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ピサロ

とりあえず少し短めでプロローグ含め3話し連続投稿してみました。


「よかった…………、街見えてきたよ」


 ピサロに向かおうと決めてからかれこれ1時間、歩き続けてホントに街に着くのかと不安に駆られてた頃、ようやくピサロの街が見えてきた。


 ここに着くまでスライムに3度程襲われたけど、今度はちゃんとロングソードで仕留めました! グッ


 確かピサロは身分証とかなくても街に入る時、通行税払えば入れたハズ……ゲーム初めた頃は所持金少ないのに何故金取る! と憤慨したっけ。


 街には外壁が街を覆うように設置してあり、南北にそれぞれ門がある。


 賢也は南側にある門に向かい、近付くと門番から声をかけられた。


「こら! ボウズ! こんな時間に外に出てたら危ないだろ」


 ぼ、ボウズ? だ、誰の事だ? 子供なんて居たか?


 まわりをキョロキョロ見渡すが、賢也以外だれも居ない


「何キョロキョロしてる、お前だお前! 他に誰も居ないだろ」


 なんか門番さん怒ってます……


 そこでハッ! と気付く!


 確かゲームの設定で年齢15歳にしていたような……、最初の設定だったから忘れてた! ってか今の俺の見た目15歳? 中身49のおっさんなのに見た目15歳?


「全く、見た事ないヤツだな? こんな時間に外うろついてたら、魔物に喰われちまうぞ!」


 な、何か言い訳しないと……。


「ごめんなさい! えっと、東の平原の先にある小さな村から、冒険者志望で来たんですか、平原を渡って来る時に道に迷ってこんな時間になっちゃいました……」


 我ながら中々良い言い訳じゃないかしら?


 ピサロの街の東側にある大草原、その先には小さな村が点在してて、冒険者志望の若者はこのピサロにやってくる。


 この周辺で唯一冒険者組合があるのがピサロなのだ。


 冒険者志望以外にも周辺の村々は、このピサロに農作物や特産品を売りに来て外貨を稼ぐ。


「ああ、冒険者志望のガキかあ、大草原で迷子になる様なヤツが冒険者になるってか? まあなるのは本人の自由だが……」


 なんか心配そうにこっちを見てる。


 …………多分いい人なんだろうなあ。


「まあいい、ホントは身分証の無いやつは、通行税を払わなきゃいけないんだが……、内緒にしてやるからさっさと入れ!」


「えっ! いいんですか?」


 びっくりぽんです


「お前みたいなガキがなんか悪さするとも思えんし、どうせ金もあんまり持ってねぇんだろ? さっさと入んな! 但し此の事は絶対内緒だからな」


「あ、有難うございます!」


「おう! 冒険者は危険な仕事だ、浮いた金は装備やポーションにつかうんだな」


 門番さん、なんて良い人……、実はお金それなりにあります!


 なんてとても言えない……


「あっ! 俺賢也、ケンヤっていいます! 多分しばらくこの街に滞在すると思うんで宜しくお願いします」


「村のガキにしちゃ礼儀正しいやつだな。俺はロイドだ、見ての通りの門番だ宜しくな」


 ロイドさんはニカッっと笑ってまた門番の仕事に戻る。


 礼儀正しい? 一応49のおっさんだしな〜 負け組だったけど……、それなりに礼儀作法は身に付いてるハズ………………多分


 さてとりあえず街に入れたし宿取らなきゃ!


 ピサロの街は南門と北門の間を大通りが通っており、この時間は大通り沿いに屋台が並び、それなりに賑わっていた。


 屋台の匂いに気を取られながら、少し路地に入った所にある宿屋を目指す。


 やはり街の配置はゲームのままのようだ。


 ベッドとナイフ、フォークがクロスした看板、ピサロの街の宿屋オリブだ。


 扉を開け中に入ると


「いらっしませ! お泊まりですか? お食事のみもできますよ」


 元気な声が聞こえてくる。


 この宿の看板娘で名前は……忘れた! ってゲーム最初の街の宿屋の娘の名前なんて覚えてね〜し!


