閑話~ソフィア~
ブクマありがとうございますm(_ _)m
またまた短い閑話です。
次回、魔族領のお話しにするか、ケンヤ達の続きにするかで悩み中です。
最近何かおかしい……
ソフィア・ローレンス、Aランク冒険者にして伯爵令嬢。
自分で言うのもなんですが、私が街を歩けば皆が羨望の眼差しで見つめ、賞賛の声も聞こえてきたものです。
それが……
目が合うとサッと目線を外される……
特に女性から……
また、母親が子供を自分の後ろに隠そうとする。
何がなにやらで……
ピサロには高ランクの冒険者はおりません。
もしかするとAランク冒険者と言う事で、恐れられているのかも? ええ! きっとそうなのでしょう!
冒険者ギルドに向かう途中
「あっ!【変態さん】」
何処からともなく子供の声が聞こえてきた。
何処かに【変態さん】がいるのか! なら成敗せねば! と周りを見渡たしても、そのような者は居ません。
デイルは何やら笑いを堪えている。
「デイル? 何がおかしいのかしら?」
私が尋ねても
「い、いえ! 何でもございません」
…………
絶対何かあるでしょ!!
私が睨んでも素知らぬ顔……
まあいいわ! ギルドに着いたしデイルはほっておきましょう。
ギルドの扉を開き中に入ると、一斉に視線が私に向かいます。
Aランク冒険者のご登場です! 注目を浴びるのも仕方のない事なのです!
あれ?
皆さん顔が引きつってますよ?
何かあったのかしら?
まあダンジョンの異変なり、魔王云々なりあった後ですから、冒険者の皆さんは不安なのでしょう。
中を見渡すとルークスとミモザさんだったかしら? を発見! なにやらパーティでお話ししています。
「ルークス、ミモザさん」
呼びかけるとルークスとミモザは私に気づき
「ソフィア嬢、おはよ」
「これはソフィア様、おはようございます」
相変わらずルークスは横柄に、ミモザさんは丁寧に挨拶を返してくれます。
パーティのメンバーは平伏してますが、私は立つように促します。
「ところで、なんのお話しをされていたのかしら?」
ルークスとミモザは顔を見合わせた後
「いや、ケンヤがダンジョン攻略したって言ってただろ? そのケンヤにダンジョンでレベル上げ誘われたんだよ」
ルークスに続きミモザも
「ええ、折角ですから、ピサロの主要な冒険者を誘って見ようと、ルークスと話し合っていた所なんです」
な、なんですって!!
「そ、それ、私も参加します!」
チッ
ん? 今のチッって聞こえたような?
ルークスには聞こえなかった様で
「別にいいんじゃないか? ケンヤには伝えておくよ」
チッ
あれ? また聞こえた様な?
まあそんな空耳を気にしてはいられません!
ケンヤ達とダンジョンでレベル上げ!!
ケンヤに良い所を見せて、私に興味を持たせるチャンスです!
「デイル! 今日は北の森に行きますよ! 少しでも熟練値上げておかないと!! ルークス、いつ行くか決まったら、領主邸に連絡してくださいまし! では!」
溜息をつくデイルを連れて北の森に向かう!
数日後、ヘコみながら兵士に連れ帰られるとは、この時の私は想像もしていませんでした……
ソフィアが去ったギルド内
メイとサチは苦虫を噛み潰したよう表情で
「な、なんて鈍感な方なんでしょう……」
サチのその言葉にメイは
「例の作戦全く堪えてないようですね……流石【変態さん】……我々の考えは少し甘かった様です」
サチは震えながら
「あれが【変態さん】街中の声も自分の都合の良いように変換してしまう……恐ろしい……ただルークス! 後で100回殺す!!」
メイはキッ! と顔を上げ
「ルークスさんの不用意な発言は万死に値します! しかし、たとえどれだけ【変態さん】が強大な【変態さん】だったとしても、我々はケンヤ様を【変態さん】からお守りしなければなりません!!」
いつの間にかメイとサチの周りには「ケンヤを見守る会」のメンバーが集まっている。
「皆さん! 夜、緊急集会を開きます。よろしいですか?」
皆真剣な表情で頷く。
その様子をポカーンと見てる他の職員や冒険者
この時、少人数の冒険者に「ケンヤを見守る会」の存在が知られる様になるが、ソフィアの扱いを考えると迂闊に人に言えない。
どんな報復が待っているのか……
結局「ケンヤを見守る会」は公に知られる事はなかった。
メイさんサチさん……
ただ【変態さん】って言いたいだけのような……




