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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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一斉間引き

ブクマありがとうございますm(_ _)m

物凄く励みになります!!


後少しずつアクセス数も伸びてきました!

こんな私の小説を読んで頂き感謝感謝です。


ご意見、ご指摘あればよろしくお願いします。



 ピサロ東の平原、今そこに数十人の冒険者が集まっていた。


 これからピサロ冒険者ギルドの一大イベントが始まる。


 そこにケンヤ達の姿もあった。


「ピサロってこんなに冒険者いたっけ?」


 ケンヤがその人数に驚くのも無理はない。


 ピサロを拠点にしている冒険者達は、常にピサロにいるわけではなく、他の街を転々としている者も多くいる。


 今回イベントの噂を聞きつけ、ピサロの街に帰って来たのだ。


 トオルが目を輝かせ


「ですね! こんな人がいっぱい集まるイベント! もうワクワクが止まりません!!」


 サラも同様みたいで


「私も昨日から楽しみで楽しみで! 眠れませんでした!」


 するとシルが


「トオルもサラも、おらワクワクすっぞ!! って感じね!」


 何故お前がそれ知っている……


 俺達が周りの冒険者を眺めながら、そんな話しをしていると


「お前達ちゃんと逃げずに来たな!」


 ルークスが声をかけて来た。


「ルークスさん、逃げるって失礼ですね〜、ちょっと考えましたど……」


 ルークスは苦笑いを浮かべ


「やっぱりな! けど逃げずに正解だったぞ? 昨日例のお嬢ちゃん……じゃなくて、Aランク冒険者のソフィア様だったかな? 少し話ししたが、ありゃ逃げたら地の果てまで追いかけてくるぞ! なんせ、お前に会いに来る為に、お共1人だけで王都からピサロに飛んで来るような奴だからな!」


 げっ! マジか……


 ってかルークスさん……そのAランク冒険者で伯爵令嬢様に、お嬢ちゃんとか奴とかは不味いのでは?


「そんで後からギルド長に聞いたんだが、そのお嬢ちゃ……様はどうせ行くならと、伯爵家で色々準備していたのにも関わらずに……」


 あっ……ルークスさん、みなまで言わなくても、大体の人となりは理解しました……


「中々変わった人物のようね」


 ミモザさんがゆっさゆっさと揺らしながら……ゲフンゲフン、いらっしゃ……やっぱすげーー!


 トオルがじーーと見てます。


 トオル! お前いける口か!


 おっとイカンイカン。


「私もお会いしたけど昨日の様子だと、どちらかと言えばルークスに興味を持ったようだけど?」


 ミモザさんはルークスをニヤっと横目でみる。


 ルークスが「それは無いだろ」ハハハと笑っていた。


 ケンヤもだが、ルークスも中々に鈍感である。


「あ! そう言えば、ミモザさんにはまだ紹介してませんでしたね。俺とパーティ組んでるトオルとサラです。2人共挨拶しなさい」


 俺が促すと


「サラです! よろしくお願いします」


「トオルです! よ、よろしくお願いしましゅ……」


 あ……トオル君噛みましたね! 変な所ずっと見てるから


「あらあら、2人共かわいいわね。ミモザよ色々噂は聞いてるわ! よろしくね」


 ミモザは2人にウインクをして応えた。


 トオルは顔を真っ赤にして固まる。


(おお! 少年が初恋に陥る瞬間を目の当たりにしてしまった!)


 その様子を見たシルはニヤニヤしながら、トオルの周りをぐるぐる飛んでいる。


 シルさん……可哀想だから止めようね。


 そこへジェイクさんとモリスさんも合流し、それぞれに挨拶を交わしていると


「おっ! ご登場だ!」


 ルークスが平原に設置された壇上を見る。


 現れたのは先ず恰幅の良い貴族服を着た男性(領主様かな?)、その後にギルド長、そして最後に(多分あの女性がそうだな)金髪ブロンドで白銀の装備に身を包んだ少女と、その従者らしき灰色の髪をした男を連れ壇上に上がる。


