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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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55/117

魔族領側ダンジョン迄の道のり

今回かなり投稿遅くなり申し訳ございませんm(_ _)m


仕事が忙しく、なかなか書く時間が……(T_T)


次回はもう少し早く投稿します( ̄^ ̄ゞ


後、コメントで頂いた誤字脱字の件。仕事が一段落したら、第一話からチェックしてまいります。


ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m

 豪華絢爛な馬車が数十の騎馬に囲まれながら進む。


 向かう先は魔族領南東の辺境にあるダンジョン。


 そこのダンジョンには竜族が生息しており、レベル上げには最適とされているが、実はあまり知られていないダンジョンだ。


 敢えて意図的に情報封鎖されており、そのダンジョンの存在を知っているのは4人の領主とサーチャーの上層部の一部のみである。


 なぜ? 


 このダンジョンが危険と言う事も無論だが、実は人族の住む地域に繋がっているのだ!


 人族の住む地域に行くには2つのルートがあり、1つは東の大森林を抜けるルート、もう1つがこれから向かうダンジョン。


 帝国の情報操作で魔族と人族が戦争していたと言う事から、代々の領主間において人族との接触を避ける為、その様な処置になっていた。


 人族との接触はエルフを通して帝国とだけとし、多くの人族との接触はまたトラブルの原因になる! と古くから刷り込まれて来たのだ。


 しかし人族側に行く為には、魔族領側最奥に存在するボスを倒さねばならず、このボスを倒すのには、各領主クラスの強者がパーティを組まないと倒せない程、強力なボスだとされており、一般の魔族では攻略出来ない。


 恐らくだが、帝国が500年の間にこのダンジョンの存在を知り、魔族の領主達が結束しダンジョンを攻略、人族側に来ないよう情報を操作していたと思われる。


 現在はダンジョンの比較的浅い所で、一部のエリートサーチャーがレベル上げに使っているだけである。


 その者達にもダンジョンの情報を流さぬ様、箝口令を敷く程の徹底ぶりだ!


 今回何故そんなダンジョンをカシムが選んだかと言うと、やはり圧倒的に経験値が入る竜族がいる為だ。


 他にも竜族と変わらない位に経験値が入るダンジョンも魔族領には存在するが、距離がありすぎた。


 そんなダンジョンに向かう馬車の中には、魔王であるミコト、魔王専属メイドであるマリア、サーチャーのリーダであるカシム、そして領主の1人であるオズマが居る。


 今回のメンバー争いでかなり揉め、ミコトとマリアが夜なべをして作ったクジでメンバーを決めるはずが、各領の宰相や貴族たちに


「領主である貴方達が、執務を無視してダンジョンに籠るなんて!!」


 と涙ながらに懇願され、泣く泣く辞退……


 ただオズマだけは


「そんなもん知らん! お前達適当にやっておけ!!」


 と無理やり着いてきた次第だ。


 他の領主達はオズマが参加している事を知らない……


 せっかく作ったクジが使えず、落ち込むミコトを総出で慰めるという一幕もあったのだが……


 

「魔王様、お疲れ様ではございませんか?」


 マリアがミコトに気を使い心配している。


 ミコトはクジの事もすっかり立ち直り、もうワクワクが止まらない! って感じで


「全然大丈夫です! もうダンジョンに入るのが楽しみで仕方ありません! ドラゴンがいるんでしょ? 早く見たいです」


「うふふ、魔王様、ダンジョンまでもうすぐですよ。ねカシム」


 マリアの問にカシムは頷き


「はい、本日中には到着するかと。本日はダンジョン前に天幕を張り、1晩おやすみになられてからダンジョンに向かう予定です」


 ここまでの行程でも街や村は無く、天幕を張り、そこで休息を取っていた。


 大規模な結界を張っての宿泊の為、魔物に襲われる心配もなく、キャンプに来たみたい! と喜んでいたミコト。


「早く着かないかな!」


 マリアと楽しそうに会話をするミコトをだらしない顔で見つめるオズマ……


 このオズマ、片時もミコトから目を離さない!


 ずっとミコトから視線を外さないのだ。


「あの……お義兄様……、気持ち悪いので魔王様を見つめるその視線、止めて頂けますか?」


 マリアは溜息をつきオズマの視線を指摘すると、オズマはキョドりだし


「な、何を言っている! わ、私は魔王様をお守りするべく、注意を払っているだけではないか! 決して邪な気持ちでは無い!」


 ジト目でオズマを見るマリアは、ミコトにそっと耳打ちをする。


「え? そ、そんな事言って大丈夫ですか?」


 目を丸くし尋ねるミコトに対し、無言で頷くマリア。


 良いのかな……と思いつつミコトは口を開く。


「あ、あの〜、オズマさん……気持ち悪いんであまり見ないで貰えますか?」


 ガーーーーン!!


 馬車椅子に座ったまま崩れ落ちるという器用な事をするオズマ。


 それを満足そうに腕を組み頷くマリアに、オロオロするミコト。


 崩れ落ちているオズマを慰める事も無く、白い目でその様子を眺めるカシム。


 ただオズマはめげない!


 ガバッと顔を上げると


「義妹よ! 魔王様に何を言わせるのだ! 私は魔王様親衛隊隊長だぞ!! 魔王様を見守るのは当然ではないか!」


「「「魔王様親衛隊!?」」」


 マリアは眉間に2本の指を当てオズマに向い


「お義兄様……魔王様親衛隊とは?」


 オズマは胸を張り応える。


「私が作ったのだ! 魔王様を見守り、お助けし、見守り、いざとなれば身を呈してお守りし、見守り、見守り、見守る隊なのだあ!!!」


「オズマ殿……それ見守ってばかりだが……」


 カシムがオズマに指摘すると


「そ、そんな事……無いでもないが……、う、美しい魔王様を眺めて何が悪い!!」


 ひ、開き直りやがった!!


