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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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光の龍②

ブクマありがとうございますm(_ _)m


トオル君ピックアップ編? は、これで一旦終了ですw


次は誰をピックアップして、どう言うお話しにするかは……まだ何も決めていません……w

 フロストドラゴンから飛び降りたトオル。


 軽戦士らしく身軽なトオルは近くにある木の枝に掴まると、落下の勢いを殺しながら次の枝に飛び移り、地上に降り立つ。


 レベル46のステータスに軽戦士のトオルだからこそ出来る方法である。


 巨大トロールから少し離れた位置に降りたトオルは、トロールに気づかれない様、木や岩石の影に隠れながら近づいて行く。

 

 そうして至近距離まで来ると……


 その巨大さに圧倒されてしまった!


 唖然と見上げてしまう……


「圧倒されてちゃダメだ! 行かなきゃ……、行かなきゃ……、行くぞ……行くぞ……行くぞーー!!」 


 自分を奮い立たたせ、7聖剣を抜き巨大トロールに向かって行く!


 まだトロールは此方に気付いていない!


 トロールのその巨大な足首の裏にあるアキレス腱に7聖剣を振るう!


 ブシュー!!


 アキレス腱が切れその傷口から血が吹き出す!


 よ、よし! やれる! この剣なら巨大トロールにダメージが入る!!


 もう一度と駆け寄った時、トロールは手に持つ粉砕棒をトオルに向け振り下ろすが、その場所にもうトオルの姿はない。


 トロールが空振りした瞬間、別の足のアキレス腱から血が吹き出す。


 トオルは上空にいる光龍に叫ぶ!


「今だ!!」


 瞬間! 巨大トロールの肩口に光の線が走る!


 ビーッン!


 と言うレーザー音の後


 ズガーーーーーーン!!


 巨大トロールの肩口が爆ぜ、左肩が消滅! 左腕がズドンと地上に落ちた!


「グワーーーー!!」


 巨大トロールが痛みから吠える。


 いける! 


 トオルが勝利を確信をした時……ボコボコと負傷した肩が再生し傷口が塞がっていく!


 トオルが傷をつけたアキレス腱も傷が塞がっていた!


 さ、再生能力!?


 トオルの額に冷や汗が伝う。



 トロールの再生能力


 トロール最大の特徴であり、受けた傷はそのトロールのレベルに合わせた速度で塞がっていく。

 ちぎれた部位までは再生出来ないが、傷や1部の肉の再生は可能であり、致命傷を負わさないかぎり再生しつづける。



 トオルは唖然とするも左手はもう使えない! もう一度!!


 また巨大トロールの足元まで走り切り付けていくが…………


 巨大トロールはそれを無視し、光龍からの攻撃のみ警戒している。


 巨大トロールにしてみれば、足の傷は自身の能力で勝手に塞がるのである。


 致命傷を負わせる光龍の攻撃だけに意識をむければよい。


「む、無視かよ!」


 切り付けても切り付けても傷口は塞がっていく。


 アレだけカッコつけて飛び降りたのに……


 涙が滲みだした……


 だがトオルは剣を振るい続ける……



 ………………すると



 軽戦士であるトオルはスピード特化型の戦士だ。


 その剣速においても他の職業に比べトップクラスである。


 ましてやケンヤに鍛えられ、既に人族の限界を超えてしまっているトオル!

 

 無我夢中で剣を振るう事で遂に、巨大トロールの再生速度を超えて行く。


 その剣速は音速どころか光速度に近づいて行った!


 あまりのスピードに傍から見るトオルの剣は止まっている様に見える。


 その様子を上空から観察する光龍。


「…………素晴らしい!」



 そして遂に……トロールの足首を切り落とした!!


 ズドン!!


 足首を失い膝をつく巨大トロール!


 それでも巨大トロールは光龍から目を離さない。


 ならと今度は地についている膝に向かい剣を振るう!


 これには巨大トロールも流石にトオルを無視出来ない。


 本来であれば左手で払えば良いだけだが、その左手は失っている。


 トロールは痛みを堪え、立ち上がろとするが足首から先を失っていては上手く立ち上がれない。


 ふらつくとゆっくりその巨大が倒れていく。


 そこへ光龍からレーザーが発射され右胸に命中! 


 トロールの右半身が爆ぜた!!


 すかさずトオルは頭に飛び乗り、眉間に向かい7聖剣を突き立てると


「伸びろ!!」


 7色の光の刀身が伸びていき巨大トロールの脳を破壊! これが致命傷となった。




 

 剣を抜き、巨大トロールの頭から飛び降りると、トオルは大の字に倒れた。


「つ、疲れたあ!!」


 光龍のサポートとは言え、ケンヤの助けを借りず、この巨大な魔物を倒したのである!


 自然と笑みがこぼれる。


 そのトオルの近くにフロストドラゴンが舞い降りた。


 ケンヤは飛び降りトオルの所まで駆け寄る。


 その目には涙が滲んでいた。


 トオルをそっと抱き起こすと……


 そのままトオルを抱きしめる!


