表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/117

初めての友達

今回少し雰囲気違います。


今後の展開に必要でして……


あ! ブクマ&評価ありがとうございますm(_ _)m

「つ、つかれたあ!」


 豪華絢爛な一室、そこの巨大なベッドにダイブするミコト。


 連日連夜、面会に来る魔族領の有力者達。


 その度に行われる晩餐会や催し物……


 最初の頃はミコトも楽しんでいた。


 しかし……、こう連日だと……


 魔族の身体にステータス、体力的な問題はない。


 ただ精神的に疲れるのだ!


 未だにこの豪華なドレスにも慣れないし、頭にはごちゃごちゃいっぱい飾りを付けられて、気分的に肩がこる……


 頭の髪飾りを無造作に外し、ドレスもベッドの上でモゾモゾと脱ぎ始めると


「ま、魔王様、そんなはしたない!」


 メイドのマリアさんが、私の脱いだドレスをベッドから拾い、部屋着を着させてくれる。


 部屋着と言っても十分豪華なんだけど……


「魔王さま、御髪を整えますので後ろを向いて下さい」


 もう寝るだけだし、このままでもと思うけど、マリアさんはブラシを持ち準備万端だ。


 仕方なくベッドであぐらをかいたまま、マリアさんに背を向ける。


 私のその様子に溜息をつき


「またそのような格好を……」


 と、言いながら髪を整えてくれる。


 

 私のメイドをしてくれているこのマリアさん、なんと、あの領主の1人であるオズマさんの腹違いの妹さんなんだって!


 年齢は私より3つ上の18歳。


 黒に近い紺色の髪に切れ長の目にはメガネを掛けている。


 別に視力は悪くないらしいが、彼女は魅了眼持ちらしく、普段それを抑える為に魔道具のメガネをかけているそうだ。


 そのメガネのせいか『できる女性』って感じでカッコイイ!


 正直あのオズマさんより余程しっかりしているんじゃあ……


 なんかお姉ちゃんが出来たみたいで、すっかり甘えてしまってます。


 そのマリアさんは私の髪をとかしながら


「明日は特にご予定は入っていませんから、ゆっくりなさって下さい。魔王様がいらしてから、ずっと面会やら晩餐会でお疲れでしょう」


 えっ! ようやく解放? ビックリして振り返ると、マリアさんは優しく微笑んで


「元魔王城の改修も、かなり進んでいると聞いております。いずれ魔王様がお住みになるお城、明日気分転換に見に行ってはいかがですか?」


 魔王城……


 なんか名前がイカついけど、いずれ私が住むんだよね! 


 それに私の為に、魔族の皆んなが頑張って直してくれてるんだし、お礼を言わないとだ!


「うん! 明日はお城見に行きます! 出来ればお城修理してくれてる人達に、なにかお食事でも用意できたら良いんだけど……マリアさん、準備できますか?」


 私が尋ねるとマリアさんはパッと顔を綻ばせ


「まあ、まあ! それは素晴らしいですわ! 皆さんそれは喜ばれる事でしょう! その準備はこのマリアにお任せ下さい。見事取り仕切ってみせます!」


 ま、マリアさん……楽しそうです……


 けど私もなんだかワクワクしてきた!


 2人でああだこうだと夜更けまで話し込む。


 

 皆さん喜んでくれると良いな!




 次の日


 楽しみ過ぎて少し早く目覚めてしまったミコト。


 部屋を出てマリアが指揮しているであろう、この城の厨房に向かう。


 こっそり覗くと何人ものメイドさんに使用人さん、それを指揮するマリアさんの姿が。


 もうほぼ準備は終わってる見たいね。


 少し首を伸ばし、もう少し様子をみようとしたら……、使用人の男の子と目が合ってしまった!


 ガチャーン!!


 男の子は手に持っていたお皿をおとす。


「カル! 何してるの!」


 マリアさんの怒号が……わ、私のせい?


 するとカルと呼ばれは男の子は、カタカタと震えながら


「ま、魔王様!!」


 と、私のに向かって膝まづく。


 周りの皆さんも「えっ?」っとコチラに顔をむけると、一斉に膝まづいてしまった……


 マリアさんが驚いて近づいてきます!


「ま、魔王様! この様な場所に! それにそのお姿……お寝間着ではないですか!!」


 マリアさんはどこから出したのか、サッと大きな布を取り出し、私に巻き付けます。


「ここは若い男性もごさいます! もう少しご配慮を……」


 えっ? 寝間着だけど、部屋着とそんな違わない様な? ダメなの?


 私がキョトンとしてると、マリアさんは溜息をつき


「今日の事、お楽しみにしている事は存じております。私達に任せて魔王様はお部屋にお戻りになって下さい。ラナ! 魔王様をお部屋にお連れになって下さい」


 ラナと呼ばれる女の子のメイドに連れられ部屋に戻るミコト。


 ラナは恐縮しながらも、子供故の好奇心からか此方をチラチラ見てきます。


「えっと、ラナちゃんだっかな? ごめんね、忙しいのに邪魔しちゃったかな?」


 ラナちゃんは私の言葉にビクッとし


「い、いえ! ただビックリしただけです。ま、魔王様は他の領主様とは少し違うと言うか、以前街の様子を見に行かれた時もそうですが、偉そうにしないと言うか……あっ! す、すみません! 私なんて事を……」


 ん〜……、多分魔王としてそれらしくしなきゃいけないんだろうけど……私には無理!


 魔王らしい振る舞いなんてわかんないもん!


「ねえ、ラナちゃん! 私とお友達にならない?」


 ラナちゃんは「へっ?」と私を見ます。


 そりゃあ突然魔王にそんな事言われたらね〜


「私ね、ここに来る前はお友達って居なかっのよ……なんか女の子には避けられてたし、男の子達は見た目だけで近づいてくるしね……」


 ああ、そうだった! ここに来て毎日目まぐるしくて忘れてたけど、ずっと毎日に嫌気がさしていたんだ。



「ラナちゃんがお友達になってくれたら私嬉しいな……」


 前の世界では絶対言えない台詞……


 ただここでなら言えそうな気がした。


 ちょっと涙が……、ダメダメ! これで泣いたりしたらラナちゃん断れないじゃない!


 精一杯の笑顔を作る!


 ラナちゃんにしてみたら「何言ってんの?」って感じだろう!


 ただラナちゃんは私の目をじっと見つめて


「魔王様は魔力も凄いし、お姿も天上の女神さまの様に美しくて、何もかもを持っている方だと思っていました」


 ああ……失望しちゃったかな……


「ただ、中身は私達と同じなんですね! 嫌な事があれば傷つくし、涙も流れる……私勘違いしていました! 魔王様! 魔王様を私、全力でささえます! まだまだ力不足ですが……」


 その言葉に思わず涙がこぼれるミコト。


「ら、ラナちゃん! それ私とお友達になってくれるって事?」


 思わず聞き返すとラナも瞳に涙を溜め


「わ、私で良ければ是非!」


 あ……、人生で初めてお友達が出来た!


「わーーん!!」


 本気で泣き出すミコト。


 そのミコトを困惑しながら抱きしめるラナ。




 追いかけて来て、その様子を見ていた数人の使用人とマリア。


 

 皆、この魔王を絶対守ると心に誓うのだった。








 










 

 



(T_T)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ミコトのお願いが切なすぎです…特に女の子たちの感情や表現が、だんだんと想像が膨らみやすくなってきたように思います
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