買い物
人気でなかったけど長編始めました
脂ぎった頭の男。
なぜこいつは私の前に立ちはだかるのだ?
私に背を向けている男に思わず問うた。
「なぜそこに立つ!?」
男はゆっくりと振り返ってこちらに向き直り、答えた。
「なぜって……信号、赤じゃん」
男のカウンターが炸裂……いやその前に私が防御魔法を発動する。
「ですよねーっ」相手の反論を風っぽい壁が受け流してくれる。
お陰でダメージはゼロだ。
男は私を見下したように見ている。だが────
「チャック空いてるぞ」私は男に混乱系魔法で反撃するとその場を立ち去った。華麗な勝利だ。
交差点前。歩道には人が川のように流れている。私もその流れの中にいた。
向かうのは本屋、つまり魔道書屋だ。
魔力を回復する魔道書を入手するために行くのだ。
後2歩くらいで魔導書屋に────
魔導書屋に到着した。透明な仕掛け扉が開き迎え入れてくれる。
入り口脇に目的のものがある。
私の視線の先にあるのは。
『少年シャガミ』。
そう、魔力の回復と言えば漫画の書なのである。
私はその隣にある『おふざけチンパ』を一冊手に取ると、カウンターに乗せる。これが目的のブツだ。
支払いを済ませると、店員は「ありがとうございました」を私にかけてくれる。癒しと人間関係系の防御作用を併せ持つ魔法だ。
私は軽く頭を下げると店を出た。
出たその途端である。ドン、と若い男がぶつかってきた。男はふてくされたような顔でこちらを見ている。魔力全快の私に挑むとは良い度胸だ。
私は「あぁぁぁぁぁぁ?」と言いながら相手の顔面に頬擦りを2、3発食らわせる。
男は「何すんだよ」と怯んだ。
(今だ!)
私は相手に抱きつくと男の顔をぺろりと一舐めして「謝れよぉぉぉぉ」と叫ぶと顔を舐めまくってやった。
男は「わ、わかったよ」と言うと「すんません」と謝り足早に去っていった。
華麗な勝利だった。
「相変わらずだな」長身の男が私の片に手を置く。
「お前は……」