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転生アラサー警察官、王子殿下を守ります!  作者: 音威ジュン
第一章 暗殺編
3/85

3.エドワードのお茶会

2020.09.27. 冒頭の部分だけ一人称になっていると、ご指摘があり、修正しました。内容は変わっていませんので、よろしくお願いします。




 エドワード・アルスメリアはこのアルスメリア王国の第一王子だ。

 第一王子と言っても兄弟はいないので王子はエドワードしかいない。

 側近で親友のレイモンドとオスカーは幼なじみだ。レイモンドの妹のシルフィとは、エドワードが15歳になってすぐに婚約した。

 オスカーにはシルフィと同い年の双子の弟妹(ていまい)がいる。カールとエミリーで、エミリーはレイモンドの婚約者だ。


 エドワードはある時から笑うのをやめた。何事にも心を動かされることなく、何事にも動じないように。まわりの者にも常に(きび)しく接するようになった。

 昔から仲の良かったレイとオスカーにも同じように接したが、彼等はそれでもエドワードから離れることはなく、側でエドワードを支えてくれる。

 エドワードの本心や本質をわかってくれているので、エドワードも二人には心を許している。

 この二人以外はエドワードの厳しさや冷徹さに、恐れをなして距離を置いて接するようになった。


 エドワードはシルフィにも、婚約する前から距離を置いて接していたので、笑わないエドワードのことを怖がっているようだった。

 エドワードはシルフィが嫌いな訳ではない。いや、昔からシルフィのことは大好きで、とても大切に思っている。だが目つきの悪いエドワードとは目を合わせないし、自分から話しかけてくることもなかった。

 そんな風にエドワードを怖がっているので、エドワードから話しかけたり近づいたりするのも躊躇(ためら)われるのだった。


 あの日、せっかくレイとオスカーが、婚約者同士たまには二人で過ごすといいと言って、気を利かせてくれたのに、怖がっているシルフィを見ると、何を話せばいいのかわからなくなる。

 なのに、あまりにもシルフィが可愛くて目が離せない。

「君も来年は学園に入学だな、準備は進んでいるか?」

 そう話すと、消え入りそうな声で

「はい」

 とだけ答える。

 この(はかな)げな少女を守ってあげたい。エドワードは昔からそう思っていた。エドワードを怖がりながらも取り入ろうと(こび)を売る他の令嬢と違い、その後ろで控えめに(たたず)んでいる、そんな姿がとても愛らしかった。

「体調はいいのか? 君は身体が弱いから気をつけないといけないからな」

 エドワードの話す声や話し方が冷たく感じるのか、はたまたエドワードがシルフィを見つめるのが(にら)んでいるように見えるのか、彼女はビクっと体を(ふる)わせた。

「はい、大丈夫です」

 とまた消え入りそうな声で(うつむ)いて答える。

 結局ほとんど話もせずに、二人でお茶を飲んで過ごしただけになってしまったが、エドワードはシルフィと一緒に居るだけで満足だった。


 お茶会が終了し、部屋の外で待機しているであろうレイかオスカーがシルフィを送るものと思い、エドワードは一人部屋に残りシルフィの事を考えていた。

 そんな時に廊下から悲鳴が聞こえ、慌てて部屋から飛び出した。

 シルフィの姿は廊下には見当たらない。階段の方に走ると、階下にシルフィが倒れている。

 エドワードは自分の血の気が引いていくのを感じて息を飲んだ。

(いったい何が起こったのだ⁈)

「シルフィ‼︎」

 そう叫んでエドワードは階段を飛び降りるようにして、シルフィの側に駆け寄る。

「おい、しっかりしろ! 何があった?」

 そう呼びかけても返事はない。

 シルフィの顔に頬を近づけ、息のあるのを確認してホッと胸をなでおろしたが、意識を失っているので王宮の医務室に運ぼうと、抱き上げ歩き出したところで、レイとオスカーが駆けつけてきた。

 彼らはある人物から呼び出され、部屋の前を離れたのだと教えてくれた。

読んでいただいて、ありがとうございます。

更新が夜中から朝方になりつつあります。

朝起きれるかな…

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