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無能として家から追放されると決めた転生者の俺は、モフモフたちと一緒に第三の人生をエンジョイする  作者: トミ井ミト(旧PN:十味飯 八甘)
0000 1101[第13章]アガ塔よいとこ、一度はおいで

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0229話 聖母クミン

 栗鼠種(りすしゅ)の少女ラベンダーは、タクトが出ていった扉を唖然と見つめる。怒涛の展開に、疲弊した心がついて行けない。ただ一つだけわかるのは、我が子を救うため何かが始まること。そして眼の前にいる若い上人(じょうじん)を、泣かせてしまったことだけ。



「あの……不愉快な思いをさせてしまい、申し訳ございません」


「こっちこそ、泣いちゃってごめんね」


「いえ、私が悪いんです。もうどうしていいのか判らなくて、頭の中がグチャグチャになって、それであんな……こ、こ、こ……こと……を」



 感情の乱れが発作を起こし、ラベンダーの息づかいが荒くなっていく。再び取り乱してしまいそうな気配を感じ、クミンはそっとラベンダーを抱きしめた。そしてさっきタクトがやってくれたように、頭と背中を優しく撫でる。



「大丈夫だよ。私に合わせて、ゆっくり息を吐いたり吸ったりするの。そうすれば落ち着いてくるから」



 クミンは闘病中に教わった知識を駆使しながら、ラベンダーの呼吸が整うのをじっと待つ。不安や焦り、後悔や懺悔(ざんげ)、そんな色に染まっていたラベンダーの心が、徐々に澄み渡っていく。それと同時に、不思議な感覚が流れ込む。


 それはまるで母の胸に抱かれているようだと……


 自分より幼い少女なのに、どうしてそんな気持ちになってしまうのか。今のラベンダーにはわからない。



「あっ、あの。もう大丈夫ですから」



 このまま胸の中で眠ってしまえたら、どれだけ安らげるのだろう。しかし相手は上人だ。従人(じゅうじん)の自分が、そこまで甘えるなんてダメ。すがりつく誘惑をなんとか振り切り、もう平気だとクミンに告げる。



「そう……良かった」



 優しい拘束を解いたクミンが腕を伸ばし、ラベンダーの頭に手を置く。そして聖母のような笑みを浮かべた。



「(……!? ///)」



 これにラベンダーは耐えられなかった。急激に上がる心拍数。自分の意志とは関係なく、上気してしまう顔。生まれて初めての感覚に、お腹の奥が熱を持つ。この気持ちは一体なに。もしかして、病気になってしまったの?



「お願いがあるんだけど、いいかな?」


「ひゃっ……ひゃい。なんれしょうか」


「この子を抱っこしたら、ダメ?」


「問題……ありまひぇん!」



 上ずってしまった返答を気にすることもなく、クミンは全身が毛だらけの子供を撫でる。愛おしそうに持ち上げ、(ひたい)へ口づけしたあと、まだ座っていない首を支えながら横に抱く。


 今の行動を見て、ラベンダーは驚いてしまう。この子が生まれたとき、助産師だった上人が悲鳴を上げて卒倒。手伝っていた従人も、全員が触れることを拒む呪われた子。それをクミンは躊躇なく抱きしめ、あまつさえキスまでしたのだ。


 母親である自分もできなかったことを、眼の前にいる少女は事もなげにやってのけた。



「もう少しだけ頑張ってね。きっとタクトさんが、あなたのことを助けてくれる」


「タクト様というのは、先程いた男性ですか?」


「うん、そうだよ。ちょっと見た目が怖かったでしょ」


「えっと……正直に言いますと、少し」


「あんな感じの人だけど、従人や野人(やじん)にはすごく優しいんだよ。だから希望を捨てずに待っていて。タクトさんなら絶対になんとかしてくれるから」


「信頼しているのですね」


「うん。だってあの人と出会えなければ、私はここにいなかったもん」



 クミンはポケットから塗り薬を取り出し、自分が病気であることをラベンダーに話す。そして現時点では根治(こんち)できないこと。幾度となく命の危機にさらされ、どんなに苦しいときでも励まし続けてくれた両親を失い、姉に迷惑をかけてきたことを打ち明ける。


 それを聞いたラベンダーは、クミンから言われた言葉の重みを胸に刻む。あれは上辺だけの軽い発言ではない。彼女自身が経験してきた切実な想いなのだと。



「クミン様がそんなに大変な人生を歩んできたなんて……」


「ラベンダーも運命なんかに負けちゃダメ。希望を捨てなかったら、必ず救われるんだよ」


「わかりました、クミン様。この子の母親として、最後まで諦めたりしません」


「きっとみんなが助けてくれる。私も応援するから、一緒に頑張ろ」



 クミンとラベンダーが、固く握手を交わす。


 支配人のローゼル、そして契約の準備が整ったルーとレモングラスは、ベッドの上で心通わせ合う二人を、扉の近くでそっと見守っていた。



「君たちの契約主は、こんな上人だよ」


「裕福な家の出身じゃなかったんですね」


「正直、成人したての子供だと思って、侮っていました。この人になら、自分のすべてを掛けて、お仕えできます」


「コーサカ家の当主であるタクト君も、従人のために全てを投げ出せるほどの人格者だ。最初は戸惑うことも多いと思うが、君たちならすぐに馴染めるだろう。これまで学んできたことを存分に活かし、彼らのために尽くしてくれたまえ」


