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3話
「あの…それで俺が呼ばれた理由は何なんでしょうか?」
冬四郎と山上が、同時くらいに携帯を確認してメールをしてテーブルに携帯を置くのを待ってから、呼び出されていた西原が困り顔を見せた。
「何となく、察しはつくんじゃないか?今日は俺とみやが隣合ってるんだからな、なぁ?」
話をふられた冬四郎は、首を傾げた。
「いや、俺もよく分からないですが…呼び出されて、何で横に座らされたんでしょうか」
「お前…相手は西原だぞ」
「見たら分かりますよ?」
当然のように言い冬四郎もビールを呑み干すと、通りかかった店員を呼び止めて追加のビールを頼んだ。ビールが届くまでの間、冬四郎は枝豆をもそもそと食べていた。山上は何だか怖い顔をしているし、何があったのか分からないのは、西原と同じだった。




