アルファとルシファー
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厳しめのコメントもありがとうございますm(_ _)m
さて、このお話しもいよいよ大詰めです。
盛り上がれる様上手く書けたか心配です……
真っ白の空間を進むケンヤ達。
上下左右分からなくなるこの空間を迷い無く進むルシファー。
すると……その中心部であろうか?
直径にして20~30センチ程? の深い紺色の球体が現れた。
何故かケンヤはこの球体が動揺している事が感じられる。
恐らくこれが……
「やあ、アルファ! 元気にしていたかい?」
やはりこれがアルファか!
こんな小さな……これがこの世界を作った創造主……指でつついただけで壊れそうだ……
「姿は違うが……ルシファー……君か!! どうやってここまで……」
「ん? ああ、人族の勇者ケンヤと僕の可愛い一人娘シルに協力して貰ってね、なんとかここまで来る事が出来た」
「人族? 娘?」
アルファはそう言うと、ケンヤとシルに意識を向ける。
「娘とはその精霊の事か……なるほど、あのシルフィードの力とルシファーお前の力の波動を感じる。その者の結界なら太陽の中を進むのも可能であろうな……だがただの人族が……ルシファー、君はもしかして……」
ルシファーはニコリと微笑み
「ああ、彼と融合した! どうしても君の誤解を解きたくてね」
融合……融合だと!!
「ルシファー! 貴様なんて事を! そんな事をすれば……」
「うん……僕の意識はもうすぐ消える! なんとか間に合って良かったよ」
「馬鹿者!! あの結界、貴様だけなら抜け出す事は可能だったはずだ! 我は……この世界を終わらせる。だが貴様は貴様だけは……何故だあ!!!」
「アルファ……僕はね、この世界の皆を愛している。そして君の事も! だからその為に別の世界を開拓したんだ。君の身体の問題も解決出来る!」
なっ! 我の身体……
「そ、そんな事出来るわけ無い! 我が何億年とかけ、未だに達成出来ておらぬ悲願! それを僅か500年足らずで成し遂げただと!! 貴様我を謀るか! また我を裏切るのか! そうか、分かった! その人族を使って我を消滅させる気だな!! そうはさせん!!」
キンっ!!
アルファは自身の周りに結界を張る。
「この結果はその精霊が使う様な安っぽい結界とは訳が違うぞ!」
はあー……なんだコイツ……
ケンヤは小さく溜息をつくと
「ルシファー、変われ!」
「いや……ケンヤ……」
「悪い様にはしない……少しの間だけだ」
渋々ケンヤと代わるルシファー
ケンヤと代わった途端
ガツンっ!!
ケンヤの顔に何かがぶつかり顔が跳ね上げられる!
ゆっくり顔を戻しアルファを睨むケンヤ。
アルファは驚愕する!
我の攻撃が効かない!?
今のは邪神であれば首が弾け飛ぶ程の攻撃なのだ!
「アルファ……そんな攻撃は今のケンヤには効かないよ!」
そんな馬鹿な事があるか!!
何度も何度も思念波による攻撃を続けるアルファだが、ケンヤは気にせずつかつかとアルファに近付いてくる。
目の前まで近づくと……両手を結界に突っ込み、そのまま結界を引き裂いてしまった!
驚くアルファ!
アルファの前まで来るとケンヤはその場でドカッとあぐらをかき腰を下ろす。
そして一言……
「…………お前バカだろ?」
絶句するアルファ……
この世界の創造主、この世界全ての生命の生みの親……その我をバカと……
「ああ、バカだ! 確かに世界を作り、ルシファー達天使や神龍を使ってここまでこの世界を育てたんだ、頭は良いんだろ……けどバカだ!」
ケンヤ……言い過ぎだよ……と止めようとするルシファーにもケンヤは叱る!
「ルシファー、あんたは優し過ぎる! あんたが……いやあんたも含め天使達が甘やかすからこんな我儘な子供の様になったんじゃね?」
わ、我儘な子供……この人族は何を言っているのだ? 我は創造主だそ!?
「お前……自覚ないの? ルシファーが自分だけ愛すのでは無く、他の人を愛するのが気に食わないんだろ? そんで世界を壊す? アホか! お前のは子供が思い通りに行かなくて癇癪起しているのと一緒! 違うのか? 癇癪で世界を壊されたらたまったもんじゃない!!」
癇癪だ……と! 我の思いが癇癪!?