「「はいっ」」



 今のロブスター商会に足りなかったものを見せつけられたローゼルは、聖母のような優しい心根を持つクミンに感謝する。


 もしタクトの力で、幼い命(リコリス)が救われたなら。そしてラベンダー本人がそれを望み、タクトとクミンが受け入れると言ってくれれば、この母娘をコーサカ家に預けよう。そんな決断をしたローゼルは、陶酔の眼差しでクミンを見つめるルーとレモングラスを残し、静かに部屋から出ていくのだった。




――…‥・‥…―――…‥・‥…――




 今日のカリキュラムが終わり、ニームは教科書やノートをカバンに詰め、腰につけた新品のマジックバッグに収納する。席から立とうとしたとき、数名のクラスメイトが近寄ってきた。



「ねえねえ。クミンちゃんが就職するって聞いたんだけど、なにか知らない?」


「コーサカ家の使用人になると決めてくれたので、今日から住み込みで働くことになりました」



 教室の中が一気にざわつく。そして一部(ロリコン)の男子生徒は地団駄を踏む。ニームといいクミンといい、どうしてタクトの周りには魅力的な女の子ばかり集まるのか。先日、学園内を一緒に歩いていたのも、眼を見張るような超絶美少女だったというのに。ズルい、ズルすぎるぞ!



「私の家に来てほしかったのですが、残念です」


「私も、私も! あんないい子、滅多にいないもんね」


「うちの組合も誘ったんだけど、振られちゃった」


「うわー。デュラムセモリナでもダメだったのかぁ……」



 ベニバナの言葉を聞き、クミンを狙っていた資産家の娘たちが肩を落とす。デュラムセモリナ穀物生産卸売協同組合は、ワカイネトコで最も労働条件が良い就職場所だ。そこを蹴ってコーサカ家を選ぶのだから、自分たちに勝ち目はないと。


 だが彼女たちは知らない。クミンがタクトの料理に釣られたことを。



「お母さんたちが話してるのを聞いたんだけど、あの大きな木があるお屋敷だよね」


「はい。住宅区の東側にあるのが、コーサカ家の屋敷です」


「ニームさんもそこで暮らすの?」


「退寮の手続きは終わりましたので、今日中に引っ越す予定です」



 聞き耳を立てていた数名の男子生徒が、次々と床に崩れ落ちる。家名が変わったとしても、ニームはまだ学生。一緒の敷地で生活していれば、ワンチャンあるのではないかと希望を捨てられずいた。


 しかし年頃の男女が同棲するとなれば話は別。なにかの拍子に着替えを見られたり、入浴中に乱入されるかもしれない。むしろラッキースケベこそ我が人生。偶然という名の摂理を信じている男子生徒たちは、唇を噛み締めながら血の涙を流す。


 そんな姿を見た女生徒たちから、哀れみの視線が降り注ぐ。



「荷物とか大丈夫? よかったら手伝うよ」


「ありがとうございます。せっかくのご厚意は嬉しいのですが、ご心配には及びません。兄さんから頂いたこれで、運ぼうと思っていますので」


「それ、一昨日までお持ちじゃなかったですよね。もしかしてマジックバッグですか?」


「ええ、そうです」


「オリジナルのデザインなんて、凄いですわね。どこの商品か教えていただいても?」


「えっと、底に工房のマークが……」


「「「おぉー」」」



 ニームがマジックバッグ刻印を見せると、生徒たちの間にどよめきが広がる。刻まれている意匠は、アインパエにある工房のもの。高級ブランドではないが、誰でも知っている老舗の一つ。しかもオリジナルデザインの一点物だ。



「やはりあの噂は事実だったと……」


「コーサカ室長が皇帝の血を引いてるってやつ?」


「この工房がオーダーメイドを受けるのは、特定の家に名を連ねる者だけなんだとか。その一つがアインパエ帝国の皇族だったと記憶しています」


「実際のところどうなの? 教えてよ、ニームさん」



 公的な書類に名前を載せた以上、隠し通す気はないと兄は言っていた。何よりコーサカ邸は、皇帝やその関係者がフラッと遊びに来るような場所。バレてしまうのも時間の問題だろう。それに変な噂が独り歩きしたりすると、厄介ごとが増える。



皇族譜(こうぞくふ)に名前を残してきたと言っていましたよ。皇位継承権はありませんけどね」


「ダエモン教とも繋がりを持ったと聞きますし、コーサカ室長の人脈は少し恐ろしいです。機嫌を損ねたりすると、様々な組織から狙われそうで……」


「そんな人と一緒に暮らすなんて、ニームさんは怖くない?」



 いい質問だ!

