邪神と悪魔の変化
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ちょっと忙しく投稿遅れて申し訳ございません^^;
マモルの手のひらに違和感を覚えるケンヤ。
握手している手を離すと、手首を掴み手のひらを上に向ける。
「マモル……これって」
ん?
ケンヤのおかしな行為に疑問を持ち、自身の手のひらを改めて確認すると……
「なっ! これどう言う事だ?」
マモルの右手の手のひらは人のそれ、肌色に変化していた!
すると……
マモルの手から深い紺の皮膚がポロポロと剥がれ落ちていく。
手から腕に上がって行き、やがて全身の皮膚が剥がれ落ちていった。
そして現れたのは……
日本人の男の子! それは幼い容貌をした目を見張る様な美少年だ!
目を剥くケンヤ達と悪魔達。
驚く事にその背には純白の3対、6枚の美しい翼と頭には光輝く光輪が浮かぶ!!
「マモル……お前まるで天使みたいだそ? ってか天使になっちゃった?」
神々しいその姿にしばし皆目を奪われる!
神々しい……
神々しいが……
神々しいのだが……
ミコトが目を覆いながら一言
「あの……マモル君……、お願いだから何か着て……」
ハッとし、オノクリスは急ぎアイテムボックスから純白の布を取り出しマモルの身体に巻き付けた。
ミコトの一言で神秘的な雰囲気が台無しである……
皆脱力していると、マモルはサラの方をじっと見つめ……
「お、お前も見たのか?」
サラは首を傾げ
「ん? そんなのお兄ちゃんや、孤児院の小さい子達で見慣れてるよ? 小さい子達と同じだし、別になんとも……」
ち、ち、小さい子達と一緒!!
崩れ落ちるマモル……
サラさん……今のは酷い……
俺やトオル、アバロン男性陣が崩れ落ちているマモルに手をかけ
「大丈夫! 成長期だしまだまだこれから……」
「うんうん、気にしたらダメだよ!」
「左様でござる! 男の価値はそれだけではないでござるよ!」
慰められれは慰められる程、どんどん落ち込むマモル……
「ちょっとあんた誰! ふざけるのはそれぐらいにしましょ! で、その邪神の姿……何なのよ!」
サラの指輪からフロストドラゴンの声がする。
ケンヤもマモルに尋ねる。
「なあマモル……その姿、なんでそんな風に変化したんだ? 何か心当たりはあるか?」
マモルは少し考えると「あっ!」と声を上げ
「神獣の砂! あれが原因か!」
神獣の砂?
コンソールからアイテム欄を開き、神獣の砂の説明欄を確認すると……
「マジか……、この神獣の砂、物凄いアイテムだぞ! 呪いと解呪の効果があるんだけど……堕天した者にも効果があるって……」
悪魔達は目を見張る!
「ま、マモル様……それは本当でしょうか!?」
「そんなアイテム聞いた事ねえぞ……」
「ではその神獣の砂の効果で今のマモル様の姿に?」
「マモル、神獣の砂ってなんだ?」
ケンヤの問いにトオルはイービル・アイの事を伝える。
「まさか……闇ちゃんの呪いを解くほどの強力な魔物……いえ、神獣だったわね」
神龍達は何故突然闇龍の呪いが解けたのか理解出来た。
そのイービル・アイと言う神獣が残したアイテム……
ケンヤは考察する。
「ゲームでは、魔物を倒すとその魔物の持つ能力以上のアイテムを落とす事は稀にある、神獣ならそう言う強力なアイテムを落としても不思議ではないな!」
転生者であるミコトとマモルはそのケンヤの言葉は納得出来るが、他の者達はそんな事が有り得るのか? と懐疑的だ。
ならと、ケンヤは提案する。
「確か悪魔って、天使が堕天したんだよな? そのアイテムを使えば元の天使に戻れんじゃね?」
えっ!?
