6話影丸VSマアメル
「それでは皆さん、次は一回戦第四試合を行います。」
アリアのコールが会場に響き渡り、選手のコールが行われる。
「まずはこの人数「それでは皆さん、次は一回戦第四試合を行います。」
アリアのコールが会場に響き渡り選手のコールが行われる。
「まずはこの人、数多くの鬼がいるなか実力で幹部へと成り上がった幹部随一の努力家、影丸様‼」
アリアがコールすると歓声が再びまき起こる。その声はおもに女性と暗部の部下達がほとんどである。影丸は唯一俺の選抜ではなく自力(自力育成)で幹部に成り上がったことでの部下達の憧れになっていた。
「続きまして、その愛くるしい姿からは想像もできない戦闘力。妹にしたい幹部堂々のナンバーワン、四天王マアメル様‼」
(おいこら待て。何だそのアンケートは。いつ実施した、そして誰が投票した。)俺がそんなことを考えているうちにマアメルが出てきた。
「それではヤマト様お願いします。」
「始め‼」
戦闘が始まった瞬間、マアメルが影丸の腰にささっている封魔の新月刀に気づいた。
「あれ~?丸ちゃん、丸ちゃんって二刀流だったけ~?それにその刀~なっちゃんの~刀だよね~本当に~仲が良いよね~二人は。」
「はい、お陰さまで。[影分身]」
影丸が10人ほどに増えてマアメルに斬りかかるが
「まだまだ。甘いよ~丸ちゃん。」
マアメルが尻尾を5本出し、すべてを凪ぎ払った。それをモニターで見ていた刹那が鎧兜のしたで(影丸が10人しゅごい。)とよだれを垂らしていたが誰も気づかなかった。
「まあ、マアメル様からすればこの程度子供騙しに過ぎませんよね。あ、マアメル様は子供でいらっしゃいましたね。申し訳ございません。」
なぜか影丸がマアメルを煽っている。
「丸ちゃん死にたいの~?それなら殺して~あ~げ~る[全属性の尾]」
全ての属性の攻撃が影丸へと炸裂し試合場が砂埃で包まれる。
「マアメル様の凄まじい攻撃!!影丸様ここでダウンか?」
そうアリアがコールをかけると砂埃が晴れていった。そこには大量の糸のようなもので捕縛されたマアメルと影に包まれた影丸がいた。
「まさか~捕縛されるなんて~思わなかったよ~」
「マアメル様、貴女は確かに戦闘中に細かくまわりを確認できていて隙など微塵もありません。ですが貴女には怒るとまわりが見えなくなってしまうという欠点があります。なのでそこをつかせて頂きました。まあこの技の名前は、[影糸捕縛《と影着]とでも言いましょうか。」
(的確かつ冷静な判断だ、流石カガミの部下というところか。さてここからマアメルがどお動くかが問題だろう。)
「じゃあ~私も~力を~開放~」
マアメルの纏う雰囲気が変わり影丸の糸を全て引きちぎった。
「凄まじいオーラですね。僕の五感が貴女は危険だと言っています。ですが僕は負けるわけにはいかないんですよ。あの娘との約束がありますから。行きますよ。」
そう言うと影丸が自分の刀である影月を鞘から抜き「[影纏い]」影月に影を纏わせる。
「行きます。[影分身]そして[影斬]」
本体の影丸と分身した影丸が全員でマアメルに斬りかかる。
「甘いよ~丸ちゃん![全属性の尾]」
またもすべてを凪ぎ払われた、よう見えたが
「僕が同じ技を2度も意味なく使うとでも?甘いのは貴女ですよマアメル様。」
[影潜り]でマアメルの後ろについた影丸本体がマアメルの尻尾を全て切り落として言った。それはもはや勝利したようにしか見えなかった。だがその瞬間、マアメルの放つオーラが凍てつくよう冷たく鋭いプレッシャーに替わった。
「すごいよ丸ちゃん。私の~この姿を~倒したのは~この世界に~来て丸ちゃんが~始めてだよ。だから私も~今から本気だよ‼」
切り落とされた尻尾が修復されさらにもう4本の尻尾が生えてくる。(マアメルのやつ楽しそうだな。マアメルの尻尾が5本の状態を[五尾]とでも名付けるとしてこの状態はさしづめ[九尾]というところか。)
「これは絶望的な実力差がありますね。それでも僕は約束を果たしますよ‼[影分身][影糸捕縛][影斬]」
