仮説
ブクマありがとうございますm(_ _)m
誤字報告もありがとうです! 何時も何時も申し訳ございません(T_T)
ダンジョンを出たケンヤ達は一路王都アルシアを目指す。
マモル達とは別行動だ。
最初マモル達に転移して貰うつもりだったが、どうやら人族は転移出来ないらしい。
シル曰く
「あたし達の様な半分実体の無い精霊や天使は転移しても問題ないけど、ちゃんと実体のあるケンヤ達が転移しちゃうと……身体引きちぎれちゃうかも? 試した事ないけど……、試してみる?」
い、いや……遠慮しておきまする……
さらりと恐ろしい事をのたまうシルにトオルとサラの顔も引きつっていた……
そんなこんなでマモル達は帝国に戻り、ケンヤ達は王都で報告の後、王都のゲートを使い魔族領に向かう予定だ。
「あのさ〜、もう別に良いんだけど……わたしを移動手段にするの当たり前になってない?」
もう良いと言いながら愚痴りだすフロストドラゴン。
そんなフロストドラゴンの愚痴を無視し、ケンヤはシルと神龍達に尋ねる。
「その創造主ってさあ、一体何処にいるんだ? 戦うにしても防戦しか無いのか? こちらから攻め込めば早くね?」
トオルにサラ、ミコトにアバロンはケンヤの問はもっともだと思うが、神龍達は押し黙りシルも難しい顔をする。
「創造主のいる場所……あたし達や天使、神龍なら行けるんだけど……ケンヤ達には無理だと思う……」
思わせぶりなシルは少し悩んだ後、眩しそうに上空を見上げ
「だって……彼処にいるのよ?」
シルの指さす方向には……太陽がある……
ま……さ……か……
「おいおいおい、まさか太陽の中に居るのか?」
頷くシル。
マジかよ……、流石にそれは攻め込むのは無理だ……
トオル達も目を丸くしている。
「天使や神龍は元々彼処で精神生命として誕生したからあの場所まで行けるのよ、だからこのメンバーでなら神龍達なら行けるけど、それだけじゃ戦力不足……以前のオノクリス達や闇龍の様になるわね……」
天使なら行ける? なら……
「じゃあマモルなら彼処まで行けるのか?」
「うん、何故か天使になっちゃったマモルなら行けるわね!」
なるほど! 少し希望が見えてきた!
「ならなんとかなるかもな! 上手く行くかどうか分かんないけど、防戦で出来るだけ相手の戦力を削いでからマモルに攻め込ませるとか?」
すると闇龍が
「最後の手段になるかも知れないが……、勇者達が彼処に行ける方法が……あるにはある」
えっ? あるの?
「ちょっ! ダーク君……それは……」
フロストドラゴンが絶句する。
シルを初め、姿を現してない神龍達の動揺も感じ取れた。
闇龍の発言はそれ程と言う事なのだろう。
シルは溜息をつき
「言っちゃったか……、そう! 方法はあるの。それはね……あたし達があんた達と融合するの」
融合?
「えっとね、今の状態はあたし達があんた達に私達の力を貸している感じ? 加護はそう言う事。それとは違うの……完全にあんた達と同化して別の生命体に生まれ変わる! そうすれば彼処まで行けるわ」
「お前……それって……お前達はどうなるんだ?」
恐る恐るシルに尋ねると、シルはなんとも言えない表情になり
「えっと、先ずケンヤ達は人では無くなるわ! 何になるかは分からない……今まで試した事無いもの……、後……あたし達の人格は無くなる……これはね、創造主が肉体を手にした時、あたし達の力を取り入れる為に創造主が私達をそう作ったからなの。取り込んだ後人格が残っていたら困るでしょ?」
シルが……シルが居なくなるだと!
「「そんなのダメ!!!」」
トオルとサラが絶叫する!
「そんな……シル姉さんや神龍達が居なくなるなんて……そんなの絶対ダメだ!!」
「そうよ! そんな事しなくても良い様に私達いっぱいレベル上げるから! そんな事絶対させない!!」
涙目になるトオルとサラ……
「当然です! 私達が力を付ければ問題ありません!」
「ですな! 拙者も折角出来た友達を失いたく無いでござる!」
ミコトとアバロンも同様だ。
ケンヤは顎に手を当て何やら考えている。
「ケンヤさん、どうかしましたか?」
ミコトが尋ねると
「あのさあ、聞いた事あるんだよな……、太陽って表面温度は約6000度位あるんだけど……その内部の温度は地球と変わんないって説……」
これには皆が驚く!
「でないと、例え思考生命? 精神生命とかでも生存するのは無理だ! たけど……太陽の大きさってこの星より何倍も大きい訳だろ? ならその内部のGはとんでもない事になっているハズ……」
ミコト以外のメンバーにはそう言った化学知識は無いので、ケンヤが何を言っているのか理解出来ないでいる。
「そんな世界……中心部はとんでもない重力がかかっているけど温度は低い…………重力がとてつもないのに、温度が低いから核融合も出来ないかも……」
ミコトはハッしケンヤの言いたい事を理解した。
「プラズマ……」
ケンヤは頷く。
「そうだ! 低温プラズマの世界。納得したよ……そんな場所だからそこ肉体を持たない思考生命の様な存在が生まれたんだ! 逆に言えば肉体を持たない思考生命はそこでしか生きられない……」
トオル達は困惑する。
「あの……ケンヤさん? 何を言ってるのか全く理解出来ないんですが……もっと分かりやすくお願いします」
「いや……仮説の話しだし、これの説明は物凄く大変だから……、ただ最初俺はなんとか創造主をそこから誘い出せないかって思ってたんだが、そこから出れないなら無理だな……後、そんな高重力な所、人の身で行くのはこれも無理だ。やはり防戦で戦力を削いでマモル達に頑張って貰うしかないな……シル達と融合ってのは絶対無しだ! シル、神龍もそうだが、何が起こってもそんな選択はするなよ! 分かったな!」
念を押すケンヤにシルは笑顔で
「当たり前田のクラッカー! 了解よん! ビシっ」
それ久々に聞いたな……
シルのおどけた返事にメンバー皆ホッとする。
するとフロストドラゴンが
「王都が見えて来たわよ! このままお城に突っ込む?」
いや! お前バカだろ!?
「ダメに決まってる!! 近くに降りるぞ!」
何よ! ノリ悪いわね! などとぶつくさ言いながら王都近くの林の中に降り立つ。
「さて王都かあ……面倒臭い事になりそうだな……正直行きたくね〜! トオル、サラ、お前達2人で行ってこない?」
そんなケンヤに呆れるトオルとサラ……
「僕達だけなんで無理に決まってるじゃないですか!」
「そうですよ! 勇者はケンヤさんなんですから!」
12歳にお説教される49歳……
残念な者を見る様な表情のアバロン……
シルと神龍達も溜息しか出ない……
「分かったよ! 行くよ! 行きますよ! ちょっとゴネてみただけじゃん!」
そう言ってスタスタと王都に向かうケンヤ。
クスクス笑いケンヤの後に続くミコト。
トオル、サラ、アバロンもその後に続く。
「あああ!! ヤダ〜、貴族と王様とか超ウザいんだろうな〜、余りにウザかったらデコピンして逃げよ!」
まだブツブツ言っているケンヤ……
ケンヤさんがデコピンしたら王様死んじゃうよ!! と心の中で叫ぶトオルとサラ……
何故かそれにもニコニコしているミコトに、ミコトさんに頼ってもダメだと悟る……
トオル、サラ、アバロンはお互い目を合わし、万が一の場合は身体を張って止めようと誓うのであった……
色々な思いが……




