いつでも準備をしておけ。それが重要なんだ。
集会所と思われる場所に到着した。
最初は、少しざわついていたが、
刑務所の責任者らしき人間が入ってくると、徐々に声音が静かになってくる。
屈強な体格に坊主頭にちょび髭
髭にはよく観ると、白髭も混ざっている。
囚人達を見渡し数秒目を瞑った。
暫くし軽く咳払いをして、周りに注意を促す。
「おはよう。今日は、まずは残念なお知らせからだ。」
野太い声で喋りだす。
「
お前たちの、先輩等が急遽、昨日処分されることになった。
中には、本来であれば来週出所し、再び新たな人生を再スタートする予定だった人間もいた。
そ・れ・が!!!急遽!!!!!
昨日刑執行される事になった。
本当に残念である……
何故か分かるかね、おい、そこのメガネのお前答えてみろ!
」
メガネ君は思案し、窺う様に恐る恐る答える。
「 喧嘩とかですかね……」
「ふっははは!!!!!!!!
残念、その場合は、その場で直ぐに処分される事になる。」
ええええええ、嘘でしょ。
そんなので処分されちゃうのかよ
なんちゅうやつらだ。
「他には!おい!そこの坊主、おまえ答えろ!」
坊主多いな。
「所員に反抗したとかですか……」
「うむ。惜しいな……ただその場合も当然処分の対象になる。」ニヤリ
口角が上がる。
突然の凄い笑顔になっている。
こえーよ。
一体今まで何をしてきたんだ。
しかし、直ぐに処分しちゃうな、こいつらは
「どうした!答えが出てこないかぁ! しょうがない、今回は特別に教えてやろう。」
息を吸い込み、目を見開いた。
「厨房に忍び込み!! 盗み食いをした!!!だ!!!」
声を張って囚人達を見渡す。
「貴様らも知っての通り、我々の刑務所は、地形の関係上、食材調達が難しい場所にある。
よって食べ物については平等に分配する必要があるのだ。
そのルールを破る者は、厳しく取り締まわれる!例外は一切認められない!
分かっているはずだな!!
今後も続く様であれば、直ぐ様処分していくので、覚悟しておけ!!!!!!
」
囚人達を睨みつける。
まあ、分からないでもないけどね。
食べ物は重要な物資……
それをコントロールできないと刑務所自体が成り立たなくなる。
うん、そうだな
そうだな……
うん、
ん
んんん???
これはまさか
心臓の鼓動が速くなる。
そして
急に腹が痛くなる!
ううう!!
呼吸も速くなる。
腹巻きを擦る。
ま、まさかこの腹巻きもまずいのでは無いのか……
いや、まずいのでは……
このままだと3日も持たず処分されてしまう。
何とかしなければ!
後でしれっと、ゴミ箱にでも捨てておくか。
誰にも見つからない場所で処分する必要がある。
できれば、大勢が使う場所がベストだ。
どうするか今後の方針を思案していると、
前の人間がぽつりと呟く。
「なんか漬物臭くないか……」