「まだ分かんねえの? ルシファーはな、恐らくこうなる事を想像していたんだと思う……確かに世界の人々を守る為に異世界を開拓したんだろう、けどそれはな、お前の尻拭いをする為でもあるんだよ!」
我の尻拭い……
「お前がしでかすかも知れない事を予想してな! 恐らく最悪の事態を想定してだと思うが、お前はルシファーの思いを理解出来ず、最悪の選択をしてしまった! だからルシファーはお前に合う必要があったんだ……その身を犠牲にしてまでも……アルファ、ルシファーはお前の事を十分愛していると思うぞ!」
その身を犠牲にしてまで我に会いに来た……会いに来てくれた……
「少しはルシファーの思いを理解出来たか! このアホが!! ルシファー変わるぞ!」
最後の一言は余計だよ……ケンヤ……
ぶちぶち言いながらケンヤと代わるルシファー。
「アルファ、色々と誤解があったみたいだけど、僕は決して君を裏切ってなんかいない! ずっとずっと愛しているよ。僕の意識はもうすぐ消えてしまう。けど僕の思いはずっとずっとケンヤの中で生き続ける」
「ルシファー……我は我は……なんて事を!!」
「分かってくれた様で安心したよ。ああ、それとこのアキラのアバター、君の身体だ!」
ルシファーが手を翳すと、そこには15,6歳であろうか? 日本人の小柄な可愛らしい女の子が現れる。
これが勇者アキラ……ケンヤは日本人の姿をしたアキラのアバターに親近感が湧く。
「アキラはね、僕に言ったんだ……このアバターをアルファに使って欲しいって! アルファの話しをアキラにしたらそれはもう君に同情してね、何十億年も同じ所で留まって可哀想だってさっ! この身体で色んな所を旅して欲しいって、自分で作った世界を旅して回るなんて素敵とか言っていたな!」
「我の身体……本当にいいのか……もしかしたら我が入った途端、我のパワーに耐えきれずその身体崩壊するかも知れないのだぞ? 勇者アキラ……お前の大事な……人だったのであろう……」
「恐らく大丈夫だ! アキラはゲームのアバターって言っていたな、僕には理解出来なかったけど……アキラは異世界から来た転生者だった。僕達では理解出来ないなんらかの理があるんじゃないかな? その辺の事は身体を手に入れてからケンヤに聞いてみなよ、彼も転生者だから! それと……この身体をアルファに使って貰うのはアキラの願いでもあるからね、その願い叶えてあげたいんだ!」
アルファはアキラのアバターをじっと観察する。
ルシファーに目を向けると……微笑み頷いていた。
少しづつアキラのアバターを引き寄せるアルファ。
そして遂に、アルファとアキラのアバターが触れる!
途端目がくらむ様な光に包まれ、思わず目を背けるケンヤ達。
視線を戻すとそこには……
先程まで人形のように無表情だったアキラのアバターが微笑み、頬の色も朱色がさしている。
ゆっくりルシファーの元に歩むが、まだ身体に慣れてないせいか転びそうになった。
ルシファーはそっとアルファの手を取り支える。
「アルファ……おめでとう! 念願の身体を手に入れたね!」
「ルシファー……」
見つめ合う2人だが……
「ああ……そろそろ時間の様だ……僕は消える……けど……僕はずっとずっと君を見ているよ……アルファさよなら……それと……ケンヤ、シル……僕をここまで連れて来てくれて……あり…………が…………と」
ルシファーの意識が途切れた……
「とうちゃん……」
ケンヤはシルの頭を優しく撫でる。
アルファの瞳から大粒の涙が零れ落ちていた。
「さて……いつまでもここには居られない! 皆が待っているからな!」
頷くシルとアルファ。
「アルファ、お前転移とか出来ないの? サッと地上にさっ!」
「無理だな! まだこの身体に慣れておらぬ! まあここまで来れたお主達なら問題なかろう、それに防御装置は既に解除しておる」
あのコロナが襲って来る事がもうないのは有難いが……また太陽の中を進むのね……
「シル……大丈夫か?」
色んな意味を込めてシルに訪ねる。
シルは目を手でゴシゴシと涙を拭くと、ケンヤにニカッと笑顔を向ける。
「モチのロンよ! とうちゃんの事は……とうちゃんはケンヤの中に居るんだし! ケンヤと居れば何時もとうちゃんを感じていられるもんっ! そんで結界も問題ないよ! 大分回復したからね!」
まだ目の赤いシルだがもう大丈夫そうだな!
身体を上手く使いこなせないアルファを抱きかかえると
「じゃあ地上に戻るぞ! 皆が待っているからな!」
「おお! レッツラゴー!!」
あ……それ久々に聞いた……
皆の待つ地上に向かい飛び立つのであった。
次回最終話になります!




