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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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勇者誕生?

ブクマ&評価&コメントありがとうございますm(_ _)m


物凄くモチベ上がります!


前回のコメント通り、投稿遅れて申し訳ございませんm(_ _)m

 ピサロ領主邸


 アバロンを見てひっくり返ったギルド長に連れられ、ケンヤ達はこの領主邸に来ていた。


 ケンヤ達の前には領主であるネイス、ローレンス伯、ソフィア、デイル、ロキとサザン、そしてギルド長にメイさんだ。


 皆、アバロンを見て驚愕している。


 ローレンス伯は


「そ、その者が上位魔人……、何故そんな者を連れて戻ってくる!!」


 何故って言われても……


 俺がなんて誤魔化そうかと考えていたらシルが


「え〜っとね〜、サラが召喚の杖使ったら召喚されちゃった感じ?」


「「「し、召喚の杖!!!」」」


 あ! 言っちゃったよ……


 皆の視線が集るとサラは


「けどその杖はアバロンさん召喚したら壊れちゃいました……」


 ギルド長は杖が壊れた事にほっとし


「なんにせよ、召喚の杖は壊れたのじゃな? ならもう魔人がこれ以上召喚される事はないか……数百年前の魔族との戦争は、魔王がその杖を使い魔人達を召喚したと言われてるからの!」


 ギルド長のその言葉にトオルは


「あの〜、そのお話し違うみたいですよ?」


 ギルド長を初め、他の面々も「へ?」となる。


「トオルよ、どう言う意味じゃ?」


 トオルは俺に目を向けてくる。


 俺は皆を見渡し


「えっと、魔族と戦争云々は何者かにねじ曲げられた、嘘の歴史って感じかな? それを知ったから報告に戻ってきたんですよ。」


 ローレンス伯は


「ねじ曲げられた……だ……と」


 俺は頷きアバロンに説明させようとすると、アバロンはローレンス達を蔑んだ目で見やり


「ケンヤ殿、なにやら此処にいる連中偉そうだが、ケンヤ殿やトオル殿、召喚主であるサラ殿より強いのですか?」


 そのアバロンの言葉にシルが


「それは無いわね〜、ケンヤは勿論だけど、トオルとサラも強いから! グっ」


 それを聞いたアバロンは嘲笑し


「ふん! この魔人アバロン、そんな脆弱な人間共に口を開くなど! ありえ……グハっ!!」


 ケンヤがアバロンのおデコにデコピンを入れた。


 アバロンは悶絶しながらころげまわる。


 …………魔人をデコピンで倒すケンヤ!!


 皆、アバロンよりケンヤの方が怖いと改めて実感した。


「け、ケンヤ殿……、痛いではないですか!!」


 アバロンは文句を言うが、ケンヤがもう1発デコピンをおみまいしようとすると


「ヒーー!」


 悲鳴を上げ頭を手で隠ししゃがみこむ。


「お前さあ、何喧嘩腰なの? ちゃんと説明しなさい!」


 涙目でケンヤを見上げるアバロン……


 するとトオルとサラがケンヤに


「「アバロンさんが可哀想!!」」


 ぐっ、ハモリながら批難された!


 アバロンは立ち上がると、サッと双子達の背に隠れる。


 シルまでパッと両手を広げ、アバロンを守るポーズをとりやがった!!


 なんだそのノリは!


 アバロン……俺達に染まるの早すぎ!


「ご、ゴホン! ケンヤよ……、説明……は?」


 あ! ローレンス伯に促され、ケンヤはアバロンに説明させる。


 アバロンは語る。


 500年前に邪神なる者が世界を滅亡させようと暴れていた事、その邪神は召喚の杖を使い魔人達を操っていた事、魔人王が魔族の王、魔王に助けをもとめるが魔族領で力尽きた事、当時の魔王は人族と共闘しようと人族の王に願いでた事、人族は英雄アキラ、後に勇者と呼ばれる者を送り出した事、魔王と勇者アキラは共闘し、恐らくではあるが邪神を倒した事。


 その話を皆固唾を呑んで聞いている。


 ただロキとサザンは


「そ、そんな話し……、信じられん!」


 ロキが吠えるとサザンも


「ま、魔人が言う事を皆信じるのか! 邪神? 魔王と勇者が共闘? 馬鹿を言え!!」


 ふむ……。2人の言う事も分かる。


 けど……


「ロキさんとサザンさんがそう思うのも分かるよ、俺も最初アバロンから聞いた時は信じられなかったから……」


 ケンヤはそう言い、シルを見ると


「うん! アバロンの話しはホントだよ! アキラっての一緒に居たのはあたしのとーちゃんだから!」


 皆に「へっ?」と目を見開く!


