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10話
皮をぶちぶちと引き裂き、ほんの少しの肉をこそぐようにして食べていた天使たちは、肉がなくなるとぺちゃっと床に皮を投げ捨てた。じゅるじゅると音を立てて内臓をすすり、すっかり食べ終えると満足そうに笑みを浮かべた。
血液はすでに無いぶん、床を汚す事はあまりなかったが、凄惨な状況に変わりない。
顔からも腕からもすっかり肉がなくなり、皮と骨が床に散らばっている。あまり肉がなく、物足りなかったのか天使は骨をいつまでもしゃぶっている。だが、それも飽きたのかぽいと骨を捨てた。そして、扉の前にいるむつたちに視線を向けた。
「次は俺たちみたいだな」
「みたいね…今度こそやばいわよ」
口の回りを赤く汚した天使たちが、シスターの残骸から放れた。




