表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

家庭科室

「よくもまあ、みんな外であんな騒がしくできるよね」


 家庭科室で紅茶を楽しんでいた直樹が、口元に笑みを浮かべて呟いた。中庭や校庭の喧噪が遠くに聞こえてくる。

 桜色のモンブランを食べていた瑠美がクスクスと笑い声をあげる。

 

「いやぁ、馬鹿騒ぎってのもたまにはいいんじゃないですかぁ?」


「じゃあ瑠美いってきたら?」


「冗談やめてくださいよぉ☆ こんなオイシイ場所離れるわけないじゃないですかぁ☆」


「僕も離れる気はないね。風もないしうるさくもないし桜も見られるし」


 直樹が紅茶のカップをすこし高めに掲げると、横に立っていた神前がカップを受け取った。

 

「失礼致します」


 頭を下げた神前が紅茶をそそぎ、カップを直樹に渡す。それから彼は瑠美の皿が空になったのを確認し、彼女の目の前にあるチーズケーキを皿に取り分けた。

 

 もうすぐ太陽の光はオレンジ色に変わるだろう。

 外では花吹雪が舞っている。

 

 そろそろ宴も終るだろう。

 

 直樹と瑠美はいつもどおり紅茶と洋菓子を楽しんで、外の喧噪とは無関係に穏やかな時間を楽しんだ後――クスクスと、小さく静かな笑い声を漏らしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