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10話
むつは菜々とダリィに、しがみつかれたまま、そっと玲子の方を見た。まだ、ぼんやりとしたままだが、それでも天使たちの様子が気になっているのか天井を見上げていた。
「むつ、どうする?」
「どうって…様子を見るしかないかな…玲子たちがこのまんまじゃ困るし」
どう動くべきなのか、決めかねてむつも首を傾げた。西原とノアもどうしたら良いとは言えないようで、むつ同様に静観している。
「っぎゃぁあ‼」
しがみついていたダリィが悲鳴を上げて飛び上がると、その頭がむつの顎に当たった。がちんっと歯が鳴り、むつは痛そうにしている。
「こっ、こっち来たぁ‼」
ダリィに抱き付かれ、むつはよろけて菜々にぶつかった。ダリィのすぐ目の前にまで、少年の身体から出た黒い霧が迫ってきていた。むつは咄嗟に、ダリィの腕を振りほどくと日本刀を抜いて斬りかかった。




