただの実験動物。



 我が最強の肉体を手に入れる為だけの実験動物だ!!



 そして肉体を手にしたら……




 ーーーーこんな世界はもう要らないーーーー

 




 



 


 

アルファさん……なんか人間臭いですよ?

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