 そして……


「トオル……強くなったな……」


 たった一言、そのたった一言でトオルは何もかも全て報われた気がした。


「ケンヤさん……俺……俺……わーーん!!」


 ケンヤにしがみつき号泣するトオル。




 ケンヤは思い出す。


 コイツ、最初出会った頃はスライムにダメージ負わせる事も出来なかったんだぜ?


 オーガにしてもそう、ガタガタ震えてたな……



 それがどうだ!!



 こんなデッカイトロール倒しやがった!


 俺の自慢の弟子だ!!


 弟子と言うより息子の成長を喜ぶ父の感情に近いであろうか、ケンヤは感情のまま抱きしめる腕に力を込めていく……




「あ、あの……ケンヤさん……痛い……、痛いです……痛い痛い痛い! ケンヤさん!? た、助けて!!!」


 トオルの悲鳴を聞き集まるメンバー達!


 サラ、アバロン、シル、ミコトはケンヤの腕をトオルから剥がそうとするが……びくともしない!


「ケンヤ殿! このままではトオル殿が!」


「ケンヤさん! お願い! お兄ちゃんを離して!!」


「ケンヤ……気持ちは分かるけど、限度を考えよ!」


 最後にミコトが叫ぶ!


「ケンヤさん! トオル君が死んじゃいます!!!」


 ハッとしトオルを離すケンヤ……


「ご、ごめん!」


「これ……ちょっと前のトオルだったら……背骨粉砕骨折で死んでいたかも……」


 シルが呆れてケンヤを見る……


 サラとアバロンも呆れている……


 小さくなるケンヤ……


 そのケンヤの前にしゃがみ込み、ケンヤの頭を撫でるミコト……


「クスっ」


 トオルが笑うと……


「クスクス」


 サラが釣られて笑い出し


 ミコトもクスクスと笑いだすと、ケンヤも笑顔になる。


 アバロンとシルは苦笑いだ。


 



 バサっ!


 翼が羽ばたく音がし光龍が降りて来る。


 ケンヤ達が場所を開けるとトオルの前に舞い降りた。


 じっとトオルを見下ろす光龍。


 暫く観察する様にトオルを見下ろしていた光龍が口を開く。



「………………尊敬する」



 その一言にトオルは驚き目を見開いた!


「えっと……その……」


 トオルの反応に「フッ」とだけ応えると……


 光龍の巨大が幾つもの光の粒子に変わり、トオルの回りを取り囲むと、トオルの身体に吸い込まれていった!


 するとトオルの腰にある7聖剣が輝き出す!


 恐る恐る剣を鞘から抜く……


 7色だった刀身が全くの別物に変化していた!


 ケンヤは驚く!


「トオル……それ……ヒヒロイカネだぞ!!」


 ミコトもその剣を見て口元を押さえる!


「伝説のヒヒロイカネの(つるぎ)……初めてみた……」


 他のメンバーは首を傾げている……


 当たり前である。


 ヒヒロイカネの剣はプレイヤーの間でも伝説とされている剣なのだ!


 運えいサイトから画像データは見れるが、その入手方法は謎で、ケンヤやミコトがゲームをしていた時点では誰も入手していなかった。


 そんな剣、この世界の人が知っている訳がない!


「それ光龍が宿ってるんだよな……光龍の力でそうなったのか?」


 ケンヤは剣に宿る光龍に向かい尋ねると……


「…………フッ」


 い、いや! なんか喋れよ!!


「えっとね、別にこの剣自体に光龍さんが宿っている訳じゃなないみたいです。光龍さんが言うには光龍さんの持つ魔力に剣が反応したんじゃないかって……」


 トオルが応える。


「お、お前さっきの『フッ』で分かったの!!」


 びっくりぽんです! 


「まさか! 違いますよ! 光龍さんが直接俺の頭の中? で話してくれたんです」


 な、成程……、テレパシーみたいたいなもんか……


「フッ」


 なんかバカにされてる気がする……


 

「もういいかしら! 次いくわよ、次!」


 フロストドラゴンが先を促す。


「次の雷ちゃん、ここからずっと北北東の氷に閉ざされたダンジョンに居るみたいね! 早速向かうわよ!」


 皆がフロストドラゴンの背に乗る。


 ここまで来た時と同じ配置だ。


「ちょっと……光龍ちゃん……、貴方自分で飛びなさいよ!」


「……フッ」


 …………


「もう!!」


 フロストドラゴンはトオルを睨むとフワリと浮き上がり、北北東にある氷のダンジョンに向かい飛び立った。


 睨まれたトオルは……


(なあ……お前のせいで俺が睨まれたじゃないか!)


(…………フッ)


(なんかしゃべれよ!!)



 この光龍のせいで、ケンヤばりのツッコミスキルを身に付けるトオルであった……


 




 


 


 

 



 




 


 


 


 


 



 




 

 


 


 


 


 

ケンヤ殺人未遂……カタ:(ˊ◦ω◦ˋ):カタ

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