 勇者と共にいた大精霊がシルの父! 皆アバロンの話しを受け入れるしかなくなった……


「で、では我々が伝え聞いた事は全て嘘だったのか! 魔族は共闘した仲間であり、魔人族はただ操られていただけ……」


 ローレンス伯が蒼白になる。


 そこでソフィアはハッと顔をあげ


「な、ならデマを流し、500年かけて情報を操作した者がいるって事? 何故? 何のために?」


 ソフィアの発言にケンヤは


「多分だよ、邪神ってまた復活するのかも?」 


 その言葉に衝撃が走る。


「人族と魔族が手を結んで邪神を倒したとすると、次復活する時、なんとしても共闘できないようにすると思わない?」


 ローレンス伯は「確かに」と頷き


「ケンヤの話しは一理ある。人族の勇者と魔王が出会わないようにするには、人族と魔族を敵対関係にでっち上げておけば…………成程! 頷ける話しだ。そして現在唯一魔族達と交流のある帝国、怪しいな! 魔族領の事は全て帝国を通して伝えられる。どうとでも情報を操作出来よう」


 領主のネイスは青い顔で


「500年かけて徐々に情報を捻じ曲げる! 何たる執念だ!」


 そこでギルド長は


「ま、まさか、今回のダンジョンの異常も、魔王誕生は関係なく、もしかしたら邪神復活の兆候……」


 ギルド長の言葉にアバロンは


「ふん! 恐らくな! ケンヤ殿から聞いたが、魔王とダンジョンは何ら関係はない! 魔族の魔力が高いと言って、世界中のダンジョンに影響を及ぼすなど! 邪神と魔王をすり替えて伝わったのだろう」


 ローレンス伯はアバロンに問う。


「ならアバロン殿、邪神とはどう言う存在だ? 魔人族にはどの様に伝わっておる」


 ローレンスの問にアバロンはローレンスの目を見て


「ただただ狂気……世界を破壊し尽くす狂気だ」



 …………世界を破壊し尽くす狂気!



「神の如き力をただ破壊の為だけに振るう……一切の慈悲はない」


 ただ……、とアバロンは続ける。


「その邪神が現れる同時期に、魔王と人族の勇者は現れている。そして現在も」


 そう言ってケンヤを見る。


 イヤイヤイヤ!! 勇者って! さぶいぼ出るからやめて……


 全員の視線を一斉に受け、後ろずさるケンヤ。


 シルは俺の肩でため息をつき


「ケンヤ……、そろそろ諦めたら?」


 ぐっ! マジで……


 そんな2人のやり取りを見ていたトオルとサラは。


「なあサラ! 俺達勇者パーティの一員だぞ!」


「お兄ちゃん! 私頑張る!!」


 き、君達……


 ギルド長は目を細め


「ケンヤよ! 勇者になる決断をしたか!」


 い、イヤ! してないし!!


 ソフィアはキラッキラの目で


「勇者の誕生だわ!」


 や、やめてくれ〜!!


 ロキとサザンは俺の前でサッと膝をつき


「今までの御無礼の数々失礼致しました! 勇者様! 我々近衛と軍は勇者様と共に!」


 あーーーー!! お前達! グルだな! 俺を無理やり勇者に仕立てるつもりだな!!


 ローレンス伯は


「私はすぐに中央に戻り、この事を国王に伝えねばならぬ! ネイス、ソフィアよ、此方の事はそなたらに任せたぞ! ロキとサザンはこのままピサロのダンジョンで兵を鍛えるようにな! では勇者様失礼します」


 そう言い残し、急ぎ部屋を出るローレンス伯。



 なんとなく無理矢理感はあるが……


 

 勇者ケンヤが誕生した瞬間だった。



 


 


 



 



 


 

 


 


 


 



 


 


 





 


 

 

 

ようやくタイトル通り、ただの戦士職のケンヤが勇者に成りがった……のかな?w

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