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勇者学校の狂剣士  作者: ヒロ
第三章
30/31

『28』

 ジャイアントオークとの戦いが終わり、英人はカレンたちがいる場所まで戻る。


「ちょっと英人!」


 カレンが不機嫌そうな表情で駆け寄ってきた。


「アンタのせいで全く支援とかできなかったんだけど。あんなに速く動かないでよ」


 英人がジャイアントオークと戦闘中、カレンは後方からずっと炎を放つタイミングを計っていた。

 だが英人の動きが素早く、彼に炎が当たってしまうことを恐れて攻撃ができなかったのだ。


「そりゃ悪いな。けどいいだろ。魔獣は死んだんだしよ」

「それはそうだけど……」


 カレンは自分が役に立てなかったことが不満のよう。

 彼女はぷくっと頬を膨らませる。


「英人さん。無事でよかったのです」


 今度はシンシアが近づいてきた。


「おうシンシア。お前の異能のおかげで奴をぶっ殺せたぜ」


 英人はジャイアントオークを示して言った。


「そうなのですか。それはよかったのです」


 それにニッコリと笑うシンシア。

 ジャイアントオークは彼女の仲間の仇だ。

 それを倒せたのだから、彼女も少しは胸のつかえがとれたかもしれない。


「ありがとうなのです」


 シンシアが英人に言った。

 それに彼は笑みを浮かべて「おう」と返す。


「ちょっと英人!」


 不意にカレンが声を上げる。

 英人が振り返ると、彼女は先ほどよりもご立腹になっているようだ。


「どうした?」

「どうした、じゃないわよ。女とイチャイチャなんかしてないで他の魔獣を殺しにいくわよ。最初よりだいぶ減ったけど、まだ魔獣は残ってるんだから」


 周りには四十体弱ではあるが、依然魔獣たちが生徒たちを襲っていた。

 それを全て殺さない限り、この戦いは終わらない。


「そうだな。じゃあ残りの魔獣を全て殺すとするか」


 英人がそう言うと、カレンとシンシアは「わかったわ」「はいなのです」と返す。

 その後、三人は別々の方向に散らばった。





 英人たちが魔獣の残党と戦っている頃、彼の師匠である麗はなお魔王エヴァドニ・サターニャと戦っていた。


「あなた、人間にしてはなかなかやりますね」


 エヴァドニは口端を吊り上げて、麗に対してそう口にした。


「そうか。自称魔王様にそんなことを言われるのは光栄なことだな」


 麗はあざ笑うように言うと、エヴァドニは彼女を睥睨する。


「あなた、本気で殺しますよ」

「やってみろ。私は貴様を何十回も殺しているがな」


 ここまでの戦闘で、麗はエヴァドニの身体を三十回ほど切り裂いていた。

 しかし、その度にエヴァドニは再生し殺しきれない状況が続いていた。


「まあ自称魔王が本気を出そうが、出すまいが私の敵にはならないがな」


 麗がそう言った瞬間、急に強烈な殺気。

 気がつくと、麗の目の前にエヴァドニが移動しており、彼女の腹部目掛けて拳を打っていた。

 それに麗はすぐに後方へ飛び、躱す。


「あら、はずしましたか」


 エヴァドニは一人呟く。


「貴様、最初よりも動きが速くなっているな」

「それはそうでしょう。私は今まで全力で戦っていないのですから。魔王の力を舐めてもらっては困ります」


 実際、エヴァドニが魔王かどうか麗は半信半疑だった。

 再生能力を持っていることに関しては魔王っぽいが、戦闘力は麗が過去に戦い殺した魔王には遠く及ばない。

 現に、片手しか使用できない麗とエヴァドニは互角。

 その程度の力しかないなに本当に魔王なのだろうか。

 それともエヴァドニが言った通り、彼女はまだ本来の力を隠しているのだろうか。


「まあ考えても仕方がないか」


 麗は呟き剣先をエヴァドニへ向けた。

 しかし、その刹那彼女の姿が消えた。


「っ! 後ろかっ!」


 麗は後方へ身体を向けると同時に剣を振り下ろした。

 すると、エヴァドニは右腕を犠牲にして、残った左腕で麗の腹部に拳を入れた。


「ぐはっ!」


 数メートル後ろへ吹き飛ばされると、麗は思い切り身体を地面に叩きつけられた。


「言ったでしょう、私は本気を出しますと。……まあこれでも全力ではないのですが」


 今の攻撃、先ほどまでのモノとは別物だった。数段速く、強い。

 それで麗は確信した。


「き、貴様……やはり魔王……」


 麗の言葉を聞いて、エヴァドニは呆れるように首を左右に振る。


「初めから言ったはずです。私は魔王だと。まだ疑っていたのですか」


 その時、不意にドーンと地響きのような音が聞こえた。


「あら、どうやらドリオが()られたようですね。一体誰に殺されたのでしょうか?」


 エヴァドニは顎に指を添え、考える。

 しかし、麗と戦う直前まで彼女は様々な行員や生徒を見てきたが、少なくともその中に思い当たる人物はいなかった。

 一人を除いては。


(もしかしてお兄様でしょうか?)


