閑話~トオル~
ブクマありがとうございますm(_ _)m
今回はトオル君の心情を書いてみましたw
自分には才能がない……
物心が付く頃、職業やレベル、ステータスの事を院長先生に教えて貰った。
俺は軽戦士らしい……
最初は良く分かって無かった。
へえ〜、軽戦士かあ! ぐらいのものだった。
それが妹のサラと冒険者ギルドに見習い登録してから一変する。
軽戦士……スピードはあるが……
スライムを魔術師のサラは簡単に倒す。
だけど俺は……
頑張ってスライムの動きを止めるだけ……
トドメは何時も妹のサラだ……
…………役に立たない。
妹のお荷物とさえ思っていた……
そんな折、とある噂を聞く。
【精霊を連れた戦士ケンヤ】
ただの戦士職……
何の特徴もない……外れ職だと言われている職業だ!
その噂の戦士職の人は、冒険者になったその日に、ゴブリンの魔石50個も持ち込み、精霊を仲間にしたらしい!
眉唾だけど、オークやあのオーガを一刀両断したとか……
ただの戦士職が?
有り得ない……有り得ないけど……
期待してしまう……軽戦士の自分も努力さえすれば!!
そんな期待は直ぐに消えた……
東の平原にある丘にバサンを狩りに行った帰り、大量のスライムが湧いてきた!
囲まれて逃げ場はない!!
ショートソードを振るい、攻撃が当たらないように弾くがスライムにダメージは入らない……
魔術師のサラはスライムを倒していく。
情けない……自分はお兄ちゃんなのに……
情けない所ではない!
俺が倒せないせいで妹のサラにまで怪我では済まない事態になるかも……
焦る! 焦るけど……どうにも出来ない。
サラ……ごめんな……俺が情けないから……
そう俺が諦めかけていた時
「おーい、手伝おうか?」
なんとも気の抜けた声が……
俺が声をした方を見るとレザーアーマーに身を包んだ、めっちゃカッコイイ人が!
なんにしても俺達だけでは対処しきれない。
「お、お願いします!」
「了解した!」
そこからは……たった2振り! たった2振りでアレだけのスライムを全滅させたのだ!!
驚きはそれだけじゃない!
せ、精霊!!
じ、じゃあ今目の前にいるのがあの噂の精霊を連れた戦士ケンヤ!!
本当にただの戦士なのか聞いてみると、精霊が応えてくれた。
本当にただの戦士職らしい……
す、凄い!!
その精霊がケンヤさんに俺達を鍛えろと提案している!?
ま、マジ!!
こ、この人に鍛えて貰えば……俺もサラの足を引っ張らずに済む!!
俺は土下座をしてお願いする!
さっきの剣技は凄かった!!
見習いになって、他の冒険者の戦いも何度か見た事はあるけど、ケンヤさんのはただただ圧巻だった!
俺もあんな風に成りたい!!
ケンヤさんは渋々だけど俺達を弟子にしてくれるって!!
やったあ!!!
それからの日々は……それはもう怒涛の日々で……
いや……毎日が凄すぎて……夢の中に居るような……
今なんて勇者パーティの一員に……
時々ほっぺをつねってみる……痛い
アレだけ自信の無かった俺が、今では胸を張って言える!
サラのお兄ちゃんだって。
もしかすると今後色々挫折する事もあるかもしれない……
けど
以前とは違う!
ケンヤさんに色んな事経験させて貰ったから。
トオル君! 頑張れ୧(๑•̀ㅁ•́๑)૭✧




