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2nd スタート  作者: 夏冬
2/3

監督からのメンバー発表が終わったらすぐに、1軍中心の練習が始まった。

俺達選ばれなかったメンバーは、悔しい気持ちが大きかったがその場では、誰も何も言わず練習がはじまった。

俺達は、1軍のサポートにまわる。バッティングピッチャーやティーバッティングのトス投げなど自分たちの練習はなくなり1軍のメンバーを支える事になる。

自主練習の時も1軍のメンバーの練習に付き合ってトスを投げたりしていた。


家に帰ると俺はすぐさま自分の部屋に行き悔しくて泣いた……

『 今までにしてきたことは意味がなかった』そう思ってしまった。

悔しくて、悔しくて俺はベットに横になり涙を流した。

そんな時に結からのLIMEだ。


「今日の練習お疲れ!(。・∀・。)ノ」


俺はこの一言が胸に刺さった。

『 今日は疲れる事は何もしてない。結は俺が今日メンバーに選ばれなかったことを知らない。

何も知らないくせに……』

そんなことを考えていた俺は時間がたち落ち着くと、酷いことを考えている自分が醜く、そして嫌になった…………

俺はまた、結からのLIMEを見て返信をする。


「ありがとう!

今日、メンバー発表があったけど選ばれなかった(T_T)」


すると、すぐに結から返信がきた。


「そうだったんだ……

これこらはチームの応援を頑張ってねp(*≧ω≦)/ ファイト~!!」


この返信を見て、本当に俺は選ばれなかったんだと悲しくなる。


「うん!ありがとう (*´∀人)感謝」


俺は結と複雑気持ちでLIMEをしていた。

そんな時、ドアの向こうから声がした。


「尚輝ご飯だよ」


母さんが、俺を呼びに来たみたいだ。

俺は母さんや父さんにも報告しないといけないと少し落ち込む。そんなことを思いながら、重い足を動かし、1階のリビングへと行く。

リビングに着くと母さんには食事の準備をし、父さんは母さんが米を持ってくるのを待っているようだった。


「おぉ尚輝来たか」


「尚輝ご飯大盛りでいい?」


父さんと母さんが俺に言う。


「大盛りでいいよ」


父さんと母さんは何かを察しているかの様だったがそれでも、俺に聞いてこずいつもどうりに接してくれる。

俺はそれが少し嬉しかった。


夕食を食べ終わると皿を片付けようとする母さんを呼び止める。父さんは気を利かせたのか座ったままだった。


「母さん、父さん今日、部活で夏の大会に向けてのメンバー発表があったんだ……

それに俺は選ばれなかったんだ。今まで、朝早くから弁当作ってくれたり、野球道具を買ってくれたり、支えてくれてありがとう。」


俺は涙を堪えながら言った。


「お前が楽しく出来たんならそれでいいよ」


父さんがそう笑顔で言ってくれた。母さんも笑顔だった。

それを聞いて俺は楽しかった部活の場面を沢山思い出し振り返っていく。


「楽しかったよ」


俺は心より部活が楽しかったと言えた。

それにより、心が少しだけ落ち着き悔しさはあるけど、悲しさを和らげる事が出来た。


父さんと母さんに打ち明けた後、俺は風呂に入っていた。

湯船に浸かりながら、野球の思い出を振り返る。

俺は、自分達の代の部員と野球が出来て良かったと心の底から思えた。


風呂から上がると結からのLIMEの返信が来ていた。LIMEを返しながら自分の部屋へと行きベットに横になる。


「うん!夏の大会は、一緒にスタンドで応援しようね!\( ˆoˆ )/」


「ありがとう!ヽ(・∀・ )ノ

でも、部員の応援の場所に確か私服の生徒は入れないよ?( ̄▽ ̄;)」


「えぇぇ!Σ(・▽・ノ)ノしょうがないので制服で行くよ!(`・v・´)」


「ありがとうね!」


「うん!尚輝の応援する姿、写真に写してあげるよ!(。-∀-)ニヤリ」


「ありがと!

その為にしっかりと応援頑張るよ!و(´∀`)و」


「楽しみにしてるね(>_<)」


「楽しみにしとき!

俺はもう寝るねおやすみ!(*˘︶˘*)」


「ヾ(*´・ω・`*)おやすみなさぁ~ぃ」


俺は結とのLIMEを終えると、布団に潜る。

やはり、強がっても悔しさは無くならず、思い出すと泣けてきたからだ。


次の日は、いつもとほとんど同じ1日だった。違うと言えば練習がなく、1軍のサポートや合間に応援の練習をすることがあるぐらいだ。

それから、2週間がたつと監督が練習前に3年に集合をかける。


「今週の土曜に毎年している神崎高校との引退試合がある。

メンバーに選ばれなかった3年は今週いっぱいが高校最後の練習になるだろう。

お前達は、誰もメンバーに選ばれなかったからといって不貞腐れずにここまでメンバーを支えてくれた事に感謝している。夏の大会が終わるまでメンバーを支えてくれ!」


監督は、そう言って立ち去っていった。

俺は監督からの、言葉を聞いて目が潤んできた。

他の選ばれてないメンバーも何人か目が潤んでいた。

こうして、メンバー外の3年の最後の練習がはじまった。



練習メニューは、外野と内野に別れてのノック、内野外野合わせてのノック、バッティングそして、ウエイトトレーニングに体幹トレーニング。

どれも久しぶりにやって楽しかったしなにより嬉しかった。

1番楽しかったのは、やはりバッティングだった。投げた球を打つ手応えや感触はティーバッティングとは違い、打った球がフェンスに直撃すると清々しい気持ちになり気持ちよかった。

1週間は、あっという間に過ぎていった。 金曜日になり高校最後の練習の日となった。バッティング練習で、高校最後のバッティングなので涙目になりながら打っている奴もいた。


家に着くと携帯を開く、結からのLIMEが来ていた。


「明日、尚輝が出る最後しあいだね( ´・ω・`)」


「明日が楽しまだよ!」


「明日、応援に行くね!いいとこみせてよね!(。-∀-)ニヤリ」


「まぁ、がんばるよ笑笑」


「そこは、わかったぜ!(。 ・`ω・´) キラン☆的な場面でしょ!」


「そんなキャラじゃないよ( ̄▽ ̄;)」


「だめだなー┐(´д`)┌」


「まぁ、かっこ悪いとこは見せないようにするよ笑笑」


「うん!楽しみにしてるね(*>ω<*)」


「そんなに期待はしないで待っててよ」


俺は、結にそうLIMEを打つと寝落ちしていた。


次の日。

俺は朝から、気合が入っていた。

学校につくと、バスももう来ており3年もほとんど準備が出来ていた。

近くの球場をかりて行われる。

球場につくと、試合前ノックをする。これが3年が揃って受ける最後のノックだ。ノックの時に、後輩達が、夏の大会とは違う応援歌を準備していたようで歌ってくれた。「男のくんしょう」だった。

俺は、いや、引退する俺達は、この歌詞をきいて、そして最後のノックを受けて色んなことを思い出しもう既に泣いていた。


相手のノックが終わり、スタメンが発表される。

俺は1番レフトだった。俺達は、後攻で先に守備につく。

レフトに行く途中で、俺は結の姿を見つけることが出来た。

結は、俺にガッツポーズをしてくれた。

初回に俺は簡単なゴロをはじくエラーをしてしまってワンナウトランナー2塁となった。

バッターは3番だった。俺はバックホーム体勢をとった。

すると、レフト前にごろがきた。俺は取るとホームに投げる。

ホームで、ランナーはアウトになった。

俺はガッツポーズをしてよろこんだ………

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