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真剣な話には笑いがつきもの 最終話

「なのちゃん、ありがとうなのだー。サキ、この写真を大切にするー」


「なんでしたらー、引き伸ばしてポスターにもできますよー」


「にゃんと!? それならポスターも──」


「って、人が見てないと思って、二人は何をしてるんですかっ」


「だってー、可愛いものは、みんなで共有しないとねー。ほら、SNSにはアップしないから、これくらい許しては──」


「ダメに決まってますっ」


「それなら、ツンデレ会長の暴力という見出しで、記事にするしかないようね」


「そ、それはもっとダメですぅぅぅぅぅぅ」


 もう、油断も隙もあったもんじゃないよ。


 それにしても、葵ちゃんが静かなのが気になるかな。


 いつもなら、真っ先に飛びつくはずなのに……。

「葵ちゃん、まさかとは思うけど、さっきの写真なんて撮ってないよねっ?」


「安心して、ボクは写真なんて撮ってないよ」


「そっか、変なこと聞いてごめんね」


「ううん、気にしないでいいよ。そのかわり、ボクと結婚してくれれば──」


「それはできないからっ」


 少し心配しすぎかな。


 もう少し人を信じる気持ちを持たないとねっ。


「それで、朱音先輩、不適切な学園の処罰って、具体的どうするんですかー?」


「そんなこと決まってるよっ。もちろん、クビですっ」


「大胆な改革ですねー。でも、私はその考えを支持しますよー」


「ボクだって、会長のためなら、教師を敵に回す覚悟はあるよ」


「サキもー、この学園をより良くするために必要だと思うのだー」


「ふむ、ツンデレ嫌いな私でも、こればかりはツンデレ会長を認めざるを得ませんね。そんな発想ができるとは思ってもみませんでした。だからといって、嫌いなことに変わりはありませんけど」


 これで全員──ではないですね、管君をまた忘れてました。まぁ、過半数を超えてるから、今さら反対しても意味などありませんけどね。


「わかりましたよ、西園寺会長。僕も賛成しますよ。確かに西園寺会長が言うように、教師という立場の悪用は防ぎたいですからね」


「べ、別に、ひとり反対したところで、これを校則に入れるのは決まったのよっ。だから、ゴネてないでさっさと議事録に書きなさいよっ、このリアコン王子」


「僕は賛成するって言ったじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁ」


「あっ……。いつものクセでつい、ね? ごめんなさいっ」


 これで復讐の舞台は整いました。


 あとは明日の就任演説でファンファーレを鳴らすだけ。


 ふふふふ、今から楽しみで仕方ありませんね。


 こうして、復讐の準備が万全となり、私は心の中で微笑みを浮かべた。だって、溜め込んだ怒りを解放できる喜びと、あの三人を地獄に落とせる嬉しさ、このふたつが私の心を支配していたのだから。

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