3話
ビールが届いて、店員が居なくなると山上は、冷えたビールを半分ほど一息に呑んだ。
「お前、むつと何があった?」
山上の言葉を聞き枝豆をつまんでいた冬四郎が手を止めて、西原の方を見ている。きょとんとした顔を向けられた西原は、ますます困ったような顔をしてビールを呑み干した。
「…山上さんも宮前さんも芋って呑めましたよね?ボトルで入れていいですか?」
西原は2人の返事を待たずに、店員を呼び止めると芋焼酎をボトルで頼みグラスを3つと湯のポットも頼んだ。そして、ついでにホッケと卵焼き、厚揚げに餃子も注文した。それらを頼んでから、西原はむつの好みに感化されてるなと思い苦笑いを浮かべた。
焼酎が届くと、西原はお湯割りにしてゆっくり呑みながら、ふぅっと溜め息をついた。
「むつ何か言ってましたか?」
「悪い事したって気まずくなったらどえしようって泣いてたからな。むつとお前がどうこうなっても良いけど、泣かせるような帰し方は良くないだろ?」
冬四郎はビールを呑み干すと、焼酎に手を伸ばしたが、先に西原が取るとお湯割りを作ってくれた。山上にはまだビールが残っていたが、西原はついでに作るとグラスを山上の前に置いた。




