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グサッ

まるで肉を抉るような音。

「キャァァァァ!」

耳を劈く様な女性の悲鳴。

よろよろと覚束無い足取りで俺から離れていく黒いパーカーを着た男。

次の瞬間俺の身体に今まで感じた事のない痛みが駆け巡った、腹部を見て見れば黒い柄のジャックナイフが突き刺さっている。

俺は痛みに耐えかね後ろに倒れ込む、幸い壁があったので凭れる事が出来た。

痛すぎて声も出ねェ、こういう時ってナイフ抜いちゃいけないんだっけか…。

誰か俺の事呼んでる?ごめんなァまともに聞えねェ、なんとなく視界もぼやけて…。

俺死ぬのかなァ…まあいいか無理して続けたい程良い人生でもなかったし。

寒いな、だけど傷口のあたりは以上に熱い。

ヤッベとうとう何にも聞えなくなった…、目も殆ど見えねェなァ。

赤いのが見える救急車かな…でももう無駄だと思うぜ。

この状態じゃあもう俺病院着く前に死んじまうんだろう。

体が動いてるな、担架にでも乗せられたか。

でも悪ィ俺もう駄目みてェだ。

俺は静かに意識を手放した

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