 続けてエヴァドニは「それなら嬉しいことですね」と呟く。


「何をブツブツと呟いている。私はまだ死んでいないぞ」


 傷ついた身体で立ち上がると、麗は剣を構える。

 だが、そんな彼女なんて興味がなくなったかのようにエヴァドニは突っ立ったまま戦闘態勢に入ろうともしない。


「もういいですよ。本日はこの学校に少し遊びにきただけですから」


(本当は生のお兄様を見たかったのですが……残念ながら見つかりませんでしたね)


 エヴァドニがそんなことを思っていると、突然彼女の周りに真っ白な光が現れた。

 それはゆっくりと彼女の身体を包み込んでいく。


「貴様、どこへ行くつもりだ」

「見てわかりませんか? 帰るのですよ。魔王がいつまでも領土を空けておくわけにもいきませんので」

「おい待て!」


 麗がエヴァドニへ剣を振り下ろすが、斬撃が当たる前に彼女は完全に光に包まれ消えた。


「逃げられてしまったか……」


 剣を鞘に収め、麗は周りを見渡す。

 すると、最初と比較して魔獣の数はだいぶ減っていた。


「だが、まだ四十弱はいるか」


 弟子である英人もどこかで戦っていることだろう。

 それなのに師匠である自分が戦闘しないわけにはいかない。


「私も行くとするか……と思ったが、ようやく来たようだな」


 麗の上空、黒を基調とした服を着た人間が続々とグラウンドに下りてくる。

 その後、彼らは魔獣を次々と殺していく。

 どうやら東京エリアを担当する勇者たちが到着したようだ。


「さて、では私も少しだけ殺すとしよう」


 そう呟いて、麗も魔獣の群れへと向かった。


 約一時間後、勇者学校内にいた魔獣は全て討伐された。

 また再び魔獣が現れることもなかった。






 魔獣襲撃から数日が経った。

 勇者学校の生徒、教員には幸い死人は出なく、壊された建物も修復系の異能を持つ教員によってすぐに元に戻された。

 幸いにも生徒や教員に死亡者が出なかったことは、シンシアの活躍が大きい。

 彼女の異能によって、戦闘で怪我を負った学生や教員も、襲撃に巻き込まれた生徒たちも一瞬で治してしまったのだから。


「お帰りなのです」


 そんなシンシアは今もまだ英人の部屋に居候しているのだが……。


「なにがお帰りだ。お前も学校へ行け。つーか、俺の部屋からさっさと出ていけ」


 学校から帰ると、部屋の扉の前で廊下に指さす英人。

 だが、シンシアは彼の指示に背くように、部屋のど真ん中で寝転んだまま動かない。


「なにを言ってるのです。この前はずっとここにいてもいいみたいなことを言っていたのです」

「あの時は色々事情があったからだろ。だが、師匠……じゃなくて剣士科の学科長から言われたはずだ。シンシアは空き部屋に移動して、毎日登校することってな。しかも、お前はそれに承諾したらしいじゃないか」