 壇上の下には副ギルド長であるメイさんと、見た事のない男性2人が控えていた。


(メイさんの隣りにいる2人が、中央ギルドからの使者だな)


 中央ギルドからの使者は平然とした顔をしているが、内心はと言うと……


(そ、ソフィア様が昨日中にピサロ入りしていたとは……のんびり今朝到着した我々の立場は……)


 まさかソフィアが単独行動で、飛び出して来たとは知らない使者である。


 すると壇上から「ゴホン」と声が聞こえる。


 壇上では領主らしき人が、拡声器の様な魔術具を持ち話し始めた。


「このピサロ領の領主ネイス・ダグラスだ。本日はピサロの一大イベントに大勢の冒険者が参加してくれる事嬉しく思う……」


 は〜、こう言う挨拶って眠たくなるのよね〜


 シルはサラの頭の上で寝ちゃったよ。


 俺も少しウトウトとしかけていたら


「……である! 今回は中央ギルドより視察がお2人、そしてAランク冒険者で伯爵令嬢でもあるソフィア様が来られた! これよりソフィア様よりお言葉をいただく、皆平伏して聞くように」


 領主のネイスが下がり、壇上中央にソフィアが立つ。


 皆が一斉に膝をつき、それを見た俺達も少し遅れて膝をついた。


「皆さん、ごきげんよう。Aランク冒険者のソフィアですわ。今回は伯爵令嬢ではなく、Aランク冒険者ソフィアとしてまいりました。膝をつく必要はございません。ですよね?」


 とソフィアは1人の冒険者を見る。


 俺がその視線の先を追うと、ルークスが頭をかいて苦笑いを浮べていた。


(ルークスさんと何かあったのかな?)


 ソフィアが立つよう促し皆が立ち上がる。


「わたくしに気を使わず、イベント頑張って下さいね!」


 そう言うとギルド長と代わり、ギルド長がイベントの説明を始めた。


「まあほぼ事前に話していた通りじゃが、今回他の街へ遠征に出ていた者達が、イベントに合わせ帰って来てくれたおかげでかなり効率良くなりそうじゃ。これだけのパーティがいれば、見習いやEランクは各パーティ1人か2人ですむじゃろう。」


 ウンウン! パーティ内の人数が少ない程、効率よく経験値稼ぎ出来るからね〜


「ギルドを代表して皆に感謝する。では長々挨拶にも飽きたじゃろ? 早速始めるぞい!」


「「「おーーーー!!!」」」


 ギルド長の号令で皆事前に指定されたエリアにバサンを持ち向かう。


 ちなみにだがケンヤ達は遊撃。


 もし大量にスライムが湧き過ぎて、苦戦しているパーティがいれば助っ人に入る予定だ。


 それまでは自由に行動して良い事になっている。


 ケンヤは今回すべてトオルとサラに任せるつもりだ。


 2人のレベルは更に上がり12になっていた。


 スライムぐらいなら数百湧こうが、時間さえかければ余裕で倒せる様になっている。


 何せもうスライムの攻撃ではほとんどダメージを負わなくなっているのだ。



「じゃあ俺達もやるか!」


「「「はい!」」」


 トオルもサラも待ちかねていたようだ!


 なんかシルさんも張り切ってるけど……キミは応援ね!




 あちらこちらで「パンッパンッ」とスライムの弾ける音が聞こえる。


 皆順調のようだ。


 それでケンヤ達はというと……



「行くぞ! 最終奥義発動! アルテミック・ソーード!!」


 と、トオル君……何その厨2病的なネーミング……


 それただ横に剣を払っただけだよね!


「くっ! お兄ちゃんには負けない! 私も最後の手段! ウイニング・ザ・デスファイヤー!!」


 さ、サラさん……それただのファイヤーオールでは?


 い、いや……楽しそうで何より何だが……


 シルはシルで


「ふ、2人共……ここでその技を発動させるとは……やるわね! フッ」


 お前何役だ?


 ただ遊んでいる様に見えて、トオルとサラは2人で既に100匹近くスライムを倒していた!