固まる悪魔達と神龍達……
悪魔達は首をふり
「この堕天ってのは、あの者のせいなの……1アイテムでどうこう出来るものではないわ……」
オノクリスの言葉に頷くウァプラとコカビエル。
ケンヤは溜息をつき
「あのさあ……そのちょくちょく出てくるアレとか今言ったあの者ってこの世界の創造主か神だろ? もういい加減面倒臭いからその言い方やめない?」
その場にいる全員が絶句する!
「け、ケンヤさん……何故それを……」
雷龍の言葉にケンヤは頭をかきならがら
「いや、なんか流れで分かるっしょ! なあ、ミコトとマモルは想像出来ただろ?」
ミコトとマモルは頷く。
…………転生者。
恐らくこちらの世界の者ではその答え辿り着くには到らないであろう、それをあっさり看破する転生者とは……
パンパンパンとシルが手を打つ。
「もういいんじゃない? さっすがケンヤね〜バレバレ! グッ!」
何がグッ! なんだ?
「まあ創造主云々は置いといてさあ、あんた達、その堕天の呪い解いて貰おうよ! えっと、マモルだったわね! そのアイテム早速使っちゃおう!! どうなるかあたしも楽しみ! ワクワク」
し、シルさん……相変わらず軽い……
マモルは悪魔達を見据え
「お前達……堕天解きたい? 無理やりは良くないと思うから……判断は任せる」
シルとは違い真面目に悪魔達に尋ねる。
少し大人びた態度のマモルに悪魔達は1度顔を伏せると、ゆっくり顔を上げマモルの目を見る。
「もし、もし叶うなら……もう一度あの姿に……」
「お、俺も! 戻れるなら!」
「マモル様……お願いします!」
マモルの前に膝をつき臣下の礼をとる。
天使の前に3人の悪魔達が膝をつくその光景、それは美しく見る者の目を奪う。
じっと悪魔達を見下ろすマモルは
「……わかった!」
マモルはアイテムボックスから神獣の砂を取り出し、1握りづつ悪魔達にふりかけて行く。
まるで天使が悪魔達に慈悲を与えているようにも見える。
神獣の砂をかけ終えても悪魔達は臣下の礼を取り続け、マモルもじっと見守る。
すると突然ボロボロと装備ごと褐色の皮膚が剥がれて行き、透き通る様な美しい肌が露になって行く。
その背の悪魔らしいコウモリの様な羽は崩れさり、代わりにマモルと同じ様な純白の2対、4枚の翼が形作られて行った!
3体ともその頭には光輪が浮かぶ。
「上手く行ったみたいだね」
マモルの言葉に頭を上げ、己の手足や翼が戻っている事に最初戸惑いを見せる悪魔達だが、お互いの顔を見合わせ本当に堕天が解呪された事に気づくと、3体共大粒の涙を流し
「ま、マモル様……」
言葉にならない感謝の気持ち! いや感謝などと言う軽い感情では無い。
マモルの前に這い蹲る様に頭を下げる。
「ねえ、もう感謝はいいよ! 3人共僕の家族みたいなもんだし……それ以上頭下げるなら僕拗ねちゃうぞ!」
唇を尖らせるマモル。
3体の悪魔……いや、天使達は頭を上げ
「家族……」
「僕はそう思っていたけど……違うのかな……」
俯き悲しそうにするマモル……
そんなマモルをガバッと抱きしめるオノクリス!
「ええ! ええ! 家族です! 私達はマモル様の家族ですよ! ねえ、ウァプラ、コカビエル!」
「ああ! そうだ! 家族だ!」
「マモル様をお守りし、その成長をしっかり見守りますぞ!」
オノクリスの乳房に顔を埋め少し恥ずかしそうにするマモル。
「ありがとう」
4体の天使が抱きしめ合う。
その美しい光景を皆は息を飲み見つめるが……
ケンヤはオノクリスの豊満な肢体に釘付けになってる……
そのケンヤのお尻から激痛が!!
お尻を摘みながらこめかみをヒクヒクさせているミコト……
そっと視線を外し口笛を吹き出すケンヤ……
感動的な天使の抱擁に、気の抜けた口笛のBGMがダンジョン内にこだまする……
シモに走ってしまいたした_| ̄|○




