アキラとルシファーとラキリス④
ブクマに感想ありがとうございますm(_ _)m
感想が書かれると俄然やる気がでますねw
後、誤字報告もありがとうございますm(_ _)m
まさかあれ程誤字ってたとは……
さて、前回の後書きでなるべく今回で回想編終わらせるなんて言っておきながら……終われませんでした……
ジャングルを抜け、平原を少し進んだ先で地上に降りるアキラ達。
今度はジャングルを西にし、東には見渡す限りの大平原、遠くに薄ら山々が見えるが、南北には地平線しか見えない。
「ほんとに広大な世界なんだ……私の居た日本じゃこんな光景お目にかかれないわね……」
「アキラの言う日本がどれ位の広さなのかは分かんないけど、この世界はアルファの世界の約10倍の地表面積はあるね!」
じゅ、10倍!!
「サタン……その広さどうやって測ったんだ? サタンのことだから適当に言っているとは思わんが……」
ラキリスの疑問も当然である。
もし以前からちょくちょく此方の世界を調査していてもそんな広大な世界の調査、数十年、数百年掛かってもおかしくない。
ラキリスとアキラがサタンと出会ってまだ1年未満である。
そんな調査出来る訳が無い!
元熾天使筆頭の力の片鱗なのか?
ラキリスとアキラが疑問に思っていると
「ああ! 確かにね、けど僕は大精霊だよ? この子達に協力してもらったのさっ! 皆おいで!」
サタンが呼び掛けると、アキラ達の周りにキラキラ光る小さな目には見えない何かが集まって来た。
驚くアキラとラキリスだが、その光達から優しい感情が伝わってくる。
アキラが手の翳すと光達がその手のひらに集まってきた。
「流石アキラだね! その子達は精霊さ! この世界中にいるんだよ。その子達に手伝って貰ってこの世界の事調べたんだ。アキラ達にはその子達の声は小さ過ぎて聞こえないだろうけど、同じ精霊の僕には聞く事ができる。アキラは精霊達に気に入られた見たいだね!」
どんどんアキラの周りに集まる精霊達。
アキラが光に包まれ行く様を呆然と見つめるラキリス……
ーー美しいーー
勇者アキラ……元々見目麗しい美少女である。
そんなアキラに何かしら心が奪われる事も度々あった……その勝気な言動はともかくとして……
その思いをラキリスはずっと隠してきたのだ!
アキラは邪神を倒すパートナー!
そんな感情は邪魔になるし、アキラにとっても重荷にしかならない。
だがこんな光景を見せられてしまっては……
ラキリスの中で何かが弾けた!!
アキラに向かい1歩踏み出すラキリス。
だがその瞬間、精霊達は逃げるように一気に霧散してしまう!
まさか俺のせいか? 焦るラキリスだがサタンが叫ぶ!
「2人共気をつけて!!」
サタンの声に大剣と大盾を取り出すアキラと魔法の準備をするラキリス。
何時の間にかあの肉塊に囲まれて居たのだ!
一匹や二匹では無い!
数えると7体! 7体の肉塊に囲まれていたのだ!!
「こんな見通しの良い平原で一体何処から!?」
よく見ると所々地表に穴が空いている。
「コイツら土の中を移動するのか!!」
驚くラキリスだがアキラと自身に強化魔法を掛け相手の出方を待つ。
すると7体一斉に触手が伸びて来た!
大盾でラキリスを庇いながら触手を斬るアキラ!
ラキリスは呪文を詠唱すると7体の肉塊に向かい範囲魔法を放つ!
「ファイアーオール!!」
7体の肉塊が炎に包まれ触手の一部が焼け落ちて行く!
「流石ラキリス!」
ラキリスを賞賛するとアキラは一気に距離を詰め、大剣で肉塊を切り裂いて行った!
サタンは防御の弱いラキリスを護る為、触手が伸びて来る度結界を盾の形に変え攻撃を防ぐ。
完全に結界を張ってしまうと此方の攻撃も出来なくなってしまうからだ!
その結界の盾に護られなが魔法を打ち込んで行くラキリス。
ラキリスの魔法で隙が出来るとアキラが大剣でトドメを刺す!
見事なコンビネーションで肉塊の数を減らして行くが……残り後2体! 後もう少しという所で先程の穴からまたワラワラと肉塊達が現れた!
「くっ! これは……」
先程の倍、14体の肉塊に囲まれるアキラ達。
「不味いわね……まさかこれ程の数がいるなんて……」
大剣を構えなおすアキラ。
「アキラ! 結界を張る、一旦戻るんだ!!」
サタンが叫ぶ。
近接戦しか出来ない戦士職のアキラは2人から離れ前に出過ぎていたのだ!
14体の肉塊がアキラ目掛け触手を伸ばす。
1人離れているアキラに目を付けたようだ。
「アキラ待っていろ! 今助ける!」
魔法を放とうとしているラキリスとサタンの元に14体の内の3体が向かい2人に触手を伸ばす!