 魔獣の襲撃があった翌日。

 シンシアは麗に呼ばれ、期日までに英人の部屋から出て寮の空き部屋に移動すること、必ず学校へ行くこと、この二つを言われた。

 そして、それにシンシアは受託した。


「でも、期日は二日後なのです。それまでは学校に行かなくても大丈夫なのです」

「大丈夫じゃねぇが、まあ登校の話は別にいい。俺が被害を受けてるわけじゃないから。

 しかし、俺の部屋で寝泊まりする件は違うぞ。思い切り迷惑だ。部屋があるんなら今すぐ出てけ」


 英人はシンシアの足を引っ張って彼女の身体を引きずるように廊下へ出そうとする。

 しかし、彼女は扉の外枠を掴んで意地でも部屋を出ようとしない。


「部屋の移動も期日は二日後なのです。それまでは絶対に出ないのです」

「なんでだよ。お前の部屋はあるんだろ?」

「もうここに住み慣れてしまったのです。今更部屋を変えろだなんて言われてもお断りなのです」

「なんだよそれ。俺が知ったこっちゃないんだよ」

「実は数年空き部屋だった場所なので、部屋の中がすごく汚いのです」

「それが本当の理由か。ふざけるな。少しくらい我慢しろよ」

「無理なのです。不可能なのです」


 そんなやり取りを数分続けたのち、英人は疲れてシンシアの身体を離した。

 自力で彼女を部屋から追い出すことを諦めたようだ。


「ふふっ。わたしの勝ちなのです」


 部屋の隅へ移動し笑みを浮かべるシンシア。

 それに呆れるように英人はため息をつく。


「いいか。二日後までに出て行かなかったら、本気で追い出すからな」


 本気=異能を使用するということだ。


「わかっているのです。あと二日だけ泊めて欲しいのです。それでちゃんと出て行くのです」

「本当だな」


 シンシアはこくこくと頷く。


「わかった。じゃああと二日だけ泊めてやる」

「やったなのです。あと二日はあんな部屋に住まなくて済むのです」


 手を高く上げ喜ぶシンシア。

 それを見て、英人はそんなに汚いのか、と思う。


「そういやシンシア。お前、いま暇か?」

「昼寝で忙しいのです」

「暇だな。じゃあ少し俺の用事に付き合え」


 そう言って、英人はシンシアの腕を掴む。


「なんなのです? もしかして部屋を追い出すつもりなのです? さっきの言葉は嘘だったのです?」

「ちげぇよ。割と大事な用なんだ」


 英人の瞳が真剣なものに変わると、シンシアは抵抗することを止め、


「わかったのです」


 そう答えると、彼女は英人についていくように部屋を出た。





 部屋から移動すること十数分。

 英人たちは勇者学校の屋上に来ていた。

 ここは普段から生徒たちが来ることはなく、二人きりで話すのには都合が良い。


「こんなところまで来て、一体何をするのです?」


 英人の用事を手伝わされるものだと思っていたシンシアは不思議そうに訊ねた。


「話をするんだよ。お前とな」


 英人がそう言っても、シンシアはいまいちピンと来ていないようで、首を傾げる。

 そんな彼女を見て、英人はこう切り出した。


「なあシンシア。一年前、お前は魔獣から逃げたんだよな? 仲間を置いて」


 突然の質問にシンシアは目を見開く。

 その後、彼女は「はいなのです」と寂しげに一つ頷いた。


「いきなりこんな話をして悪いな。でも、お前には伝えなくちゃならないと思ってよ」


 シンシアを気遣いつつ、英人は話を続ける。


「あのなシンシア。お前は魔獣から逃げたと自分で思っているだろうが、それはどう考えてもあり得ないことなんだ」

「あり得ない……なのです?」


 シンシアが聞き返すと、英人は「あぁ」と返した。


「魔獣は人間よりもずっと素早い。それにシンシアには身体増強系の異能もない。それなのに、お前が魔獣から走って逃げ切ることは不可能なんだ」

「……たしかにそうなのです」


 英人の説明にシンシアは納得した。

 だが、ここで一つの疑問が生まれる。

 現にシンシアは魔獣から逃げ切って、今も生きているのだ。

 一年前、なぜ彼女は魔獣から生き延びられたのか。


「よく聞けよシンシア。これはあのデカ物の魔獣から聞いた話なんだが……」


 一年前。

 依頼(クエスト)中、シンシアは魔獣を前にして仲間を置いて逃げた。

 しかし、これは厳密には間違っているのだ。

 シンシアがジャイアントオークから逃げた際、本来なら彼女は死んでいるはずだった。

 ジャイアントオークの一撃を浴びて。

 だが、その時ジャイアントオークに思わぬ邪魔が入ったのだ。

 ジャイアントオークがシンシアを追おうとすると、周りの木々が倒れ、彼女が通った道に土の壁が幾つも出現した。

 それはまるでシンシア・エリオットへの追跡を拒むかのようだった。

 そして、それを行ったのはシンシアの仲間であり彼女が見捨てた花宮と松村だった。

 彼らは瀕死状態でありながらも、最後の力を振り絞ってシンシアを助けたのだ。


