天野達也 36歳 童貞
…ん
…さん
まのさん!!
「天野さん!!!」
大家さん「今日という今日は本当に出て行ってもらいますからね!!」
天野「ん、んえ?大家さん…」
天野「ちょっと!それには手を出さないで!!あぁ!!それ捨てないで!!」
大家さん「もー、一生ここに帰ってこないで下さいね!」
バタン
俺は天野達也。
国にも、親にも、バイト先からも見放され、
この春からホームレス一年生の36歳。
4ヶ月前にバイト先をクビになり、しばらくは雀の涙ほどの貯金でなんとか暮らしていたが、家に居ると光熱費と電気代がかかるからか、3ヶ月で貯金が0になった。
現在の所持金、
368円…
さんびゃくろくじゅうはちえん、かぁ
ひらがなにしても現実は変わらない。
死ぬ前に、卒業したい 童貞を
達也、心の俳句。
はは…俺、何やってんだろ。
?「お久しぶりです、先輩!」
天野「?」
入間「いやいや。僕ですよ僕。覚えてますか?入間です。入間津。」
天野「あーー、イルマシーンか。気付かなかったわ。」
入間「そのあだ名覚えてたんですね。今暇ですか?」
天野「今暇というか…今の所永遠に暇?みたいな感じだわ。」
入間「え、なんかあったんですか?」
天野「まーシンプルに言うとホームレスになったって感じだわ。」
入間「マジですかー。んー、しばらく僕の家に住んでもいいですよ?ご飯も出しますし。」
天野「お前が神か」
入間「はは、じゃあ行きますか」
神は居たのか…いや、ホームレスになった時点で神は居ないな。
俺入間に何かよくしてやったっけ…
そんな覚えは無いんだが…
まあ、入間がいい奴だったって事かな。
俺と入間はたわいも無い話をしながら入間の家に向かった。