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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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31/117

タリタ孤児院長

ブクマ&評価ありがとうございますm(_ _)m



今回投稿遅れてしまい申し訳ございません。


明日はちゃんと投稿します……多分……きっと……。

 ケンヤ、シル、ソフィア、デイルはダンジョンを抜け街に戻っていた。


 ソフィアとデイルはギルドに報告に向かう。


 その際、ケンヤも一緒に来るよう言われたが断った。


 なぜ? 面倒くさいから!


 そんな事はソフィアさんに任せます! はい



 

 俺とシルは孤児院に向かう。


 トオルとサラに明日ダンジョンでレベル上げをする事を伝える為だ。


 予定より早く帰って来ちゃったしね。


 一応2人に孤児院の場所は聞いていたが、実際に行くのは初めてで少し緊張する。


「確か教会の裏にある建物って言ってたな」


 教会に着き建物の裏手に回ると、小さい保育園ぐらい? の建物がある。


 これかな?


 その建物の扉をノックすると、おそらく15、16歳ぐらいの修道服の女の子が出てきた。

 

「えっとこんにちは、ケンヤといいます。トオルとサラいるかな?」

 

 するとその女の子は何故か「え、えっ」とキョドりだし


「少々お待ちください!」


 走って2人を呼びに行ってくれた……


「シル……俺、初対面の女の子にキョドって逃げられる様なヤツなの……」


 シルはニヤニヤしている。


「まあ、ケンヤは知らない方がよいよ〜! ウンウン」


 そ、そんな言えない様な事なのか!!


 俺がひっそり落ち込んでいるとパタパタと足音が聞こえて来る。


 トオルとサラは俺が来たことに驚いた様子で


「「ケンヤさん! ビックリしました。突然どうしたんですか?」」


 ハモりながら聞かれてしまった。


「2人共明日ダンジョン行かないかなあって」


「「だ、ダンジョン!!!」」


 目を輝かせながらハモっております。


「お、お兄ちゃん! ダンジョンだって! どうしよう」


「そんなの行くに決まってるじゃん! いや! 絶対行く!」


 おお!2人共ノリノリである。


「ただな、かなり長い時間潜る事になる。日帰りは無理っぽいんだよ、お前達大丈夫か? 孤児院の院長さんとかに、許可とか必要ないか?」


 2人はハッとなり、何やら考え込んでいる。


 難しいかもしれない。12歳の子供だもんな〜


 するとトオルが


「ケンヤさん、院長先生の所に行って説得してきます!」


 サラも頷き


「絶対説得しますから、少し待っててもらえますか?」


 2人はそう言ってるけど、そんな簡単に説得は出来ないだろな……普通に考えて12歳の子供がダンジョンに行くって言ったら、ダメって言うに決まっている。


 それを聞いてたシルは俺に


「ケンヤついてってあげたら?」


 ふむ、頑張って説得してみますか! 俺が誘ったんだしね。


「了解だ、トオル、サラ、院長先生の所に案内してくれ、俺も説得してみるよ」


 そう言うとトオルとサラは俺の手を引っ張り、院長先生の所に案内してくれる。


 よっぽどダンジョンに行きたんだな。クスっ




 そうして2人に手を引かれながら院長室に到着、トオルがノックすると「どうぞ」と声がし、3人で院長室に入る。


 10畳ぐらいの部屋には対面のソファーがあり、壁際の本棚には沢山の資料かな? が並んでいる。奥の窓際のデスクには、修道服の優しそうな老齢の女性が座っていた。


「あらトオルにサラ、それに其方の男性はどなたかしら?」


「突然すみません。トオルとサラとパーティを組んでいるケンヤと申します」


 俺が挨拶をすると


「あらあら、貴方があの……いえごめんなさいね。この孤児院の院長をしているタリタです。貴方の事はトオルとサラからよく聞かせて頂いているわ」


 タリタ院長はそう言って微笑んでから


「貴方がトオルとサラの指導をして下さったおかげで、この孤児院全体が潤い、食事は勿論、孤児達の教育にも手がまわる様になりました。貴方には本当に感謝しております」


 院長先生が頭を下げる。

 

 するとシルが


「でっしょ〜! あたしのケンヤはすっごいんだからね!」


 シルさん、俺いつお前の物になった……


「「シル姉さんの言う通り!!」」


 トオル、サラ……、シルの発言の後乗っかるのルーティンになっちゃってますね……


「あっと! まだ自己紹介していなかったわね! あったしが〜、森と風の大精霊! 超カリスマ、スーパーウルト……ムギュ」


 …………


「えっと、コイツは精霊のシルウェストレ、シルって呼んでやって下さい」


「ちょっと〜! 最後まで言わせなさいよ!」


 シルさんおかんむりです。


「「ケンヤさんひど〜い!!」」


 はいはい



 タリタ院長はクスっと笑うと


「シルさん初めまして、タリタよ。よろしくね」


 シルはタリタ院長の前まで飛んで行き


「よっろしく〜!」


 タリタ院長はそのシルの様子に目を細め微笑む。


「ところでケンヤさん、わざわざ孤児院まで来てくださって、私に何か用でもお有りですか?」


 院長にトオルとサラを連れて行きたい、日帰りは難しい旨を伝えると


「ダンジョンですか……」


 なにやら考え込んでます。そりゃ二つ返事で了解は出来ないよね〜


 トオルとサラはタリタ院長をじーーっと見てる。


 じーーっと見てる。


 見てる。


 シルまでじーーっと見てる。


 …………


 お前達……プレッシャーのかけ方上手いな!!