「あ、あの二人が……本当なのです?」


 シンシアが震えた声で問うと、俺は「あぁ」と返す。

 すると、彼女は膝から崩れ落ちた。


「そ、そんな……わ、わたしは……なんてことを……」


 今までシンシアは仲間を見殺しにして、自らの力で逃げたと思っていた。

 だが逃げた時でさえ犠牲にした仲間に助けてもらっていたのだ。


「わ、わたしは……やっぱり勇者には……」


 それは彼女にとってあまりにも残酷な真実で、再び以前の彼女に戻ってしまうこともあるかもしれない。

 しかし――。


「それは違うぞシンシア」


 英人が声を上げると、シンシアは顔を上げ目に涙を溜めたまま彼の顔を見つめる。

 そして、英人は彼女に近寄るなり言った。


「いいか。お前の仲間はお前を助けるために言葉通り命懸けで異能を使ったんだ。これがどういう意味か分かるか?」


 それは仲間がシンシアの逃げることを容認したことであり、彼女に生きて欲しいと思っていたということを意味する。

 それでたとえ自らの命が失うことになっても。


「お前は生きなくちゃだめだ。そして、お前にしか救えない命を救え。お前の仲間がやったようにな」


 命を救われた者が命を救った者に何かを返すとしたら、同じように命を救うしかないだろう。

 救った者が死んでしまった場合はなおさらな。


「……わ、わかったのです。わたしも沢山の人を助けて見せるのです」


 決意を固めると、不意にシンシアはギュッと英人の制服の袖を掴んだ。


「でも、少しだけ泣いてもいいのです?」


 それに英人は「あぁ」と答えると、シンシアは大粒の涙を流しながら大声で泣いた。

 きっと今までの彼女は仲間を見捨てた後悔ばかり抱いて、まともに泣いたことすらなかったのだろう。

 でも、今日でシンシア・エリオットはやっと自分の過去に一区切りつけることができたのだ。


(泣き終わるまで待つか)


 そんなことを思いながら、英人は空を見上げた。

 茜色に染まっており、やけに綺麗な夕焼けだった。





 二日後の朝。

 英人は教室で自分の席に座っていると、カレンが近づいてきた。


「ねえ。ちょっといいかしら?」

「悪いな取り込み中だ」


 そう言って、英人はカレンを追い返そうとするが、彼女は微動だにしない。

 それどころか、やや怒りがこもった表情を浮かべている。


「ねぇ英人、アンタの部屋にあの回復の子が居候してたって本当かしら?」


 カレンが低い声で訊ねるが、英人は反応しない。

 すると、カレンは更に怒り彼の机をバンッ! と叩いた。


「やっぱりそうなのね!」

「おいまだ俺は何もいってないだろうが」


 英人がツッコむが、カレンは止まらずに話し続ける。


「でも、否定しないじゃない。麗さんの言った通りだったわ」

「師匠……」


 麗の名前が出てくると、英人は呆れるように額に手を当てる。


(あの人、なに余計なことを吹き込んでるんだ)


 そんなことを思いながら、英人はカレンに説明する。


「居候していたのは事実だが、ただそれだけだ」

「本当でしょうね。小さなあの子と……そ、そのイヤらしいこととかしてたんじゃ!」


 顔を真っ赤にしながらカレンが問うと、英人は首を左右に振った。


「んなことするわけないだろ。一発で退学、いやそれどころか警察に捕まっちまうよ。それに俺はロリコンじゃねぇ」


 そう訴えると、カレンの怒りは一旦収まる。その後、ジト目で英人を見つめる。


「言っておくが、嘘じゃないぞ。あと、もうシンシアは俺の部屋を出たよ」

「えっ、そうなの?」

「あぁ。今朝出ていた。そういう約束だったからな」


 本日の早朝。

 シンシアは英人の部屋を出て、空き部屋へと移動した。

 彼女の見送りをしたせいで英人は若干寝不足になってしまったが。


「ふーん。まあそれはよかったわ」

「なにが良かっただ。つーか、お前には関係ないだろ」

「か、関係なくないわよ!」


 そんなやり取りをしていると、不意にカレンの後方から声が聞こえた。

 それもかなり聞き馴染みのある声だ。


「おはようなのです」


 カレンの背後から現れたのは、琥珀色の髪に翠色の瞳が特徴的な女子生徒。


「シンシアか?」

「えっ、回復の子?」


 英人とカレンが驚いていると、シンシアは「はいなのです」と返した。


「今日からこのクラスに通うことになったのです。なので、英人さんとはクラスメイトなのです」

「そうなのか」


 依然、呆気に取られている英人の言葉に、シンシアはこくりと頷いた。


「シンシア・エリオット。改めてよろしくなのです」


 そして、シンシアはニコッと笑顔を浮かべた。

 それはあどけなくとても美しかった。

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