 魔石拾う俺の身にもなってほしい……


 2人共夢中でそんなケンヤの苦労も気にしていない。


 魔石を拾いながら双子達を見守っていると


「貴方は参加しないのかしら? 精霊を連れた戦士ケンヤさん」


 恥ずかし二つ名で呼ばれ振り向くと……


 げっ!


 そこに立っていたのAランク冒険者のソフィアとその従者デイル(だったかな?)だ。


「え〜と、今回の趣旨は見習いの為のものですから……」


 俺が応えると、ソフィアは双子達を見て


「とても見習いには見えないですわね……この子達、貴方が鍛えたんでしょう? 貴方が鍛えれば皆この様になるのかしら?」


 双子達を眺めながら俺に問う。


「まさか! ただ今回のイベントで、見習い達は確実にレベル上がりますよ! 別に俺達だけが特別って訳ではありません」


「確かにそうですわね、ピサロの冒険者の底上げになると思いますわ」


 ソフィアが考え込んでいると


「やっぱりケンヤの所に来てたか」


 ルークスはソフィアを探していた様だ。


「ルークスさんは見習い達の面倒見なくていいんですか?」


 俺が聞くと


「ギルド長にそこのお嬢ちゃ……様の面倒見る様に言われてんだよ!」


 あらら……ご愁傷さまです。


「め、面倒って随分な言い草ね!」


 あれ? ソフィア様の頬がほんのり……口調も俺の時とは違う様な……まさかね。


「十分面倒だよ! さっきウズウズするって言って、スライム10数匹倒してたじゃねえか!」


 あ、あんた何してんだ……


「うっ!」


 ソフィアは言葉に詰まる。


「それでケンヤの事探ってどうするつもりだ?」


 ルークスさん直球ですね……


 ソフィアは目を泳がながら


「い、いえ……そのう……出来れば、出来ればよ? 私のパーティに入れたいな〜って……」


 ルークスはため息をつき


「やっぱり、そんなこったろうと思った! それは諦めるんだな!」


 ソフィアはパッと顔を上げ


「な、なんでよ!」


 ソフィアさん、さっきから本当に口調が……ルークスさんも相手は伯爵令嬢様ですよ?


「そもそもケンヤ、お前ソフィア嬢とパーティ組んで王都に行きたいか?」


 そんな面倒くさそうな事絶対嫌だ!


 俺は思いっきり首をふる。


「もし伯爵令嬢として命令した場合、ケンヤに断るすべは無い。ただ」


 ルークスは楽しそうに狩りをしている双子を指差し


「あんた、あの2人からケンヤを奪う気か?」


「そ、そんなつもりは無いわ! なんならあの2人も一緒に王都へ!!」


「いいか良く聞け! あの双子は孤児だ。孤児院に住んで自分達より幼い子供達の生活の面倒を見ている。もしあんたがあの2人を王都に連れ出してみろ! 孤児院は働き手が居なくなり、幼い子供達は餓死だ!」


 ソフィアはルークスの話しを聞き絶句する。


「あんたが自分の我儘で何が起こるか……胸に手を当てて良く考えるんだな!」


 ずっと黙って話しを聞いていたデイルは


「ソフィア様、とりあえず戻りましょう。ネイス様も心配なさっているはずです」


 ソフィアは俯いたまま、デイルに支えられる様にして領主達の元に帰って行く。


 去り際にそれまで生気がなく無表情だったデイルが、ルークスに小さく頭を下げ微笑んで去って行った。



 その一部始終をポカーンと眺めていた俺。


 も、もしかして……ルークスさん全部解決しちゃった? マジかよ……あんたどんだけオットコマエなんだ!!



 ルークスさんと俺は、ソフィアさん後ろ姿を見送った後、双子達に視線を送る。




「くっ! まだだ! 究極最大奥義アルテミット・サンダー・スラーシュっ!!」


「私もよ! 最大魔力発動! ヘブンス・デス・メティオ!!」


「あんた達! 止めなさい! その技はその技はぁぁぁ!!」





 ルークスと腹を抱えて笑ってしまった。











































最近のルークスさんの主役感半端ないですww

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