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平凡な戦士職の成り上がり  作者: 司純


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ルークス

ブクマや評価して下さり、ありがとうございますm(_ _)m


何故か閑話の方がアクセス数増える気がしますww



 ギルド内におかしな叫び声が響き渡ったしばらく後、ケンヤ、シル、トオル、サラはギルド受付けに来ていた。


 スライム数百の魔石を換金。


 トオルとサラがまとまった金額を手に入れた為、ギルドに口座を作りに来たのだ。


 ギルドには銀行の様な機能も備わっており、冒険者達の報酬金を預かったり、信用のおける冒険者には、金銭を貸借する場合もある。


 4人の対応をしているのは、副ギルド長のメイだ。


「トオル君とサラちゃんの口座開設いたしました。ギルドカードで管理してるから、絶対ギルドカード無くしちゃだめよ。けど、見習いの内に口座作りに来たのって、2人が初めてじゃないかしら……」


 トオルとサラは「「ケンヤさんのおかげです!」」と嬉しそうに言う。


 ケンヤは頬をポリポリかきながら


「じゃあ明日も朝ギルド前な! 今日は疲れただろから、しっかり寝ておくように」


(なんか引率の先生見たいだな……)


 じゃあ解散! って思っていたらメイさんが


「トオル君、サラちゃん、少しお話しがあるんだけど時間あるかしら?」


 なんか2人に用があるみたい。


 2人は顔を見合せ「大丈夫」ですと応える。


「じゃあ俺は先に帰るな。メイさん、トオルとサラは疲れてるから、あまり遅くならないようにしてやって下さい」


 俺が言うとメイさんは微笑みながら


「はい、すぐ済みますから」


 2人を連れて奥の部屋に入っていった。


 その様子を見ていたシルが


「なんかドナドナされてる様に見えるんですけど〜」


 ん? 気のせいだろ……




 ギルドを出てオリブの宿に着く。


 オリブちゃんの「おかえり」って声に迎えられ、食事処のテーブルについた。


 既に食事を終えたルークスが、エールのジョッキを持って俺の所に来る。


「ケンヤあ! あの双子の面倒見てるんだってえ?」


 ルークスさん、少し酔ってるな……


「なんか流れでそんな事になっちゃって」


 そんな話をしてると、他の冒険者達も集まってきて


「そんでどうなんだ? あの双子達、見込みありそうか?」


 そんなイカつい顔をして……双子が心配なんだね〜


「ええ! もうスライムなら楽勝ですね。明日は北の森に入ろうかと」


 俺が言うと、その場にいた全員が


「「「えっ!?」」」


 固まってしまった……


 食事を運んできたオリブちゃんも固まっていた……


 そ、そんなにおかしな事かしら?


 すると厨房からオリバさんが出て来てくる。


 俺の前にエールをドンっと置いた後


「詳しく聞かせろ」


 オリバさん、エールがあれば俺が何でも喋ると思ってない? 喋るけど……


 皆も少し前のめりになり、俺の話を聞こうとする。


 俺が口を開こうとした時、シルが俺の肩から飛び出して、テーブルの中央で皆を見渡した後


「えっとね〜、ケンヤがシュバってしたらヒョイってして、スパパーンってした後ピロロ〜ンってなったの!!」


 それを聞いたオリバさんが俺を凝視する。


「ケンヤ……お前凄いな!!」


(((今ので伝わったの!!)))


 皆の心の声がハモった……


 しかも最後のピロロ〜ンってなんだ?


「そしたらね〜またケンヤがシュパンでヒョイっ後に、今度はあの子達がバン、スチャってなってバーンでピロロ〜ンなの!!」


 オリバがため息を付き


「ケンヤお前むちゃくちゃだな……」


(((いやいや! 全然わっかんね〜しっ!!)))


 さらにハモる……



 仕方なく今日やった事を皆に話して聞かせた。


「ば、バサンでスライムを集めるだ……と?」


 1人が言うと


「す、スライム数百って……」


 最後にルークスが


「それをトオルやサラちゃんにもやらせるとは……ケンヤお前……鬼畜だな」


 皆がウンウン頷く


 き、鬼畜ってなに! 酷くね!


「い、いや! いざとなったら俺が助けるし、実際途中何度か戦闘中助けに入ってるし……」


 シルが俺を指差し


「ケンヤきっちくう〜キャハハハ!!」


 俺が眉間に青筋たてて睨むと、シルはオリバさんの後ろに隠れてわざとらしくカタカタ震え、オリバさんはオリバさんでシルを庇うようにしている。


 あんた達……なんだそのノリ!


