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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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不穏

ブクマありがとうございますm(_ _)m


明日から忙しくなり、投稿遅れ気味になります。

 ケンヤ達が新たなメンバーを加え、ダンジョンを後にしたのと入れ違いに、1人ダンジョンに入ろうとする者がいた。


 黒ずくめのフードを被ったその人物は、ダンジョン入口でひと気が無いことを確認し、ダンジョンに入っていく。


 しばらく進むと


「何故、トラップが発動しない……」


 トラップが発動しない事を不審に思うその人物、フードを外し辺りを見渡すが、魔物が湧く気配はない。


 フードを外したその顔、人族のものではなかった。


 頭には2本の角が生えており、肌の色は紺に近い青、目は赤い。


 魔族とも魔人とも違うその男は


「既に攻略された? まさかな! 今の人族にあのボスが倒せるとは思えん。何か不具合か?」


 不審に思いながら先を進む。


 上位種に襲われるが、小さな火の玉で全て焼き払って行く男。


 すると


 ボス部屋に着く前に、宝玉の壊れた杖を見つけた。


 男はその杖を拾い驚愕する!


「し、召喚の杖……まさか本当にここのボスを倒した者がいたのか! しかも杖が育ちきる前に、何か強大な力を持つものを召喚してしまったようだな……」


 男は苦虫を噛み潰したような顔をし


「多分ボスを倒した奴は、その者に取り殺されたのであろう。しかし……、この杖が使えないとなると……計画を見直さなければなるまい。召喚された者の動向も気になる。まずは帝国に戻りこの事の報告、指示を仰がなければ……」


 急ぎダンジョンを出る男。


 

「邪神様の復活が遅れるかもしれん!」



 不穏な言葉を残し、その男はダンジョンを後にした。





 魔王城改修現場


 大きな寸胴鍋の前に魔族達が並ぶ。


 皆、手に皿を持ち、自分の順番が来るのをソワソワしながら並んでいた。


 その鍋からシチューをお皿に並々注ぎ


 「はい!」


 と笑顔で手渡す美少女!


 魔王であるミコトだ。


 手渡された人々は恍惚の表情を浮かべ、シチューの入った皿を受け取る。


 数百年ぶりに現れた魔王、その力は近くに居るとひしひしと伝わる。


 何せ、魔物ひしめく山ごと、その魔法で消し飛ばしたのだ!


 その状況を見ていた者も少なくない。


 それに……


 女神かと疑う程の美しい魔王が、直接手渡しでしかも満面の笑みで、シチューを注ぎ渡してくれているのだ!


 その様子をため息をつきながら見守るベリト。


「魔王様があの様な事まで……。そなたよく許可したな……」


 ベリトは隣りに控えるマリアに話しかける。


「良いではごさいませんか、魔王様も楽しそうです。晩餐会の時より余程」


 ベリトは言葉に詰まる。


 魔王が疲れているのは知っていたが、各領の有力者達の魔王との面会も断る事は出来ず、苦労させてしまっていたのだ。


 それに……と、マリアは付け加える。


 ラナにお皿を取ってもらい、シチューを注ぐミコトを優しく見つめながら


「私、出来の悪い腹違いの兄しかいませんでしょう? 不敬ではごさいますが、可愛い妹が出来たみたいで! ええ! 私、精一杯魔王様を甘やかします!!」 


 その言葉にベリトは


「そなた……ずるいぞ! 私に嫌われ役を押し付ける気だな!!」


 ベリトの発言は無視するマリア……



 全員にシチューが行き届いたのか、オカワリは他のメイドに任せ、自分の分のシチューを持つと、ミコトはラナを連れて、魔族達の元に向かう。


 自然とミコトとラナを魔族達は囲み談笑を始めた。


 城の修理の進み具合や、魔族達の普段の生活を尋ねるミコト。


 その質問を嬉しそうに応える魔族達。


 ミコトは思う。


 もしかしたら前の世界でも、自分にもう少し積極性があれば、あの嫌な生活も変わっていたのかも……


 自分から色々と避けていた実感はある。


 ただ。


 この世界で1からやり直すんだ!


 周りの魔族達と談笑しながら心に誓うミコト。



 その時、ベリトさんの元に1人の兵が駆け寄り


「ほ、報告いたします。エルフの族長及び帝国からの使者が参られております。此方にお通ししても?」


 ベリトさんは驚き私に目を向けます。


 私はベリトさんに頷くと、ベリトさんは報告してきた人に指示をだします。


 

 魔族達は何事か? と私を守る様に集まってきました。


 し、使者さんですよね? そんな警戒しなくても……


 マリアさんまで私の所に戻ってきました。


 そして


(え、エルフだ! 耳が長い! あの人間違いなくエルフよね!)


