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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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ピサロ一次帰還③

ブクマありがとうございますm(_ _)m


誤字報告もありがとうございます(T_T)

今回は誤字ない事を願います……


短いですが、切りが良いので投稿します。

「さて、じゃあどうするかな……ここまでほぼ睡眠も取らずに来たからな……シル、ホントに直ぐに邪神は動かないんだな?」


 頷くシル。


 なら……


「今日はピサロで1泊するか! トオルとサラも孤児院長や他の子達に会いたいだろ?」


 トオルとサラの顔が華やぐ!


「「いいんですか!?」」


「1晩だけな」


 俺の意見にフロストドラゴンは


「ダーク君の事は心配だけど……貴方達わたしと出会ってからずーっと行動していたもんね……流石に休息は必要だわ……」


 そうなのだ! ケンヤ達の様な超人の集まりだからこそ出来た事だが、ケンヤはともかく、トオルとサラは精神的にキツいだろう。


「んで、俺はどうするか……オリブの宿に……」


 ケンヤが言いかけると


「オリブの宿に泊まるのは無理じゃぞ!」


 ギルド長の厳しい声が……


「オリブの宿はな……今勇者が常宿にしていたって事での……毎日満杯状態じゃ! 数ヶ月先まで予約で埋まっておるぞ」


 ま、マジかよ……、商売繁盛で喜ぶべきか……


「トオルとサラも孤児院に戻るならこっそりじゃぞ! こっそりじゃ! 理由はわかるな?」


 ピサロを出る前の事を思い出すトオルとサラ。


 ギルド長の言葉に青い顔で頷く……


「俺とミコトはどうすればいいんだよ! ギルドに泊まれる所あるんですか?」


 それにはギルド長初め、ネイス、ローレンス伯も頭を抱え……


「ば、バカモン!! お前さんも魔王様もこの国の国賓扱いだぞ! 当然この領主邸最高級の部屋に泊まってもらう!」


 領主のネイスさんに叱られました……はい


 


 トオル、サラ、アバロンは街の屋根伝いに孤児院に向かう……お行儀悪いが仕方ない。


 ケンヤとミコトは……豪華な寝室に通されていた。


 そして……目の前にはキングサイズのベッドが1つ置かれている……


 では、と意味深な笑みを浮かべ去って行くメイドさん……


 ちょ、ちょいまてよ!


「どうすんだこれ……」


「どうしましょ……」


 ケンヤとミコト、顔を見合わせ困惑する……


 さ、流石にまだ15のミコトと……犯罪である!


 いや……この国では15で成人だから問題はないのだが……


 いやいや! 違う!!


「ギルド長の嫌がらせがここまで酷いとは……」


「これ嫌がらせなんですか?」


 ミコトが不思議そうにしている。


「ああ……間違いない! 今近くの部屋で俺が困惑しているのを想像してニヤついているに違いない!」


 すると……


「あのケンヤさあ……もしかしてまだ年の差がどうとか、前の世界の常識とか気にしてる?」


 シルが何やら真面目な顔で聞いて来る。


 俺もミコトもシルが何が言いたいのか分かるが……


「分かってるよね? ケンヤもミコトももうこの世界の人だよ? 前の世界の常識は気にしなくて良いの! この世界は15で成人、皆その歳で結婚する人も沢山いるし、子供だっているよ? 年の差も気にする人なんていない。ケンヤ達より歳の離れた夫婦なんてたっくさん居るんだから!」


 確かにそうなんだが……


 俺がまだウジウシ考えていると


「もう! イライラするわね! 貴方達、好き合ってるんでしょ! ならちゃんとしなさい! ケンヤさん、貴方男でしょ!」


 ミコトのティアラから雷龍のお説教が……


 ふうーっ、と1つ溜息をつくケンヤ。


 何故シルと雷龍の目の前で……と言う思いもあるが……


 ここまで言われて何も行動しなければ男が廃る!!


 ミコトの肩に両手を乗せ目を合わす。


 ミコトは頬を赤らめ目には少し涙が……


 くっ! 可愛すぎるじゃねえ〜か!!


 動揺を抑え今の思いを口にする。



「ミコト……俺と付き合わないか?」



 その一言でミコトの目に溜まっていた涙が溢れ出し



「私なんかでいいんですか?」



「お前でなきゃダメだ!」



「私もケンヤさん!!」



 そう言ってケンヤにしがみつき涙を流すミコト。



 そのミコトの背に手をまわし、そっと抱きしめる。



 ケンヤとミコトが恋人同士になった瞬間だった。





「あのさ……盛り上がってる所悪いんだけど……」


 シルの言葉に一気に場の空気が変わる。


「な、なんだよ! お前達が焚き付けたんじゃねーか!」


「いや……そう言う事じゃなくてさあ……」


「じゃあなんだよ!!」


「付き合うって何?」


 …………


 この世界に男女がお付き合いすると言う風習が無い事に、初めて気が付くケンヤとミコトであった……



 

 

 


 



付き合うって……何なんでしょう……

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