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勿体無いとか考えるな!迷う事無く道具を使え!

「起きろっ!!労働の時間だぞ!」


目を開けると、屈強な坊主頭の男が私の前に立ちはだかっていた。


頭が痛い……


何が起こったかも、思い出せない。


確か昨日は、久しぶりに飲み会に参加して

ほろ酔い気分で締めのラーメンを

食べていた様な気がする……


そのまま千鳥足で家に帰ってすぐに寝た様な……

不安定な記憶を何とか思い出そうとする。


どんな夢だよ……


軽く舌打ちをする。


もっといい夢があったはずだ。


何が悲しくておっさんに追い込まれる夢を見ないといけないのか。

どうせなら可愛い女の子とキャッキャしているハーレムな夢にしてくれよ。


心底うんざりした。


辺りを見渡すと6畳程の小さな牢屋らしい。


簡易な寝床にトイレ、それ以外は何もない。


そして自分は囚人服を着ている。


無地で灰色のジャージの様な服……

手で軽くさわると

生地が薄く着ているのか分からないぐらい寒い。


今どきのグ○ゼの下着と比べるまでもない。

なんて高性能なんだ現代メーカー。


本当に薄い生地で間違いなく粗悪品のため

暫くすると風邪を引いてしまうのではないかと考えてしまう。


何か良い方法がないか思案していると、

突然割り込みが入ってきた。


「急げっと言っているだろ!!!」


坊主頭の看守が、私の頭を右手で掴んだかと思うと

そのまま体を軽々と数十センチ持ち上げた。


「おい、やめ…………」


言葉を発した次の瞬間

壁へ向かって、ズドンっと投げつけられた。


全身に激痛が走る。

そして体を丸めうずくまってしまう。


痛え……

痛え……痛えよ……!


一体俺が何をしたって言うんだよ。


これが本当の壁ドンかよ。


やっぱり壁ドンは、やられるよりも

やらなきゃ駄目だろと思いながら険しい顔で看守を睨みつけた。


今にも殴ってきそうな顔で看守がこちらを睨みつけている。


「何度言わせれば分かる!早くしろ!

 もっと痛い目にあわせてやろうか。」


看守は凄みながら脅してくる。

この全身の痛みで夢ではない事がすぐに分かった。


とすると何なんだ……


看守の格好は現代人の服とは到底思えず

どちらかというと中世ファンタジー世界の住人に近い様に思える。


若しかするとこれが転生というやつなのだろうか。

痛みに耐えながらもゆっくりと立ち上がる。


数秒睨みあっていると看守は喋りだした。


「まあいい、死刑執行まであと3日だ。せいぜい今日もしっかり働くんだな……」


蔑んだ目線で睨みつける看守は、突然興味を失った様に次の牢屋に向かっていく。


くそったれ、何だよ。


舌打ちをする。


さっきの話だと刑執行まで3日……いきなり死亡フラグかよ。


どうなっているんだ、この世界は。

自分の状況を理解できている訳ではないが簡単に殺されて堪るかよ。


早急に自らの状況を確認すべく動きだす事にした。

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