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10話
「うふふっ…そんな嫌そうな顔しないでくださいよ。僕はむつさんに会えて嬉しいですよ?」
「嬉しくないからね、仕方ないわ。それより…またこんな悪戯して。どういうつもりよ?」
「悪戯だなんて人聞き悪いですよ。それもこれも、彼女が望んだ事ですよ?僕は人の願いを叶える…神みたいな存在ですよ?」
自分で言いながらくすくすと笑い、薄暗い中でも顔がはっきりと見える距離まで歩いてきた。
「神ねぇ…神様ってやつは子供か」
「そう。無邪気なね。神は気紛れなんですよ?時に奪うし、与えるし?」
むつは日本刀を振るって、血を飛ばすとスカートで拭ってから、ぱちんっと鞘におさめた。
「質悪いわね」




