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3話
『欠伸してるな?寝れそうなら寝ろよ?明日も学校あるんだからな』
「うん、毎日学校…ツラい。こんなに真面目に学校行くなんて小学校以来かも」
『お前、中学もサボってたのか…ったく、真面目にしてなかったツケが来たと思うしかないな』
冬四郎に呆れたような声を聞きながら、むつはふぁふぁと欠伸をした。すると、またくすっと笑われた。見てるわけでもないのに分かるのか、また欠伸してると言われた。
『ほら、寝なさい』
「しろーちゃんは?」
『山上さんと西原君がまだ、なぁ…むつはそんな事気にしなくて良いから休みなさい』
「はーい。何か、何とかしなさいって言い方、お父さんそっくりだよね」
『そうか?まぁ保護者だからな。ほら本当にそろそろ寝ろよ、寝不足じゃ仕事にも差し支えるかもしれないしな』
「じゃあ寝ます…しろーちゃんも、あんまり遅くならないでね?おやすみなさい」
『なるべく早く帰るよ。おやすみ』
うん、と言ってむつは電話を切った。通話の切れた携帯をしばらく見ていたむつだったが、すぐに布団をかぶると目を閉じた。冬四郎の声を聞けたせいなのか、あっという間に睡魔がやってきた。




