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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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光の柱

ブクマありがとうございますm(_ _)m


毎度ですが投稿遅れてすみません!

 ピサロ領主邸には、ギルドの主要メンバーが集められていた。


 ギルド長、メイさん、ソフィアさん、デイルさん、ルークスさん、マリンさん、ミモザさん、ジェイクさん、モリスさん、そして俺達4人だ。


 領主であるネイスが口を開く。


「皆集まってくれてご苦労。ダンジョンの異常の件、皆知っておるな」


 全員が頷く。


「どうも他領、他国のダンジョンも同じく、異変が起きている様なのだ。そしてその原因は魔族領にある! ギルド長、この先の話しはお主に任せる」


 ギルド長は話しを引き継ぐ。


「領主様の仰る通り、ダンジョンと魔族領とは密接な関係があるんじゃ。魔族領と各国にあるダンジョンは地脈で繋がっており、魔族領の魔力が強まると、ダンジョンの魔物も活性化する。ただ今回のは異常過ぎるわい! 恐らく魔王、もしくはそれに匹敵する程の魔族が、誕生しようとしておるようじゃ」


「ま、魔王……」


 そこでルークスは手を挙げ


「なあ、職業魔王って実は無いって何かの文献で読んだんだが?」


 皆が「えっ!」となる。


 ギルド長は「知っていたか……」と呟き


「ふむ、職業に魔王なんてものはない! 数百年単位で魔族の中から、際立って魔力の高い者が生まれ、魔族の王となる。魔族の王じゃから魔王じゃな……」


 マリンは


「な、なら勇者はどうなんだ! まさか勇者も……」


「そうじゃ、職業勇者もない! 人族の中で魔王に対抗できそうな人物を勇者と呼んでいるだけじゃ」

 

 その話を聞いた皆がケンヤを見る。


(や、やめてくれ!! 俺はただの戦士だし!)


 ギルド長が「ゴホン」と咳払いをし


「話しが逸れたの、魔族領の魔力が満ちて魔王が生まれるのか、魔王が生まれるから、魔族領の魔力が満ちるのか正直分かっておらん。ただダンジョンの魔物が強力になり、ダンジョン以外の魔物も徐々に活性化するじゃろ……」

 

 確かにスライムやゴブリンの数は増えている。


「これに対し各国がどの様に動くのか…… 我が国は早速各ダンジョンを封鎖するか検討中みたいじゃが……」


 それに対し、ルークスが意を唱える。


「だ、ダンジョンを封鎖なんてしたら冒険者には……それに魔石の確保も! スライムやゴブリンの魔石だけじゃ……魔石はエネルギーだ! 下手をすれば国が破綻する!」


 それに対し領主のネイスが応える。


「ルークスの意見ももっともだが、ダンジョンに入っても無事に出て来れないのなら仕方なかろう? 我が国が誇るAランク冒険者ソフィア様でさえ無理だったのだ……」


 ソフィアは俯き悔しそうにする。


 するとトオルとサラは顔を見合わせ手を上げる。


「ん? トオルとサラか、どうかしたかの?」


 ギルド長が尋ねるとトオルは


「あの……、北の森のダンジョンなら、もうケンヤさんがボスを倒して攻略してます!」


 サラも


「ケンヤさんが言うには、ボスを倒したからもうトラップは発動しないそうです」


 皆「へ?」と固まった……


 トオルは更にに続け


「ボスを倒した帰りは本当にトラップは発動しなかったし、魔物も多くて2、3体づつしか現れなかったから」


 シルが腕を組みウンウン頷くと


「トオルとサラも、ガンガン上位種倒しながら帰って来たもんね! シル姉さんは2人の成長に涙が……」


 トオルとサラは


「「シル姉さん!!」」


 こ、こら君たち……場の空気読みなさい!



「「「ち、ちょっとまて!!」」」



 全員がツッコんで俺を凝視する!


 そ、そんなに見つめないで……。


 隣に居たミモザさんは


「あの〜ケンヤさん? 色々ツッコミどころ満載なんだけど……」


 ミモザさん……揺れてまする……揺れて……ゲフンゲフン


「トオルとサラが言った通り、ダンジョンは攻略しました。1度ボスを倒すとトラップは発動しません。まあ時間が経つとボスは復活しますが、トラップは大丈夫だと思いますよ?」


 ゲームではそうだった! ウンウン


「トラップさえ発動しなければ、ソフィアさんなら問題なくダンジョンに入れますよ! 他の人達も何組かでチームを組めば大丈夫じゃないかな? それでレベルを上げれば、魔王が復活して魔物が活性化しても、問題無いんじゃないですか?」


 皆がシーーーーン


 え? 俺なんか変な事言った?


 ネイスとギルド長は深ーーくため息をつき


「我が領のダンジョンはそれで良いが……他のダンジョンはどうするのだ? ケンヤ、お前がひとつひとつ攻略していくのか?」


 俺はゲっ! となる……他のダンジョン攻略、楽しそうではあるが……面倒くさい。

 

 なにか言い訳を……


「それは効率悪くないですか? 俺の身体は1つだし……どうせなら、この街に他の街を拠点にしてる冒険者を呼んだらどうですか? 北の森のダンジョンでレベル上げれば、他のダンジョン攻略も効率良くできますよ?」


 お! 我ながら良い考えだ! トオルとサラから尊敬の眼差しが!

 

 シルが俺の肩でコソコソ話しかけてくる。


(ケンヤってメンドクサイ事回避する時口が回るよね〜)


 なんの事かな?


 他のダンジョン攻略! やって見たいけど、人にやれって言われたらやる気失せるのよね〜


 ネイスは少し考えた後


「ふむ、ケンヤの意見は了解した。さっそくその旨、本国に伝えてみる。確かにケンヤが1人各ダンジョンを回るより効率は良さそうだ」


 ギルド長も


「それで我が国の兵士や冒険者達のレベルが上がれば、万が一じゃ、魔族が何らかの行動を起こした場合にも対応できるじゃろ」


 その時1人の兵士が入ってきて、なにやらネイスに耳打ちをする。


 ネイスは目を見開き


「皆! この館の屋上に行くぞ! 急げ!」


 何事か! と皆急ぎ屋上に上がる。


 するとピサロの遥か西の空に、天まで突き抜ける光の柱が見て取れた。


 ギルド長はカタカタと震えながら


「ま、魔王が……生まれた……」


 この国から魔族領までは更に1つ国を挟む。


 その離れたピサロからでも目視出来る程の光の柱……


 

 皆、不安を隠せずその光の柱を見つめる。



 ただケンヤだけは


(魔王ね〜、ゲームでは確かに攻略対象だったけど、何か人に仕掛けてくる様な事無かったような? 自分の城に引き込んでるイメージ。そんなに騒ぐ様な事なのかな?)



 1人、他と違う事を考えながら光の柱を見つめていた。


 





 





 



相変わらずなケンヤですね〜

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