考える道具屋
所長からの尋問を終えて
牢屋に戻った私は、次に何をするべきかを考えていた。
漬物を使っていかに有利な状況を作っていくのか。
どうしていいかは道筋は全く分かってはいない。
この世界では何が正しい選択なのか不明だし、
生活習慣もまだまだ謎が多い。
それでも
何か行動してみる。
そう自分の心の中で強く思う事にした。
<やるかやらないか。それが重要なんだ。>
同時に古典の言葉を思い出す。
流石詩人だな。いい言葉だ。
言葉には、生命が宿っている。
その事を知らないわけではなかったが
危機的状況に陥って初めて気がつくものなのかもしれない。
そんな気がした。
その後暫く
漬物作戦を考えようとしていたが
妙案は何も浮かんではこなかった。
時間だけが静かに流れている。
「・・・・」
すると
作戦とは関係ない事が頭に浮かんでくる。
どうしても頭から離れない。
それは
仮に私が、道具屋として転生したとしたら
元の私は、どうなっているのだろうという素朴な疑問であった。
そこが気になってしょうがない。
自分の元の環境はどのように変化しているのだろうと。。
普通に考えると元の平凡な私に、こちらの世界の道具屋が転生していると
考えるのが自然だろう。
そうすると
凶悪犯罪者が現代社会に急に現れているのかもしれない。
うん、確かにそうだ。。
そう考えると居ても立ってもいられなくなってくる。
なんてことだ!!!
背筋が凍るとはこの事だろう。
万が一元の世界に戻れたとしても
またまた犯罪者で、しかも処刑三日前とかやめてくれよ。。。
今度は本当に。。。
笑えないブラックジョークだ。
頼みますよ。道具屋。
処刑ループとかどんだけ業が深いのか。
「ふうっ・・・。。」
溜め息しか出てこないな。本当に。