諦めない心……チャンスは目の前にある。
「歩けっ!」
どこまで連れていかれるのか
所員と共に地下に降りていく。カビ臭い。
独房というやつに向かっているのだろうか……
――ふと
ソーセージ君はどうなったのだろうか……
少し気になっていた。
もし漬物を食べなければ、彼は捕まらなかったであろう。
そう考えると、彼は最も可哀想な被害者である。
自分にも責任はある。
自分もそうだが、彼は助ける必要がある。
なんとなくそう思った。
特に意味はない。謎の正義感が心に芽生える。
しばらくすると所員が立ち止まる。
地下2Fの最奥の部屋……
部屋の前には、何故か銅像があり頭にハンマーが突き刺さっていて薄気味悪い。
「入れっ!」
牢屋と殆ど変わらない部屋に押し込まれる。
入って辺りを確認する。
木製のボロいテーブルと簡易な椅子が数個置いてある。
自分がいた牢屋と一点違うところは
鉄窓がないため光が全く入ってこない。
ここにずっといると精神に支障をきたすで有ろう事は、容易に想像ができた。
蝋燭の光が消えると、ここは漆黒の闇になるだろう。
しばらくすると、髭所長が現れる。
入れ替わりに所員が部屋から出ていく。
「座れっ……」
かなり低い声で髭所長が喋る。
言われるがままに椅子に座る。
それと同時に違和感を感じた……
たかが漬物如きで、髭所長が自ら取り調べるのか……
過剰な反応だなと、冷静に分析する。
「ふふ、本当に馬鹿なヤツだな……」
髭所長は、睨みつける。
そしてゆっくりとした動作で
持っていた左手の紙の資料に目をやる。
「NO.71 罪状は、国家転覆罪……テロリストか……」
え、そんなにヤバい人に転生してるのかよ……
一体何をやったんだ!
ちょっと気になる。
「前置きはなしだ。早速本題に入ろうではないか……」
「お前の仲間達は既に捕らえられているのだ……
そのうえで聞こう。」
「あれを何処に売りさばく気だったんだ!!答えろ!!」
売りさばくだと……
何の話だ……
全く想像ができないが、ここでの安易な発言は、危険に違いない。
相手の発言に、慎重に耳を傾ける事にした。