 雌伏(しふく)の時を過ごしていた男子生徒たちが色めき立つ。女のレア従人ばかりを周囲に(はべ)らせ、学園の人気者を独り占めしている。しかも簡単に人を刺しそうな、あの目つき。夜になると輪をかけて凶悪な性格になり、オラオラ言いながらベッドヤクザと化すに違いない。そうして夜な夜な女性を泣かせているんだろう。妄想の翼を雄大に広げながら、息を殺して答えを待った。



「まあ身内には優しい人ですから平気ですよ。なんだかんだで自分の従人たちや、屋敷で働く使用人からも慕われてますし。そもそも悪意なんてあったら、霊獣が懐いたりしませんので」


「そりゃそうか。特注のマジックバッグを贈るなんて、愛がなかったら出来ないもん」


「あのようなご身内がいたら、殿方の理想も高くなってしまいそうです」


「もしかしてニームさんも?」


「そうですね。兄さん以上の人じゃないと、興味を持てそうにありません」



 多くの著名人や名士と交流があり、学園長ですら一目置くほど。そして論文の発表や新技術の開発で、学会にも多大な貢献をしている。ダエモン教から屋敷を与えられ、街の経済に寄与するほど羽振りがいい。しかも皇家の血筋というレアすぎる貴公子。そんな十六歳が他にいてたまるか!


 怨嗟(えんさ)に近い雄叫びを上げながら、男たちの気力を繋ぎ止めていた希望が、粉々に砕け散っていく。そして教室内にいくつも屍が積み上がるのであった。




――…‥・‥…―――…‥・‥…――




 ルーとレモングラスも近くに呼び、全員がベッドに座ってタクトの帰りを待つ。クミンに抱かれたリコリスは、ずっと眠ったままだ。呼吸も少し弱く、衰弱ぶりが手に取るようにわかる。


 つい最近までクミンが入っていた保養所(サナトリウム)には、新生児や幼い子供が運ばれてくることもあった。そんな子供たちがどうなったかなんて、自室にいたって判ってしまう。あんな悲しい出来事はもうたくさん。だから早く帰ってきて。


 そんなクミンの祈りが通じたのか、部屋にノックの音が響く。



『入っても大丈夫か?』


「タクトさん、すぐ来て!」



 部屋に入ってきたタクトの髪は少し乱れ、吐く息はかなり荒い。着替えと簡単な清浄だけで、ここまで来たからである。初めて余裕がない彼の姿を見たクミンは、少しだけ怖くなってしまう。そして恐る恐る問いかけた。



「この子を助けられそうな力は……?」


「九レベル上げてきたが、百十二(112)で〝標準化(STANDARD)〟というものを覚えた。これなら不足している一ビットを補えるはずだ」


「それで(むすめ)の姿が変わるのですか!?」



 様子を見に来たローゼルにも参加してもらい、タクトは自分のギフトやビットという仕組みについて語った。未知の概念を聞かされ、話の半分も理解できない。しかしいま重要なことは、幼い子供をあるべき姿へ戻し、命を繋ぐことができるか否かだ。



「すべての責は私が負う。ラベンダーとリコリスのことは、ロブスター商会が全面的にバックアップしよう。だからタクト君の力で、救いの道を示して欲しい」


「ローゼルさん一人に、責任を押し付けたりしない。力を行使すると決めるのは、俺自身なのだからな」


「私も力になれるよう頑張るよ。だから絶対に成功させてね」


「心配はいらぬぞ、クミンよ。主殿のギフトは従人たちが幸せを掴むために存在する。悠久の時を生きてきた龍族である、(われ)の存在意義すら変えてしまった力だ。安心して任せるがよい」



 スイの言葉を聞いたラベンダー、そしてルーとレモングラスは驚く。牛種(うししゅ)などとはまったく異なるツノ。そして上人(じょうじん)と同じ耳、皮で覆われたしっぽ。一体どんなレア種かと思っていたが、まさかおとぎ話に出てくるような種族だったとは……


 だが、そんな人物が太鼓判を押すのだ。きっと何もかもうまくいくに違いない。確信を得たラベンダーは、タクトに自分の子供を託す。



「お願いします、タクト様。大切な我が子をお救いください」


「わかった。任せておけ」



 ラベンダーからリコリスを預かり、自分の心音を聞かせるような姿勢で抱く。どうしてクミンとタクトは、ここまで愛おしそうに我が子を扱ってくれるのだろう。ラベンダーは感動のあまり視界が滲む。