 

 タリタ院長は俺に向き直り、真剣な表情で


「ケンヤさん、2人がダンジョンに入る必要があるのでしょうか? トオルもサラも既に充分1人立ちして、生きて行ける力は付いていると思います。わざわざ今ダンジョンに入る必要あるのかしら? 入るとしても成人してからでもよいのでは?」


 まあ普通そう思うよね〜、今のままでも食えるぐらいには稼げてるし、まだ未成年だ。だが……


「院長の言いたい事は充分に理解は出来ます。スライムやゴブリンを倒せれば、食うには困らないかもしれません。ただ、ゴブリンを狩りに北の森に入る、または薬草を取りに行くのでもいい。この街で冒険者で生きて行く為には北の森に入らなければならない。ここまでは理解できますか?」


 俺が尋ねると院長は頷く。


「問題なのはその北の森には、今の2人では到底敵わない魔物も生息していると言う事なんです。トオル、サラ、あのオーガと2人だけで遭遇した場合、どうなっていたと思う?」


 トオルとサラに問うと


「俺達間違いなく瞬殺されて、オーガの腹の中に入ってたと思う……」


 サラは顔を青くして


「あの時ケンヤさんが居なかったら私達……」


 それを聞いた院長は目を見開き


「あなた達、そんな危険な目に合っていたの!?」


 トオルもサラもオーガとの事は言ってなかったんだな。


「そういう事です。冒険者として生きて行くなら、命の危険は常に付いてきます。それは見習いだろうがベテランだろうが同じです」


 院長は「確かにそうね……」と呟く。


「俺が一緒に居てやれる間は、トオルとサラを出来る限り鍛えてやりたい。リスクを下げる為にね。ただもう2人のレベルは、スライムやゴブリンでは中々上がらなくなっている。中にはまだ未成年だから、無理に急がなくても成人までのんびりレベルあげれば良い、と言う人もいるかもしれない。院長先生の様にね」


 ハッとし院長は俺を見る。


「その成人までに、2人では敵わない魔物と出会わないと何故言えます? 最初2人に出会った時、スライムに囲まれてました。あの時も俺がたまたま通りかからなかったら、2人とも大怪我では済まなかったかもしれない」


 よし! 院長動揺している! 一気に畳み掛けるぜ!!


「院長先生の言葉はトオルとサラに、何も準備せずに死ね! と言ってるのと同じですよ?」


 院長は大きく目を見引らき「そ、そんなつもりでは……」と呟く。


 するとサラが俺の裾を引っ張り


「あのうケンヤさん、ダンジョンには行きたいですけど…………あまり院長先生をイジメないで……」


 トオルも目で訴えてくる。


 あら? 調子に乗って言い過ぎたかな? テヘペロ


 院長はその俺達のやり取りを眺めながら


「貴方の言う通りね。私の考えは甘かった。冒険者は常に危険と隣り合わせって理解はしてるつもりだったけど、まだちゃんと理解出来ていなかった様だわ」

 

「では明日2人をダンジョンに連れて行っても?」


 院長は小さく頷く。


「ええ、貴方はちゃんと2人の事を大事に思ってくれている様だし、冒険者の事情は私達では分からない。貴方にお任せするわ。ただ、血は繋がっていませんが、トオルもサラも私達の大事な息子と娘です、なにがあっても貴方が必ず守って下さいね」


 トオルとサラは涙目になり


「「院長先生!」」


 俺も院長の目をしっかり見ながら


「トオルとサラの事、お任せ下さい」


 深々と頭を下げた。




 院長室を出てトオルとサラに


「明日の早朝ギルド前集合な!」


 と伝えると


「了解!!ビシっ」


 まだ目が赤いまま笑顔で敬礼してくる。


 シルさんは


「トオルとサラはこのシル姉さんが守るからね! ビシっ!」


 シルのそのポーズに俺もトオルもサラも声を出して笑ってしまった。


「な、なによ! あたしの超絶かっこいいキメポーズなのに!」






 孤児院を出るとシルが呆れながら


「ねえケンヤ、オーガなんて北の森のよっぽど奥に入らないと出会わないわよ?」



 はて? なんの事やら?


 


 

 


 

 

 


 







 



 


 



ケンヤ口がたつ編でしたw

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