「とりあえず10日間泊まりで、朝夕の食事も頼みたい」


 カウンターにいる女の子は目を丸くし


「え? 10間日で朝夕食事付きですね、70,000Gになりますが……」


 あ〜確かに……、いかにも今日田舎の村から出てきた若造が、70,000Gも払えるのか? って事ね! 払えるんです! ビシッ


 アイテムボックスから70,000Gを出しカウンターの上に置く。


「あ! な、70,000Gた、確かに! では宿帳にお名前の記入お願いします」


 びっくりしたようだ! エッヘン


 けど変に金持ってるって思われるのもな〜


「じつは冒険者になるって村から出る時に、村の皆が俺の為に……」


 少ししんみりした空気をだしてみる。


 すると


「そうでしたか……、こちらこそビックリしてごめんない! 連泊で一気にお金払える人って、ベテランの冒険者の方達なで……そう言う事情だったんですね」


 平謝りされてしまった……


「自分の稼ぎで連泊出来るように頑張るよ」


 ニコって笑ったらなんか顔赤くなってる? 恥ずかしがり屋さんかな?


「で、ではコチラかお部屋の鍵になります。ちなみにですが私はオリブといいます! よ、宜しくお願いします」


 なんか真っ赤になって自己紹介されちゃった。


 あっ! 思い出した! オリブだオリブ。


 確か両親が娘が生まれ時、娘の名前に宿名変えたって設定だったな。ってかよくそんな設定思い出せたな。


 なんかイベントあったっけ?


 まっいいや!


 そのオリブがまだ顔の赤いまま聞いてくる。


「えっとお食事はどうされます? すぐに用意できますが?」


「じゃあ頂こうか」




 宿屋オリブは1階のフロアが食事処になっている。


 冒険者らしき人達が食事をしていた。

 

 適当にテーブルに付き食事を待つ。


 この世界に来て初めての食事だ、ゲームでは食事なんてする必要もなかったし、どんな料理が出てくるのか、味は俺の口に合うのか不安である……


 程なくして、イカついオヤジか料理を持ってきた。


 ゲームでは出て来なかったキャラだな。


 多分オリブのオヤジさんかな? なんとなく無口な職人って感じだ。


 予想どうり、何も言わず料理だけ置いて厨房に帰っていった。


 まあそれはそれでっと、メニューはシチューにパン後サラダだ。


 とりあえず一口食べてみる。


「う、美味い!」


 考えたら今日何も食べてなかった!


 勢いよくかき込む。


 色々な野菜の旨みと肉の旨みが合わさったシチューにサラダはシャキシャキだ!


 パンも少し硬いが甘みがあって美味い。


「すみませんシチューおかわりできますか?」


 思わず聞いてしまった……


 …………


 多分オリブのオヤジさんであろうイカついオヤジが、無言で空いた皿にシチューを継ぎ足してくれた。


 そうなるとこのシチューをツマミにお酒が呑みたくなる。


 49のおじさんだから!


「すみません! アルコールってなにかありますか?」


「………………お前幾つだ」


 うおーー! なんか凄まれてる! 確かこの世界15で成人だよな?


「15です」


「………………エールなら出してやる」


 エールは確かビールみたいなヤツかな?


「じ、じゃあエール下さい!」


 無言で奥に引っ込んだと思ったら、明らかにそれ3Lぐらいあるんじゃね? なみなみとグラスに入ったエールを持って来るとドンっと置き


「……500Gだ」


(やっす! この量で500Gやっす!)


 びっくりぽんです。


 500G渡すとオヤジはまた無言で奥に引っ込んでしまった。


 とりあえずエールを一口呑む、美味い!


 普通にビールだ! しかもよく冷えてる。


 もっと生温いかなって思ったけど、よく考えたらこの世界、普通に魔法とかあるんだよね〜

 

 魔道具とかで冷やしてるのかな?


 シチューも美味い! エールも美味い! 大満足で部屋に帰り、そのままベッドに入り意識を手放しました。


 異世界初日なんとか無事に過ごせたか…………な?



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[気になる点] 1泊10000ゴールドて高くないかこれ?
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