 俺がヒクヒクしてると、ジータが助け舟を出してくれた。


「あんた達! ケンヤで遊び過ぎよ!」


 ジータに叱られたオリバとシルは


「「チッ!」」


 と言って2人で厨房に入って行った。


 今、チッって言った! チッって! しかも2人して厨房に逃げやがった! お前ら親友だな? 親友なんだな?



 そうやって俺達が遊んでいたのを、若干呆れつ見ていたルークス達が、真面目な顔をして聞いてきた。


「その双子なんだが、実際数百のスライムを倒せる実力なのか?」


 俺は少し考えてから


「ん〜、流石にそこまではまだかな? 2人だけでだと、まだ20~30匹が精一杯だと思います」


 何人かの冒険者が「20~30……」と呟くとルークスが


「ケンヤ……1日でスライム20匹狩れる冒険者が、今このピサロに何人いると思う?」


 さあ? 分かりませぬ……


「良く考えてみろ! 2人でスライム20匹狩れたら、日当1人10,000G、30匹なら15,000G十分過ぎる稼ぎだ!」


 ルークスは更に話しを続ける。


「EランクやDランクに上がったばかりの冒険者は、このオリブの宿より遥かに安い宿で、ギリギリの生活をしてる」


 スライムやゴブリンをなかなか狩れないとなると、そんな生活になるのだろう……


「もう既に2人は1人前以上に実力がある! 言ってる意味が分かるか?」


 ん? 強くなったらダメなん?


 俺が??? ってなってると、ルークスは溜息をつきながら


「お前はまだ12歳の見習いの子供を、たった1日で1人前にしちまったって事だ! そんな奴をギルドが黙って見てると思うか?」


 へ!?


「ギルドだけじゃない! 貴族……いや、下手したら国が動くぞ!」


 ま、マジ……


 そこへ肩にシルを乗せたオリバさんが戻ってきた。


「そんな大変な事なのか?」


 オリバさんが心配そうにしている。


 ジータやオリブちゃんも不安そうだ……


 ルークスは少し考え


「大事にならないようにする方法が無いわけじゃない」


 皆がルークス見る。


「ケンヤ、双子を育てたその方法ギルドに提供しろ!」


 皆が「え?」となる。


 そんな事したら余計にヤバくね?


「お前の弟子達だけって事が問題なんだ! 方法をギルドに提供して、ピサロの冒険者全体の実力の底上げする」


 そしてニヤリと笑うと


「そんでケンヤを育てたのは、ソロの名前も知らない冒険者なんだろ? 今回の件、全部そいつのせいにすれば良いのさ!」


 な、なるほど! ギルドに提供する事で、強くなる方法を秘匿してるとは思われない。


 しかも名前も知らない冒険者から教わったって事にすれば、俺が追求される事もない!


 万が一何か聞かれても、他の方法は教えて貰えなかったと言えば済む。


「……あんた天才か」


 ルークスさんに「こら茶化すなっ」っとデコピンされた。


「まあ後輩の面倒見るのは先輩の務めだからな!」


 お……、男前すぎる! 惚れてま……わない。



「まあタダって訳じゃない! エールだエール! ここの皆に奢れ!! 今日もかなり稼いだんだろ?」


 うっ! ルークスさんの笑顔が眩しい……いま歯がキラっと光った様な……多分気のせいです! はい。


「じゃあまた皆で呑みますか! オリバさん全員にエールをお願いします」



 オリバさんは無言で厨房に戻る。


 オリバさんの事だからエールだけじゃなく、多分何か作ってくれるつもりなんだろう。


 ジータとオリブが全員にエールを配り終える頃、オリバさんがちょっとした酒の肴を出してくれた。


 ルークスがエールのジョッキを掲げ


「じゃあ色々問題を起こすケンヤに! 乾杯!!」


「「「カンパーイ」」」


 ゔっ……なんか問題児扱いされてます……



 皆かなり酔いが回ってきた頃、ルークスさんがフラフラしならがら俺の横に座る。


 すると突然肩を組んで来て


「なあケンヤ! あの双子どこまで鍛える気だ?」


 シルと目を合わせニヤっとし


「「世界最強!!」」




 皆さん固まってますよ! 大丈夫?











































トオルとサラ、大丈夫でしょうか……。

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[気になる点] あとがき トオルとオリブ ではなく、トオルとサラ では?
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