「チッ!」
触手を結界の盾で護られながら肉塊本体を魔法で焼いていくラキリスだが……中々アキラの援護に行けない。
サタンも苛立ち
「ラキリス……ゴメン! 今からアキラ優先で結界を張るよ!」
「分かった! 俺の事はいい! アキラをアキラを助けてくれ!!」
ラキリスが覚悟を決め、サタンがアキラに結界を張ろうとした時、アキラの後ろから触手が伸び、アキラの身体に巻きついて行った!
「し、しまった!!」
触手に巻き付かれ身動きが取れなくなるアキラ、なんとか引き剥がそうとするがビクともしない!
アキラとてあの邪神を倒し、数々の魔物と戦って来た勇者なのだ。
その勇者アキラのパワーを持ってしても触手を引き剥がせない!
「アキラ!!!」
アキラに触手を伸ばす肉塊本体に魔法を放つラキリスだが、他の肉塊が邪魔で魔法が当たらない。
「くっ! 仕方ない……アキラ! 範囲魔法を使う! ダメージを受けるが我慢してくれ!!」
多少ダメージを食らうがアキラのレベルなら耐えれるはず。
とにかく今の状況を打破しなければ!
ラキリスの叫びに奥歯を噛み締め頷くアキラ。
範囲魔法をラキリスが放とうとしたその時
「ダイジョウブワタシタチガアキラヲマモル」
突然何かの声がラキリスとアキラの頭の中に響いた!
ズバンっ!!
アキラを巻き付けていた触手が切断されその場に倒れる。
な、何が起こっているの!?
急ぎ触手を振りほどき立ち上がるアキラ。
そのアキラの周りに先程の光、精霊達が集まって来た!
渦状に集まる精霊達。
その数はどんどん増えて行き、アキラを中心に直径3メール程の光の球体になる!
肉塊達がその光球体に触手を伸ばすが、触れた瞬間に触手が崩壊していき、崩壊した触手はキラキラと上空に舞い上がり霧散してく。
その様子を唖然と見つめるラキリスがポツリと呟いた。
「精霊に愛されしアキラ……」
サタンも少し呆れ顔で
「まさかこれ程精霊に好かれていたとは! まさに精霊に愛されしアキラ、その2つ名に偽り無しだね〜」
そんな少し茶化す様な発言をしていたサタンを更に驚かす出来事が起こる!!
アキラを球状に包んでいた精霊の小さな光の一粒がアキラの胸の辺りに飛び込み身体の中に入って行った!
「えっ!」
驚くアキラ……精霊が自身の中に入ってきたのだ!
だが嫌な感じはしない……むしろ暖かく身体に力がみなぎっていく!
すると次々と精霊がアキラの胸元に飛び込んで行った!!
はたから見ているラキリスにはアキラが光の渦を吸収しているかのように映る。
どんどん球体が小さくなって行き、とうとう周りに居た精霊全てアキラの中に入って行った!
「ま、まさか……あの子達……アキラと融合したのか!?」
融合?
「サタン……融合って?」
サタンに質問しようとしたしたその時、肉塊の触手が一斉にアキラに遅い掛かる!!
「ヤバイ!」
ラキリスは魔法弾を放とうとするが……アキラに触手が触れた瞬間、先程と同じ様に触手が崩壊して行く!
よく見るとアキラの身体から黄金に輝くオーラが!
アキラは此方に振り向くと
「サタン……この肉塊の正体が分かったわ……これは……この世界に元々居た生物の集合体! 何があったのか分からないけど、ただただ周りにいる生物を取り込むだけの存在……そこに意思や思考はない。ただ……聞こえたのよ……助けてって。そして……浄化された際にも聞こえたわ……ありがとうって!」
アキラは涙を流していた……
なんて切ない生物……
アキラは大剣を構える。
「サタン……アンタ色々知ってるんでしょ! この子達を浄化したらアンタを吊し上げてでも吐かせてやる!!」
首をすくめるサタン……
ドンっ!!
アキラが地面を蹴る音が響く……その音だけを残しアキラの姿が消えた!!
次の瞬間肉塊から血柱が上がり消滅して行く!
恐らくアキラが攻撃をしているのであろうがラキリスの目では追えない。
ほんの数秒……数秒であれ程苦戦した14体全ての肉塊が消滅! 14体分のキラキラとした粒子が上空に舞い上がる。
アキラにだけ聞こえる小さな声……
あ……り……が……と……
舞い上がる粒子を涙を流し見つめるアキラ。
こんなの間違っている!
何がどうなってこんな悲しい事になっているのか分からないけど……
この私がこの世界を変える!
変えれる力を手に入れたから!!
アキラはそっと胸に手を当てると
「アリガト……ボクタチノイシハキミニウケツガレタ……コノセカイヲ……スクッテ……」
アキラの中で声がし、その声はどんどん小さくなり……やがて消えていった。
今この時から勇者アキラでは無い!
女神アキラ伝説が始まる。
ラキリスの恋の行方は……




