第3話
水島雪。学校一の問題児だといわれてる。。何故アイツがそう呼ばれるかと言うと、それはアイツの容姿にもあるのかもしれない。アイツは、本当に綺麗な赤茶色の髪の毛で、金色に近い色の瞳を持っている。そして、形の良い顔のパーツが綺麗に小さなアイツの顔ににおさまっているのだ。最初にアイツを見たのは、確か入学式だった気がする。
すでに式が始まり、残り時間もわずかという処でアイツは遅れてやって来たのだ。送れて来たアイツを見た女子生徒や女教師たちの大半は一瞬にしてアイツに恋をしたらしい・・・だが、私は違った。遅れて来たにも関わらず、制服を着崩し、目立つ髪をワックスで程よく立たせ、生意気そうな顔をして体育館に入って来たアイツの態度が私は無償に気に食わなかった。一方的な私からの感情なのだがコイツとは絶対に合わないと思った瞬間だった。そして、入学して次の日からアイツの噂を良く聞くようになった。それは全部、あまり良いとは言えるようなものでは無かったのだが、何故かアイツの周りにはいつも多くの人がいて華やかな場所には必ずアイツがいた。
そんなアイツと同じクラスになってしまった私は、友達の舞と一緒に途中まで教室に向かった。教室に近づくにつれて意外にも早く学校に来ている人達が私達と同様に結構いたようで人の騒がしい声が聞こえてきた。舞とは私のクラスの前で別れて一人で教室の扉を開けた。すると、高校一年生だった時のクラスメートであった後藤亮とその友達らしい何人かが私に気づき声をかけてきた。
「おっ!近藤じゃん。また同じクラスだけどよろしくな〜」
「笑)亮ちゃん変わんないないね〜。あたしもよろしくね」
亮ちゃんとは結構仲が良くて、よく話もしている。それに亮ちゃんは、数少ない私をあだ名で呼ばない友達なのだ。前に何故あだ名で呼ばないのかと聞いたら、
『せっかく名前があるんだから名前で呼ばなきゃなんか可愛そうかな〜って思ったんだよね(笑』
と、はにかみながら私にそう言ってきた。亮ちゃんは、高校三年生の男子にしては、背も小さく声も若干まだ高い、それに女顔だ。よく女子生徒に髪の毛とかを結んでもらっているみたいだで今日も前髪をカラフルなピンで留めている。
「亮ちゃん、今日もなんか可愛いね」
「近藤〜可愛い言わないでよ。今度からカッコイイとか素敵!とか惚れる!って言って〜(笑」
「はいはい。」
と、何気ない会話をしていてふと気になり話題をきりだした。
「亮ちゃんの席ってどこ?」
「うん?俺?俺は一番前の一番端の廊下がわの席・・・背っちこいから前なんだ(泣。近藤確か窓
際だったよ。」
「本当!ならちょっと見てくる」
そう言って彼のそばを離れ黒板に張り出されている座席表を見ると窓際の後ろから二番目の席だった。((やった!じゃあ隣は・・))
自分の名前の隣を見ようと視線をずらそうとした時
ガラ!! 教室に誰かが入ってきて自然と扉の方をみると亮ちゃんに八重歯をみせ仲良さそうに笑い、挨拶を交わすアイツが目に入った。驚いて二人を見ていると、そんな私に気がついたのか亮ちゃんが私を紹介し始めた。
「ユキ!あの子俺の友達の近藤沙希ちゃん♪仲良くしてね」
とニコニコ笑いながら亮ちゃんは満足そうに私を見てきた。すると亮ちゃんの隣にいるアイツが私を見る。一瞬で嫌な汗をかき出すわたし・・・
「あっ!俺この子しってるわ。確かコンって呼ばれてるやろ?俺のことはユキって呼んでな(笑」
というとアイツは笑いかけてきた。((うわ・・・・))
「あ・・はい。」
とそっけなく返事を返し二人を避けるため再び視線を黒板に戻すと、亮ちゃんの声が耳に入って嫌でも来た。
「近藤〜そっけなさ過ぎですよ〜(笑。まぁ、席となり同士だから仲良くな♪」
そう、視線を再び戻した私の目に映ったのはアイツの名前が私の名前と並んで載っている信じられない映像だった。
「あっ!そうなん?じゃあヨロシクなぁ〜」
アイツの声がムカツクほどよく私の頭の中で響いた。。。