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自己を支えているもの  作者: hahiruro
3/6

第3話

「ふぁ・・・。」

どれくらい眠っていただろうか。目を覚ましても周りの景色は寝る前と変わっていなかった。

「夢・・・。じゃなかったか。」

ここまで独りだと寂しくなる。ここに来る前はあれだけ独りになりたがっていたのに。周りの友達とか家族とか色んな人と関わることに疲れて、それぞれに対して違う自分がいるのに違和感を覚えて。本当の自分は一人だと思って、どの人と接している自分が本当の自分なのか探して。探して。この人と接している自分が本物だとも思うし、他の人と接しているときの自分が本当の自分だとも思う。段々と分からなくなってきてそこには本当の自分はいないんじゃないかなんて思いだして、最後には本当の自分の居場所は自分の中にしかないと思って、独りを望んだ。望んでいたのに本当になってみると苦しいものだな。部屋に閉じこもって一人になっても、自分から部屋の扉を開け、外に出ればそこにはいつもの日常がある。その日常に支えられていた。ここにはその日常がない。

―お前は誰だ―

あぁ、僕は何者なんだろう。どうすれば証明できる。少し自分の特徴を考えてみよう。

身長を最後に測ったのは、学校の健康診断で176センチだった。体重は60キロ。体形は太くもなく痩せてるわけでもない。普通だ。体形にこれといって特徴がない。この普通っていうのも、誰と比べて普通なんだ?僕みたいな体形の人が世界で過半数を超えていれば、それが普通になるのだろうか。身長の大きいや小さいも体重の重いや軽いも誰と比べてたんだろう。僕の友達で身長が高いと言われてた人も、海外で身長が高い人が沢山いるところに行けば、背が高いと言われないように、背の高さを証明するには背が低い人がいないといけない。僕は自分の体形で存在を証明することを諦めた。



―お前は誰だ―

体形の他に僕は何をもって自分を証明できるだろう。そういえば、僕は生まれた時から腰の部分にやけどのようなあざがある。小さいころにこのあざを友達に心配されたことがあった。痛そうだね。痛みは全くなかったが、何かの病気かもしれないと心配になって、お母さんに相談した。お母さんは、それは他の子と間違えないように神様がつけてくれた目印だと言っていた。今ではそれが僕をなだめるための言葉だったということが分かる。このしるしが僕の証明になるかもしれない。僕は着ているシャツの腰の部分をまくり上げ、

「これが僕だけのしるしだ。」

と言った。少し待ったが目の前の景色が変わることはなかった。他の人と間違えないように神様がつけてくれたこのしるしもここでは僕の証明にはならないみたいだ。


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