 緑色の髪、端正な顔立ちのエルフと、人族の文官風の人が現れ、文官風の人が口をひらく。


「魔族の皆さん、お楽しみの所申し訳御座いません。私は帝国からの使者でマイルともうします。おお! ま、魔王様であられますか! 今後ともお見知り置きを」


 そう言って膝まづきます。


 エルフの人は私見て目を見開き、何も言わず同じ様に膝まづきました。


 ベリトさんは突然の出来事に驚きを隠せず


「ま、マイル殿! 一体全体どうしたのだ! それに族長まで……」


 ベリトさんの質問にマイルさんは


「いや〜、魔王様が誕生されたと聞き、帝国としては是非ご挨拶をと。帝王様から私共が伺う旨、連絡してはいたのですが、その連絡が届く前に私共が着いてしまったようでして……、ベリト殿の城に寄ったのですが、今はご不在で魔王様と此方にお越しになっいると聞きましてな、不躾ながらこうして参上させて頂きました」


 顔を上げてベリトさんに応えるマイルさん。


 

 この人なんか気持ち悪い……



 笑顔が張り付いてるって言うか、まるで笑顔のお面被ってるみたい……



 それに……何故か違和感を感じる。


 

 エルフの族長さんは


「魔王様、ベリト殿、申し訳ない。どうしてもと言われ断り切れなかったのだ」


 族長さんは申し訳けなさそうにしている。


 この人には違和感は感じない。


 マイルさん何か変、気持ち悪い事を小声でマリアさんに伝えると、厳しい顔で頷きメガネを外しマイルさんと目を合わす。


「皆! 魔王様をお守りして!、私の魅了眼がききません! 魅了眼が効かないのは既に誰かに魅了されているか、私の魅了眼を上回る魔力を有しているかどちらかです! 人族が私の魔力を上回るなど……何れにせよ危険です」


 私の周りの魔族達の魔力が高まる。


 ベリトさんが兵を呼び2人を囲んだ。


 エルフの族長は何が起こっているのか理解出来ていない。



 先程の張り付いた笑顔からフッと表情が抜け落ちるマイル。


「流石は魔王と言った所ですか……まさか見破られるとは!」


 マリアさんが叫ぶ


「貴方何者!!」


 すると頬まで口が切れた様な笑顔を作り


「さてね! 長い年月をかけ少しづつ魔族達の魔力を削ってきましたが……もはやこれまですね! 魔王の存在がこれ程とは! あのお方が気にしていたのも頷ける」


 あのお方? 黒幕みたいな人がいるの?


「私はここで引かせて頂きます。流石にこれだけの数の魔族と魔王を相手にはできませんから!」


 この状態で逃げる? て、転移魔法!!


 けど多分逃げれないわよ!!


 魔族&魔導師コンボ、レベル40で手に入るスキル



 転移阻止



 ミコト自身このスキルなんの役に立つの? と不思議に思っていたスキルだ。


 魔族と魔導師の組み合わせでしか手に入らないスキル。


 ミコトは知らない。


 魔王からは逃げられないシステム。


 転移阻止を手に入れた時点で、ミコトは魔王の素質を得たのだった!



 マイルは驚愕する!



 何度も転移の呪文を唱えるが魔法が掻き消されるのだ!


 その隙に兵に取り押さえられ、魔力を縛る拘束具と舌を噛まない様、猿轡を噛まされる。


 まだジタバタしているが兵に連行されて行くマイル。


 エルフの族長も拘束はされてはいないが、共に兵に連れられて行った。


 それを見送ったミコトは


「は〜、ビックリした! せっかく皆さんと楽しくお喋りしてたのに!! 台無しね!」


 そのミコトの気の抜けた言葉に、周りの魔族は苦笑する。



「とりあえず皆さん、食べ終わったかな? じゃあお片付けしましょう!」


 自らお皿を回収して回るミコト。


 それを慌てて止めようとしするラナ。


 一見平和が戻った様だが……



 


「我々魔族の魔力を削るだと? 数百年のうちに魔族の魔力が低下したのは何者かの人為的陰謀か! 帝国内に何かが起こっている? いや、元々帝国の数百年に渡る陰謀なのか? なんとしてもマイルの口を割らせねばならん!」


 ベリトはマリアに


「魔王様の事は任せる。私はこの件、早急に他の領主にも報告せねばならん! 後あのマイル……、せっかくの魔王様のお楽しみをぶち壊しやがった!! 口を割らせた後にはそれ相応の苦しみを与えてやる!」


 

 ベリトはそう言い残し、急ぎ自分の城に戻るのだった。





 



 



 









 


 

ベリトさん……最後の一言が……。

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