影丸の半分が[影糸捕縛]を使いもう半分が本体と[影斬]をくりだすが。
「咲き誇れ[氷花]」
影丸の分身を全て消し去る氷の花が試合場に咲き誇った。
「一撃でこの威力ですか。普段の僕ならこんな戦いしないんですけど.今回は約束がありますからね。暴走必死で行きますよ。[暴影]」
物凄い量の影が影丸を呑み込んだ。(ヤバイいんじゃないか。)
「カガミ!!」
「ヤマト様およびでございますか。」
「影丸のあれは、大丈夫なのか?」
「大丈夫でございますよ。あれほどで呑み込まれるようなら暗部を任していませんよ。」
「そうか、そうだなお前が認めた男だもんな。ありがとう次も頑張れよ。」
「御身に激励の言葉わいただけるなどこのカガミ感無量でございます。このカガミこの命に代えても優勝いたします。」
「おお、そうか。」
「ヤマト様最後に1つよろしいですか。」
「何だ?」
「ゴミどもがここに向かってきているようなのですが、いかがいたしますか?」
「どこの国だ?」
「恐らく魔王国の1つサロメスかと、あそこの従者が交信することを見ていたものがおりますゆえに。」
「カガミ対応を任せて良いか?あくまで丁重にな。攻撃してくれば話は別だが。」
「かしこまりました。では」
カガミはパチンッと指を鳴らし何処かに消えた。
そのころ、影丸は自分の[影]に呑み込まれようとしていた。
「僕は飲み込まれない‼暴走などしない‼」影丸が[影]の中で叫ぶが
(勝ちたいんだろ。倒したいんだろ。それならこの力を使えよ。)
「僕は支配されない。僕は戦う。」
(何のために?)
「理由?理由は、理由は...ない..思い..だせ..思い出せない。何も自分の名前も何のために戦うのかも。僕は何なんだ何のために戦うんだ?何で目の前の力を拒んでいるんだ?手を伸ばせば届くのに。手を、伸ばせば。」
(そうだ俺を使え、そして俺がお前となり次はお前が俺になるんだ。)
その瞬間影が晴れた。
「や~と出てきた?君は~だ~れ」
出てきたのは、影丸ではなく[影]の方だった。
「初めての外だ!暴れさせて貰うぞ‼暴影術[影龍]」
影丸?の影が龍の姿となってマアメルを襲う。
「不味いな~これ[氷盾]」
マアメルが氷の盾で防ごうとする。
「甘いんだよ‼」
既にマアメルの後ろについついていた影丸?に斬られそうになるがマアメルはそれを尻尾で弾いた。
「尻尾かおもしれぇ!やってみるか[影尾]‼」
影丸?の影がマアメルの尻尾のように9本に分かれ攻撃をする。
「真似しないでよ~」
それをマアメルは尻尾が相殺する。
(僕は誰だ。何のために。もう良い)
[影]の中にいる影丸が全てを諦めようとしたとき、腰の刀が光る。
(封魔の新月刀?刹那?刹那...刹那!!僕が何のために戦うか。そうだ刹那のために、好きな人《刹那》のために戦う。僕は、影丸だ‼)
「惚れた女のために戦うか、おもしれぇな。しゃあねえ、俺は影に戻るか」
そう言って[影]が影に戻る。
「や~と戻って来たね~丸ちゃん」
「お陰さまでね。僕が何のために戦うかわかったよ。」
「今、最高の~笑顔だよ丸ちゃん」
「僕には、プライドがあった。本当にしょうもないプライドがあった。だけどそれを今壊しました」
それを見ていた刹那は強く願った(この人の隣で戦いたい)と。
「それが君の願いだね、じゃあ叶えない訳にはいかないな。使わせて貰うよ封魔の新月刀を」
影丸は影月を鞘に戻し封魔の新月刀を抜いた。
「良いね~じゃあ私もいっくよ~」
二人は本気でぶつかりあった、そして決着がついた。笑顔のマアメルに試合場に大の字に倒れる影丸。
「一回戦第四試合勝者はマアメル様!!」
会場に歓声がまき起こり、影丸が救護班に運ばれていたところを刹那が止めて連れ去ったとか。可愛そうに。
続く
なんか影丸がどんどん主人公化してきてて、刹那がどんどん残念な人になってしまってる気がする。
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