魔王の気配
ブクマ&評価ありがとうございますm(_ _)m
今回投稿に1日空いてしまいました!すみません……いそがしくて……
後昨日、投稿していないのに一気にアクセス数増えていてビックリしています。
まあ、人気作家さん達に比べれば、微々たるものですが笑
なんにせよモチベーションあがります!
読んで下さりありがとうございますm(_ _)m
ボスを倒したケンヤは寝てる双子を起こした後、ボスが居た場所を確認する。
ダンジョンのボスなら何かアイテムをドロップするのでは? と思ったからだ。
すると
「お! なんか落ちてる! 杖だな」
ケンヤはその杖を手に取ると唖然としてしまった。
「こ、これ召喚の杖だよな……」
【召喚の杖】
文字通り魔物を召喚出来る杖である。
召喚した魔物は召喚者の意のままに操れる。
装備者のレベルにより、召喚出来る魔物の強さは変わるが、魔術師にとっては強力な武器だ!
何せMPの消費なく使えてしまう。
たとえ低レベルの魔獣でも壁役に出来るし、高レベルの魔物なら壁兼アタッカーとしても使える。
あのボスが召喚してたのは、この杖の能力かあ!
(これ……正直チートアイテムなんだよな〜、戦士の俺は使えないからアイテムボックスに放ったらかしになってたけど、確か【召喚士】の職業取っていたプレイヤーから苦情殺到して、結局消去されたアイテムだ)
さてどうしましょ……
「サラ、この杖は俺達のパーティではお前しか使えない。ただ強力過ぎる杖だ! いざと言う時まで俺が預かっておく、いいな!」
サラは頷く。
「じゃあボス部屋から出るか! 来る時はこの部屋まで真っ直ぐ来たけど、帰りは探索とお前達の熟練度を上げながら帰るからな!」
トオルとサラは不安そうにしているが
「大丈夫! 今のお前達ならオーガは余裕だよ。ハイオーガやロード系は俺が相手するから安心しろ。ボスを倒したから恐らくトラップは発動しないはずだ」
てか、よくあるボスを倒したら、ダンジョンから脱出できる魔法陣とか出ないのよね〜不親切……
どうせなら熟練度上げながら帰りましょう!!
そうして俺達は熟練度を上げながら出口に向かう、途中何度かシルの結界の中で仮眠をとり、1階層にたどり着いた時には丸3日たっていた。
「まだ未成年のトオルとサラを、3日間もダンジョンに潜らせるなんて……ケンヤ鬼畜〜! ケラケラ」
うっ! た、確かに鬼畜だわ……
それを聞いたトオルは
「ケンヤさん、全然大丈夫ですよ! 確かに疲れたけど、2人であのオーガを倒せる様になったんです! また少しレベルも上がりました!!」
「お兄ちゃんの言う通りです。魔法も増えたし、威力も全然違います! まさかただのファイヤーボール数発で、オーガを倒せる様になるなんて!」
トオルもサラもいい子達です! ウンウン
シルはここまでの戦闘を思いだし
「トオルもサラも凄いわよ! トオルの動きなんか残像が残る程のスピードだし、サラのあの魔法アイススピアだったっけ? あれヤバイね! グッ」
そう! トオルは軽戦士だ。そのスピードを活かした戦い方で、オーガやハイオークが防御出来ない程のスピードで切り刻み、サラのアイススピアは20程の氷の槍で、複数の魔物を相手に出来る。
シルの言葉に頷きながら
「2人共もう見習いなんて言ったら白い目で見られるな」
2人のレベルは更に上がり31になっていた。
レベルだけで言えば、この世界トップ達と並んだのである。
レア職業持ちの場合は色々補正があるので、一概にレベルだけで強さが測れる訳でもないのだが、それでもこの世界で数人しか居ないレベル30超えである!
2人と出会ってからこの短い期間で、世界最強レベルまでに育ててしまったケンヤ。
ただ当の本人は、それが如何に異常な事なのか気にもしていない……
「じゃあダンジョン出ようか! 後少し、いくら強くなったと言っても最後まで気を抜くなよ!」
「「はい!!」」
………………俺達がダンジョンから出ると……………
「ぎ、ぎ、ギルド長!! も、戻って来ました!!!」
(な、なんなんだ? めちゃめちゃ人が集まってるんですが……)
ピサロの兵士数10人がダンジョン入口に整列していた。
全員が俺達を見て目を丸くしている。
俺達は何があったのか分からず呆けていると
「お、お前さん達……無事だったか……」
ギルド長、メイさん、ルークスさん、マリンさん、ミモザさん、そしてジェイクさん、モリスさん、冒険者ギルドの主要メンバーが…………なんで? しかもソフィアさんまでいるぞ?
「み、皆さんお揃いで……なんかあったんですか?」
俺のその言葉を聞いた皆んなは、溜息をつき脱力している……
ルークスさんが
「お前……異常が起きてるダンジョンに、トオルとサラを連れて3日間出て来なかったんだぞ?」
ミモザさんも
「ケンヤさん……普通心配するでしょう……」
ジェイクとモリスは
………
お、お願いなんか言って!!
そこでソフィアが自慢げに
「そら! 言ったじゃない、心配する必要ないですって!」
ソフィアは「ね〜」とウインクしてくる。
メイとマリンがそれを見て「ピクン」となるがケンヤは気づかない。
そんな皆をギルド長は見渡し
「とりあえず無事帰って来たんじゃ、兵士の皆さんご苦労じゃったの、解散して下され。ギルドの皆は少し残ってくれるかの」
兵士の皆さんが帰って行った後……
叱られました……、思いっきり叱られました……
トオルとサラもぐったりしておりまする。
シルは…………チッ逃げやがった!
ひとしきり叱られた後
「ハアハア、説教はこれぐらいにして置こう……儂が疲れたわい!」
ギルド長は息を切らせ
「とりあえずケンヤ達が無事帰ってきたんじゃ、明日の朝このメンバーで領主様の館に行くぞい! 全くこの大事な時に……ブツブツ」
ルークスは其れを聞き
「ギルド長、このメンバーって……トオルやサラも?」
「う、うむ……2人はまだ見習いじゃが、ケンヤと一緒とはいえ異常が起こっているダンジョンから生還したんじゃ、十分実力はついているじゃろて」
ギルド長はトオルとサラを見ながら
「実はの……詳しい話しは明日話すが、大変な事が起ころうとしているみたいじゃ! このダンジョンの異変もその1つじゃな!」
皆息を飲みギルド長の話しに耳を傾ける。
「魔王が復活するかもしれん!」
ギルド長のその一言に皆固まってしまった……
ーー魔族領ーー
その中心部に魔都と呼ばれる街がある。
魔都の更に中心部には城があり、歴代の魔王の居城であった。
ただこの数百年魔王は不在であり、すでに廃れた古城となり果てている。
城だけでなく街自体もう誰も住んでは居ない。
この数百年の間で、魔族領には幾つもの自治領が誕生し、それぞれが1つの国として栄えていた。
魔族の者たちにとって、魔王とは書物の中だけの伝説の存在になっていたのだ。
その城の中に1人の魔族の姿があった。
魔族のいる場所には、およそ魔族の城にあるには相応しくない、美しい女神の巨大な像が立っている。
魔族の者がその女神像を驚愕の表情で見つめる。
女神像は淡く虹色の光に包まれていたのだ。
「まさかと思い来てみたが………………魔王が生まれる」
その魔族の者には、女神の像が優しく微笑んでいる様に見えた。
12歳の子供を3日間拘束するケンヤ……




