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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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86/117

帝国

投稿遅れてしまい申し訳ございませんm(_ _)m


仕事が忙しく……投稿から初めてこんなに長く間があいてしまいた……


次回はもう少し早く投稿致します……多分……

後、誤字報告感謝です(T_T)

 トルムント帝国


 マモル達が不在中、とある執務室にて忙しなく書類に向き合う1人の貴族服の男。


 元帝国宰相オルマンである。


 現在帝国ではオノクリス達悪魔の指示で大規模な改革を行っており、全ての貴族……いや、全帝国民が一丸となり、その改革を推し進めている。


 以前の邪神復活の為だけの国家運営では無く、一国家として民衆ありきの改革が新しい邪神マモル名で発せられている。


 それまで苦しめられて来た民衆は、戸惑いながらも日々の暮らしが少しづつ改善されていくのを感じ、マモルをまるで神の様に崇め、なんども城のある方角に祈りを捧げていた。


「ふうっ……」


 一旦書類から目を離し、目元を指で摘みこれまでの事を振り返る。


 オルマンが正気に戻ってから、帝国は目まぐるしく改革を行った。


 オノクリスを筆頭に3人の悪魔の行動は素早かった。


 先ず、王族を全て処分してしまったのだ……


 王族は前の邪神の血肉を取り込み過ぎた為元に戻る事は無く、それどころかマモル王に反旗を翻そうとし、悪魔達に尽く処分されていった。


 その様子の一部始終を近くで見ていたオルマン。

 

 処分時の悪魔達の悲しそうな、切なそうな表情がまだ目にこびり付いている。


「悪魔とは……」


 オルマンは思う。


 あの悪魔達は伝承で聞いていた悪魔とはまるで違ったのだ!


 確かに言葉では悪ぶってはいる。


 しかしその行動はこの国を思い、民を思い、帝国内の改革を進めているように見えた。


 以前に聞いてみた事がある。


「恐れながらオノクリス様……、貴方達悪魔は人類の敵ではないのですか? 何故この様に我々を救って下さるのですか?」


 この様な質問を普通に悪魔にしている自分……


 普通なら命懸けであろう。


 だか、それを許して貰えると思える雰囲気が確かにあったのだ……


 質問をされたオノクリスは気だるそうに


「そんなの知らないわ! 私達はマモル様が皆に好かれる王になって欲しいだけ! マモル様が善政を行えば、以前と比較し民衆はマモル様を慕う様になるでしょ? それだけよ……」


 マモル王の為だと言う、確かにそれは本心なのであろう。


 ただ……悪魔達を見ているとそれだけでは無いように思える。


 

 この悪魔達は人を愛してる!



 おかしな考えだがオルマンは確信していた。


 本人達は気が付いていないのかも知れないが、人に対し時折優しく微笑むその姿は人族の敵のものでは決して無い!


 恐らくこの城内、いや! この帝国内において、悪魔達を伝承のような存在とは違うと皆感じている。


 事実、民衆や貴族は悪魔達に感謝しているのだ!


「我々は色々間違った知識を植え付けられていたのであろうな……」 


 オルマンが呟いたその時、目の前の空間が歪み始めた!


 悪魔の誰かが転移して来たのであろう。


 オルマンはデスクから離れ膝をつく。


 頭を下げているので誰が転移して来たのか分からないが、今までとは明らかに違う気配!


 悪魔達ではないのか! だがこの城は悪魔達の結界で護られており、許可なく侵入出来る訳がなく、ましてや転移でなど……


 戸惑うオルマンだが……


「えっと、オルマンだっけ? 頭上げていいよ!」


 ウァプラの声が聞こえホッとしたオルマンは頭を上げると……


 唖然とするオルマン……


 た、確かにウァプラ様の顔だ……だが……そのお姿は!


 以前の褐色の肌は透き通った様に美しい肌色に、その肌に合わせたかの様な真っ白な鎧、背中からは2対4枚のこれまた純白の翼が!


 更にその頭には神々しく光る輪が浮かんでいた!


 目を見張るオルマン!


 ウァプラに見とれてしまい言葉を失っていた。


 そんなオルマンにウァプラは溜息をつくと


「はあ、そりゃ驚くよな……オルマン、もうすぐマモル様達がご帰還になる。城前の広場に出来る限り人を集めてくれ! 貴族も民衆も出来る限りだ! マモル様から重要なお話がある。この国、いや! この世界の命運がかかっている! 皆知らなければならない! いいな!」


 そう言うとまたウァプラは転移して行った……


 転移の際、数枚の美しい天使の羽が室内に舞う。


 呆気に取られてしばらく動けない……


 恐る恐る手を伸ばしウァプラが残した羽を手に取ると、先程までの光景が夢ではないと理解出来た。


「まさか……天使だったとは……」 


 天使の姿をしたウァプラは世界の命運と言っていた! 天使がそう言うのだ、これまで以上の何かが起ころうとしているのであろう。


 こうしては居られない!


 呼び鈴を鳴らし、側仕えのメイドと執事を呼びウァプラからの言葉を伝える。


「急げ! マモル様達から何が語られるか分からんが、帝国の命運がかかっている!」


 敢えて世界と言う単語は使わ無かった。


 世界等と言われても民衆にはピンとこないだろうとの判断でだ。


「世界……か……」


 オルマン自信ピンときていない……


 だかあのウァプラ様のお姿……


 我々には想像もつかない様な事が起こり始めている!


 ウァプラが残した天使の羽を握りしめるオルマンであった……


 



 


 


 

悪魔が天使に……オルマンさんそりゃびっくりしますよね〜

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