 そしてタクトも、コハクを超えるモフモフを抱くことができ、感動に打ち震えていた。このままの姿で育てたい。しかしそんな欲求は一瞬で消え去る。自分の性癖を満足させる時間的余裕はないと、わかってしまったから。


 リコリスとパスを繋ぎ、身体全体を自分の魔力で包み込む。呼吸、体温、体の震え。小さな異変も見逃さないよう、いつも以上に繊細な魔力制御で、幼い体へ力を注ぐ。やがて何もなかった四ビット目に、数字のゼロが見え始めた。


 ギフトの力を強めるにつれ、数値が不透明へと変化する。



「もうすこしだ。頑張ってくれ」


「クキュゥー」



 タクトの言葉に反応するように、リコリスが小さな声を出す。それを聞いたタクトは、仕上げとばかりに魔力を開放。リコリスの体がビクリと震え、全身を覆っていた毛が消えていく。そして栗鼠種特有のクルリと丸まったしっぽ、ピンと立った小さな耳だけが残る従人の姿へ。



「もう大丈夫だぞ」


「おぎゃー、おぎゃー」


「あっ……あぁぁぁ……リコ…リス」


「良かったね。本当に……良かったね」



 これは産声かもしれない。タクトはそんなことを考えながら、リコリスをラベンダーに渡す。ギフトの発動を止めても、リコリスの数値は(0101)のまま。三ビットという異常が、標準化で修正されたのだ。


 子どもと一緒に泣きはらすラベンダーを、クミンが抱きしめる。そんな彼女の顔も涙でグシャグシャだった。見守っていたルーとレモングラスも、こぼれ落ちる涙をこらえきれない。



「これが論理演算師(ろんりえんざんし)という力なのか。ちょっと感動してしまったよ」


「平気か、主殿よ」


「ああ、すまん。思った以上に制御が難しくてな。ちょっとふらついただけだから、心配しなくてもいい」


「いま主殿に倒れられては困るぞ。我が支えてやるから、身を委ねてくれ」


「じゃあ、ちょっと肩を借りるとしよう」



 相手が乳幼児だったため、一滴一滴絞り出すような繊細さで、タクトは出力制御を行っている。そのお陰でリコリスの負担は最小限に抑えられ、産声を上げるように泣くことができた。


 支えられながら立つタクトだったが、すべてを出し切った満足感で心は晴れやか。心地よい疲労を感じながら、スイに体重を預けて一息つく。



「主殿に頼られるのは、心が満たされるものだな」


「いやはや。本当に君たちは仲がいいね。主従関係とはまったく違う絆で結ばれているのだと、その姿を見ればよくわかるよ」


「他人同士が夫婦になれるのと同じだ。種族が違っても、お互いを想い合うことは出来る」



 タクトたちがそんな話をしていたとき、ラベンダーが意を決したように立ち上がる。そしてローゼルの前に進み、深く頭を下げた。



「ローゼル様にお願いがあります」


「なにかな?」


「私はクミン様に救われました。薬なしでは生きられない体なら、普通は自分のことだけで精一杯なはず。そんな境遇にも関わらず、とても強くて慈愛に満ちた方です。私はこの人みたいになりたい、そしてクミン様を支えてあげたいんです。どうか恩返しするチャンスを頂けないでしょうか」


「その言葉を待っていたよ。君たち親子が幸せになれる場所は、コーサカ家しかないと思っている。だから二人の所有権を放棄しよう。今日からコーサカ家の一員として、クミンさんに仕えてくれたまえ。二人はそれで構わないかね?」



 話を振られたタクトとクミンは、顔を見合わせたあとにうなずく。


 タクトとしてはユーカリの二百六十(260)モフを超える、ラベンダーが持つ三百(300)モフのしっぽは捨てがたい。家で暮らしていれば三百四十(340)モフにまで跳ね上がるはず。もちろん娘のリコリスも将来有望。断る理由は皆無だ。


 そしてクミンも、完全に情が移っていた。まだ若い母親と幼い子供を、なんとか守れないだろうか。返すのに一生かかる借金をしてでも、タクトにお願いしてみよう。そんな決意をしてしまうほどに……


 なのでローゼルの提案は、渡りに船だったのである。



「もちろん歓迎するぞ」


「これからよろしくね、ラベンダー、リコリス」



 こうしてクミンにラベンダーとリコリスが譲渡され、正式に契約したルーとレモングラスの四人を連れて帰路につく。まるで姉妹のように暮らすクミンたちの姿は、アルカネットたちにも大きな影響を及ぼす。


 やがてコーサカ家の使用人たちは、ワカイネトコに新たな風を吹き込むのであった。


次回は第13章の最終話「0230話 大家族」をお送りします。

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