 ねえ魔王様! とでも言う様に目で訴えてくるオズマ……


 ミコトはそっと視線を外す。


 ガーーーーン!!


 視線を外されショックを受けるオズマ……


「我が義兄ながらこんな変態だったなんて……魔王様! この義兄の首、私マリアが責任を持って

……」


「ま、マリアさん! お、落ち着いて!! 」


「ふん! この馬車の回りを囲む兵士は全て親衛隊隊員だ! 義妹よ、この人数相手に私の首取れると思うなよ!」


 なっ!!


 馬車の窓を開け取り囲む兵士を確認するミコト。


 すると突然隊列が乱れ、皆がオズマと似たようなニヤケ顔になる……


 思わずミコトはピシッと扉を閉めた。


「な、なんて事……」


 マリアは頭を抱え、カシムは唖然とし、ミコトの顔は引きつっている。


 ミコトに耳打ちするマリア。


(魔王様、ここでハッキリ拒否を示しませんと、このバカ義兄、調子に乗って何を仕出かすか分かりません!)


 その話し聞いたミコトは「ごほん」と咳払いの後


「オズマさん! その親衛隊……、即座に解散でお願いします! 魔王命令です!!」


 珍しく強気なミコトの命令にオズマは


「そんなーーーーっ!」


 と、情けない顔になる。


「解散しないと、もう2度とオズマさんとは口を聞きません! 良いですね!!」


 念を押すミコト。


 絶望するオズマだが……


(ふむ……、表だって親衛隊を名乗らなければ大丈夫なんじゃないか? ……よし! こっそり魔王様親衛隊に名前を変更しよう!)


 自分の考えに納得し、1人頷いているオズマ……。


 その様子に警戒心を顕にするマリアが、このバカ義兄はまだ何かくだらない事を考えてる! と口を開こうとすると、馬車の扉がノックされる。


 マリアが扉を開くと兵士が馬車に横付けし


「失礼します。予定の場所にまもなく到着致します」


 兵士は報告を済ませるとまた隊列に戻って行った。


 程なくして馬車が止まる。


 到着したようだ。


 マリアに手を引かれ馬車を降りるミコト。


 降りると既に先行した兵士が天幕の設置を終えていた。


 ミコトは辺りを見渡し


「あの……、見渡す限りの草原で何も無いんですが……?」


 そのミコトの問にカシムが応える。


「魔王様、事前に説明させて頂いた通り、このダンジョンは秘匿されております。なので他の者に見つからぬ様、辺り一帯に幻術をかけております。これから幻術を解かせて頂きます」


 そう言うとカシムは天幕から少し離れ、呪文を唱え始める。


 するとカシムが呪文を唱えるその先からうっすら巨大な建造物が姿を現しだした。


 徐々に現れたその建物はまるでギリシャのアクロポリス遺跡を彷彿させる。


 数本の象牙色の柱に支えられている建造物、何ヶ所かは崩れ落ちていて、この遺跡がかなり古い物だと伺わさせた。


 兵士達から「おお!」と言う驚きの声が広がる。


 壮大で幻想的なその風景に目を奪われるミコト達。


 カシム以外にこの姿を見た事がある者は、今回のメンバーには居ない。


 領主の1人であるオズマも話しは聞いてはいたが、訪れてたのは今回が初めてだ。


 遺跡に目を奪われているミコト達にカシムは語りだす。


「我々の年代測定でこの遺跡は700年から600年前に建てられた様です。この遺跡の中心がダンジョンになっており、人族の国に繋がっております。そのダンジョンですが、我々サーチャーもそれ程深くは潜っていないのですが、明らかに人の手が加えられているのです。これは推測なのですが、700から600年前の魔族、または人族がお互いの領地を繋ぐルートを作ったのではと……、そのルートが誰も使わなくなった後、徐々にダンジョン化して行ったのではと考えております。」


 カシムの言葉にマリアは成程と頷き


「その考え、一考の余地がありますね! 600年前迄は人族との交流があったと」


 ミコトも顎に手を当て


「ここに遺跡があると言う事は、以前はこの場所に文明が栄えていたと言う事でしょう? それが滅びてダンジョン化した……、もしかして邪神の仕業かも? 予め、魔族と人族が手を取り合わないように? 考え過ぎかしら……」


 するとオズマはパンパンと手を打ち鳴らし


「考察はそこまでにして、明日に備えてもう休みませんか?」


 腕は立つが考える事は苦手なオズマである。


 そんなオズマをチラッと見たマリアは溜息をつきながらも


「確かに明日からに備えて、今日は早目に休みましょう。魔王様、此方の天幕へ」


 数カ所に張られた天幕のなかで一際大きな天幕に、ミコトを案内するマリア。


 ミコトが天幕に消えた事を確認したメンバーは、それぞれの天幕に入る。


 明日はダンジョンにレベル上げに入る。


 そのダンジョンの人族側からはケンヤが今まさに入ろうとしていた。


 

 勇者と魔王の再会は近い。


 





 



 

 




 

 



 


 





 



 


 




 


 




 


 


 


 

こっそり魔王様親衛隊とケンヤを見守る会。


どこかで絡ませたいですw


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