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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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ピサロ一次帰還①

投稿遅れてすみませんm(_ _)m


後、ブクマ&評価ありがとうございますm(_ _)m

「見えて来た! 流石にこのまま街に降りるのは不味いから、少し離れた所に降ろしてくれ」


 フロストドラゴンに指示を出すケンヤ。


 街の南側の離れた場所に降り立つ。


 南側に降りたのは南門の門番、ロイドに礼を言う為だ。


 ケンヤ達が街を出る際、色々を骨を折ってくれた人物である。


 フロストドラゴンは降り立つと


「もう! 結局あんた達、私の背に乗りっぱだったわね! 次はあんた達どっちかが乗せなさいよ!」


 トオルとミコトを睨む。


 睨まれたトオルとミコトは自分のせいでは無いのに何故か……


「「ゴメンなさい……」」


 …………2人して謝っている。


 雷龍は


「ミコトちゃん悪く無いのに……可哀想……」


 光龍も


「フッ!」


「あんた達のせいでしょ!!」


 どうやら神龍達の間でフロストドラゴンは弄られ役の様だ……


 ケンヤ達は同情の目を向けると……


「そ、そんな目で見られたら……私が可哀想な人に思われているみたい……お願いですから止めて下さい……」


 サラが泣きそうに……


 色々ややこしい事になっている……


 もう! と一言残し、フロストドラゴンは氷の結晶に姿を変えると、サラの中に入って行った。


 プンスカお怒りのフロストドラゴンを放置し南門に向かうと


「あれ? なんかいっぱい兵士が……街に何かあったのか?」


 普段南門には門番が1人しか居ない。


 それが今は数十人の兵士が騒然と並び、しかもまだ夕方だと言うのに門は閉じられていた。


 兵士の1人が此方を見つけると驚愕し


「ま、まさか! 勇者ケンヤ様!! おーーい! 勇者様がお帰りになったぞーーーー!!」


 ゆ、勇者様!?


 しかもそんな大声で恥ずかし!!!


 ミコトは流石ケンヤさん! みたいな顔をするし、シル、トオル、サラ、アバロンは俺の心情を理解出来るのであろう……


 トオルとサラは苦笑い……


 シルとアバロンはニヤニヤしている……


 シルとアバロン……後でデコピン決定!!


 するとあれロイドさん? 


 ロイドさんが駆け足で近付いてくると


「ゆ、勇者様! お帰りなさいませ、今直ぐに馬車を用意させますので、今暫くお待ち願えないでしょうか?」


 ば、馬車!? しかもロイドさんの口調……


「ロイドさん、何かしこまってるんですか? 普通にして下さい、普通に! そんで馬車なんて必要ないですよ」


 ロイドは溜息をつき、ケンヤの耳元で……


(バカヤロ! 色々立場ってもんがあるだろ! お前は今勇者様なんだぞ! 普通に喋ってみろ、俺は上司から大目玉だ!!)


 あ、なるへそ!


 リーマンは大変だね〜なんて思っていると、ロイドさんはミコトを凝視している。


「あ、ミコトは初めてだったな! ロイドさん、コイツはミコト、魔王のミコトだ! ミコトもロイドさんに挨拶な! 俺この街に来た時も出る時も、このロイドさんに世話になったんだ!」


「まあ! そうなんですね。ロイドさん、私はミコトと言います。一応魔王なんてしてます、よろしくお願いします」


 ミコトが頭を下げると……


「ま、ま、ま、魔王!!!」


 ロイドは素っ頓狂な叫び声を上げて腰を抜かし、その叫び声を聞いた兵士達はざわつき始める。


「ちょ、ロイドさん? そんな腰を抜かす程驚かなくても……」


 ロイドはキッとケンヤを睨むと


「驚くだろ!! 普通魔王なんて連れて来たら誰でも驚く! しかもこんな……」


 あまりの衝撃に口調が元に戻るロイド……そして……


 ロイドはミコトをガン見し、フラフラ立ち上がると……


 ケンヤの肩にガシッと手を回しまた小声で


(こんな超絶美少女が魔王だと! お前……これあのメンバー達に知られたら……)


 あのメンバー?


 ケンヤがキョトンとしてるとシルがロイドに


「例の件、ケンヤは知らないわよ?」


 ロイドはギョッとし


「ま、マジか……」


 ロイドはトオルとサラに目を向けると、2人共無言で頷いている……


 ふかーく溜息をつくロイド……


「あの……ロイドさん、よく分かん無いんですが……、そんな事よりこの南門の物々しさは何ですか? 何か事件でも?」


 ケンヤの問いにロイドは


「ああ……その件は街に入れば領主様かギルド長から詳しく聞けると思う。なんか邪神が復活して悪魔まで召喚したらしい……その為ピサロの街は今封鎖中だ。ピサロだけじゃなく、国全体が現在邪神の侵攻に備えている最中だな!」


「えっ? 邪神の誕生の事知ってるんですか? 悪魔の事も? もしかしてもう何処かの街か国が襲われたとか!?」


 シルが今直ぐ邪神達は動かないと言っていたが、既にもう動き出しているのか!


