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10話
天使たちが、きゃっきゃっとじゃれつくようにして少年の肩に触れたりしている。明きからに、慣れている様子が分かる。
「どういう事、なんですか?」
天使たちの様子を見て、驚いたような顔をしたノアがむつに説明を求めるようにたずねたが、むつは何と説明したら良いのか悩んでいる様子だった。
「彼が天使たちに実体を与えたんだよ…たぶんね。方法は分かんないけどさ」
「…それをシスターは自らがやってのけたと思い込んでたのか?だから、悪魔の召喚にも自信持ってた?」
「たぶんね…本当、性格悪いわ」
むつが言うと、悪びれた様子もなく少年は肩をすくめて見せた。
「性格悪いんじゃなくて、気紛れって言ってくださいよ。だから、今回はこうして顔も見せてるわけですからね」




