689/718
11話
すぐ近くで待っていてくれたのか、すぐにやって来た冬四朗は森が途切れる辺り、ぎりぎりまで車を寄せるとさっさと降りてきた。
「もう少し騒ぎが収まってからでも良かったんじゃないのか?」
「まぁね。けど、ちょっとまだ…」
むつの手から荷物を受け取った冬四朗は、それを後部座席に置いてむつの為に助手席を開けた。
「ゆっくり聞くから…ってお前」
改めてむつの姿を見た冬四朗は、口を開けたまま、じろじろと上から下まで見ている。
「だっ…大丈夫なのか!?お前っ…血まみれじゃないか‼制服もぼろぼろだし」
「大丈夫、たぶん」
むつは苦笑いしながら言い助手席におさまった。冬四朗は、何も言わずにドアを閉めると運転席に戻ってきてすぐに、車を発進させた。




