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ガッシャン

立ち上がると後ろから何かが落ちる音がした。俺なんか持ってたかな?

振り返り足元を見ると、柄と鞘が真っ赤な刀が転がっていた。徐にに手を伸ばし刀を手に取ると、俺の頭の中をこの身体の記憶らしき物が走馬灯のように駆け巡っていった。

記憶によると俺の名前は椿と言うそうで狼の妖怪らしい。物心着いた頃には親がいなかったらしく、3,4歳頃に育ての親に拾われるも、その育ての親も俺が14,5歳の時に他界している。

今の年齢は24,5歳か…俺より年上じゃん俺は二十歳だったもん。

うんえっと…俺の生い立ちにそっくり過ぎじゃない!?俺も3,4歳頃に里親のとこ行って14,5歳の時また施設に戻ったよ!?まあでもいいか、生い立ち似てると話に嘘っぽさがなくなるから。

「ふ、ふ…ファックション!」

色々考えてて忘れてたけど雨降ってる上に薄着なんだった、うー、寒。どっかに雨宿りできる場所ないかな…。

周りをきょろきょろと見まわすが、雑木林しかなく雨宿りできそうな場所は無い。

木の下に言っても雨宿りにならなそうだし…、どうしたものかこれじゃあ転生して来たのに即野垂れ死にだ。い・や・だそんなの絶対嫌。認めない何としても生き残ってやる。

とは思って見たものの、考えただけで状況が変わる筈もなく。兎に角今は生存の事を考えないとな、俺の持ち物はこの刀一本だけ、然も刃零れだらけどんな使い方したらこんなになるんだ、教えてくれ。

!?

気配!?何で感じられるんだ…?前世じゃこういうのはからきしで良く驚かされてたのに…

ザッザッザッザ

足音…10m程遠くの方で男…か?が和傘を差し乍らこっちに歩いてくる…角!?鬼の類だな、青い着物に黒くて細めの帯。少し高めの下駄をはいてる、歳は26,7歳って所か。濃紺の傘…結構趣味良いな、っじゃなくて!

今まで誰も通らなかったのにあの人に助けてもらおう。

と思ったが思ったように足が動かない、何で?

「オイおまん!こんな所に傘もささずどうしたんじゃ!?風邪ひいてしまうぞ!」

俺が足の方を気にしていると、いつの間にここまで来たのか、さっき目にした男がこちらを覗き込んでいた。

「あっいえその…」

「なんじゃおまん家出か?」

家出っていうか、家出も何も家がない…。

「それなら俺の家に来んか?」

「貴方のお家にですか?ていうか心の中読んだ!?」

「声にでちょったぞ。」

マジか…じゃなくて!助けてほしいとは思ってたけど、お家にお邪魔することはできないな…

「そんな名前も知らない方のお家に挙げていただくなんて!」

「俺は蒼牙名乗ったき名前は知っとるな、これからすることは俺の勝手じゃ。」

蒼牙…さんはそれだけ言うと俺を俵担ぎにしてそそくさと歩いて行った。

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