 それには首を横に振るロイド。


「いや、まだどこも攻められたと言う報告は無い」


 じゃあとケンヤが口を開きかけると、南門が開き2騎の騎馬を先頭に豪華な馬車が出てきた。


「おっと! まあ詳しい事は街に入ってから聞いてくれ、俺は持ち場に戻る。じゃあな」


 ロイドは駆け足で戻ると馬車が近づいてくる。


 先頭の2騎はあの近衛と軍から派遣されて来たロキとサザンだ!


 この2人まだピサロに居たのね……


 2人は馬から降りるとケンヤの前に並び膝をついた。


「勇者ケンヤ様! よくお戻りになられました。このロキとサザン、勇者様のお姿を再び拝見出来、悦びに耐えません!」


 顔を上げるとケンヤを眩しそうに見つめる……


 この人達……前に俺を殺そうとした事忘れてない?


 しかもなんだ? この羨望の眼差しは……


 そしてミコトに目を向けると、コレまたこれ以上無いほどに目を見開き


「あ、貴方様がかの魔王様であられますか! なんともお美しい……い、いや失礼致しました! 勇者ケンヤ様と魔王様が合流なさった事、報告は受けております。とりあえずこの馬車にお乗り下さいませ、領主邸までお送り致します。そこで領主様から色々説明がございましょう」


 領主邸かあ……


「あのさあ……冒険者ギルドじゃダメ?」


 多分ダメだろうけど一応聞いてみる……


「既に領主邸にて勇者様ご帰還の報告を受け、急ぎ受け入れの準備を行っている最中でございます。それに……其方の魔王様は一国の王でございましょう、そんな国賓に値する方を……流石にギルドは……」


 確かに……ミコトは王様なんだよな……忘れてた……


「それに勇者ケンヤ様も、もう一冒険者ではございません! 世界を救う勇者様なのです! 魔王様同様、この国の国賓扱いになります」 


 ああ……マジか……覚悟はしていたけど……


 

 超ウゼェーー!



 仕方なく馬車に乗り込むケンヤ達。


 その際にも門に集まる兵士達から羨望の眼差しを受ける……


 そりゃあミコトは分かるよ? 超絶美少女だし、兵士からすれば見惚れるだろうけど……


 この街の兵士はいくら俺が勇者にされたと言っても見慣れていると思うが……


 馬車の席に座り、ボソッとそんな事を呟くと


「あの……ケンヤさん……今の発言マジですか?」


 トオルが残念な者を見る様な目で言うとサラも溜息をつき……


「ケンヤさんって……ホントに無自覚と言うかなんと言うか……」


 呆れている……


 な、何!?


 俺そんなおかしな事いった? Why


 アバロンは静かに首を振る……


 え? 何? 皆して! イジメか! イジメなのか!


 オジサン泣いちゃうゾ!


 動揺しているとシルが


「ケンヤさあ……そんな金ピカの如何にも勇者ですって格好しておいて……何言ってんの?」



 あっ!!



 ………………装備変えるの忘れてた


 

 何……俺……こんな金ピカの装備でピサロの兵士と会ってたの……



 は、恥ずかしいぃぃぃぃ!!!



 穴があったら入りたいけど馬車の中にそんな穴は無い……



 だけど街に入る前に気づけたのは幸いか!


 こんな格好ルークス辺りに見られたら……


 一生からかわれるかもしれん!!



 ケンヤが装備を外そうとするとフロストドラゴンが


「ケンヤちゃん! 装備はそのままでね!」


 え! な、なんで!?


「そんな情けない顔しないの! イケメンが台無しよ? あのさあ、これからこの街の有力者達と会うのよね?」


「多分……領主や伯爵令嬢のソフィアかな? ギルド長も居そうだけど……其れが何?」


「だったら如何にも勇者って感じの今の姿の方が何かと都合良いと思う。人って肩書きに弱いでしょ! 人族じゃあ勇者ってヘタしたら王と同等の権力があるって前に聞いた事あるの! 今後ケンヤちゃんが嫌がる様な事押し付けられなくなるかも?」


 ぐっ! い、一理ある……


「1度畏怖を覚えた相手には中々手出し出来ないものよ!」


 こ、この俺が……説得される……だ…………と!


 しかもいじられキャラのフロストドラゴンに!!


 なんとか抗おうとするケンヤだが……


 ミコトから爆弾が落ちる!


「私そう言う駆け引きみたいな事はよく分からないですが……今のケンヤさんは……カッコイイと思います!」


 

 ずっきゅーん!!!


 

 み、ミコトさん……なんて破壊力……



 そんな様子をニヤニヤしながら見ているシル。


 そんな小細工しなくても、今までケンヤさんは好き勝手にしていた様な……と思うが口にはしないトオルとサラ。


 下手に発言をしてデコピンの刑を恐れるアバロンは何も聞いていないふりをする……



 この時のケンヤの判断ミスで、後にこのピサロの街に黄金の鎧を身に纏った勇者像が建つ事となるとは……


 何度もその像を壊そうとするのを、シルや双子達に止められるのだが……


 ………………それは別のお話し。


 



 


 










 





 



勇者像……カタ:(ˊ◦ω◦ˋ):カタ

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― 新着の感想 ―
[良い点] ケンヤぶれないですね〜w フロストドラゴンに権威について語られるのはかなりクスッと来ました♪
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